檀流クッキング・ビーフシチューの作り方を書いています。
ルーを使わずに、野菜やワインをふんだんに使う本格的なレシピです。調理時間はたっぷり時間をとられるでしょう。休みの日にコトコトと、大作料理に挑戦するのは楽しいものでした。
ちょこちょこお手軽にレシピを変更しています。
2~3人分の分量で作りましたが、作る量はおおいほうがいいように思いました。ペロっと本格的なシチューがなくなり、ガッカリ。「調理時間かかったのに」と、クヤシイ思いをしました。
パーティーや誕生日会などにピッタリなレシピですよ。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
ビーフシチューの調理工程
- 牛肉を野菜とワインに漬け込む
- 牛肉に焦げ目をつける
- 1の野菜を炒め、旨味を抽出する
- 野菜のスープに水をたし、煮込む
- ルーを作り鍋にいれる
- 野菜やキノコ、香辛料をいれる
- オーブンにいれ焼きあげる
- ビーフシチューのできあがり
洋食の王さま『ビーフシチュー』調理工程がたくさんあります。作りなれないうちは調理時間がめちゃくちゃ長くなります。
牛肉を漬け込む時間を除いて、6~8時間ほどビーフシチューを作るのにかかりました。
できあがったビーフシチューは、まさに御馳走とよべる料理です。ちょっとした洋食屋には負けていないお味に仕上がりました。
ビーフシチューの材料(2~3人分)
- 牛肉:250g~350g
- にんにく:3片
- 玉ねぎ:1個~2個
- セロリ:1本
- にんじん:1本~2本
- 黒胡椒:適量
- 赤ワイン:適量
- ラード:大さじ1
- トマト:1個
- ピーマン:1個(記事内ではつかわず)あまり好きでないので
- ブラウンマッシュルーム:2~3個(乾燥したものを使った)
- バター:大さじ1・小麦粉:大さじ1(ルーを作る)
- 塩:適量
- カラメルソース(砂糖:大さじ2・水:大さじ1で作った)
- ウスターソース:適量
- お好みの香辛料:クローブ・ローリエを使った。セージ・セロリの茎もオススメ
- つけあわせ:じゃがいも:1~2個・ゆで卵1~2個・生パスタ
材料だけでも、ちょっと作るの遠慮したくなりますよね。材料の一つや二つなくても、味の違いわからないと思いますよ。ちょっと材料が足らなくても、作れるでしょう。あっ、肉は必須ですよ。
ビーフシチューのつけあわせはご自由に。
ビーフシチューの調理風景【写真あり】
牛肉を漬け込む
食べやすい大きさに牛肉を切り分けておく。セロリがちょっろとついているのはご愛敬。
にんにく:3片を包丁で叩き、ボウルにいれる。
たまねぎ:1個を厚めのスライスに切る。
セロリ:1本を薄切り、ニンジン1本を輪切りにしてボウルにいれる。
ビニール袋に切り分けた牛肉と、切った野菜をいれる。黒胡椒をゴリゴリと削りいれておく。
牛肉と野菜がしっかり浸かるように、赤ワインをビニール袋に注ぎいれる。ビニール袋を使うと、赤ワインの量が少量ですむよ。
ビニール袋を冷蔵庫にいれ、1日ほど漬け込む。たまに気がむいたら、ビニール袋の上下をひっくり返す。赤ワインが漏れないように注意しましょうね。
牛肉に焦げ目をつける
漬け込んだ牛肉と野菜を、ザルをセットしたボウルのうえにあげる。
フライパンにラード:大さじ1をいれ中火で溶かす。バターでもオリーブオイル、サラダオイルでも大丈夫ですが、ラードのコッテリした背徳感のあるコクは捨てがたいです。
鉄のフライパンから煙があがってきたら、漬け込んだ牛肉に、一気に焦げ目をつける。
煮込み鍋に、焦げ目をつけた牛肉をいれる。
牛肉を焼いたフライパンを洗わないでくださいね。野菜を牛とラードの油で炒めます。
野菜を炒め旨味を抽出する
牛肉を炒めていたフライパンに、牛肉と一緒に漬け込んだ野菜と、角切りにしたトマト:1個をくわえる。(ピーマンを切ってくわえてもよい)
弱火で狐色になるまで炒める。焦げ付くようであれば油を追加する。
野菜の類がだんだんと狐色から、褐色のキャラメル状に変ってきたろう。よろしい。火をとめて、少しさめるのを待った挙句、清潔なフキンにくるみ込み、シチュー鍋の中に、野菜の汁を、ことごとく搾り取るのである。
引用元:檀流クッキング
このゴロゴロした野菜をキャラメル状にしようとすると、コンロの前で、魔法使いのおばあさんのように腰が曲がるまで、野菜を延々と炒める必要がある。
そこでバーミックスを使い、野菜を粉砕してから炒めるとキャラメル状に、アッというまになる。
炒めた野菜は、清潔なフキンがないので、ザルと木ベラで汁を搾り取る。ギュッギュッと野菜をおさえつける。
こんだけ!?ビックリすること間違いなしの、野菜の旨味が抽出できた。炒めた野菜とザルはもう1度セットしておく。
漬け込みにつかっていた赤ワインを、牛肉を炒めたフライパンにいれ焦げをそぎ落とす。
ザルにいれた炒めた野菜の上から、焦げをそそぎ落した赤ワインをそそぎ、もう1度野菜を木べらでおさえつける。
牛肉が隠れるまで水をいれる。
調理鍋を弱火にかける、アクが浮いてくるようであれば、すくい取っておく。2~3時間煮込む。
2~3時間、コンロを占領されるのが嫌なので、シャトルシェフにいれて保温調理に切り替えた。
保温調理とは、なんぞや。魔法瓶と思ってください。特殊な容器に鍋をいれると、アツアツのまま長期間保温してくれます。弱火で煮ることと、同じ効果をえることができるんです。保温調理は水が蒸発することがないので、水を足す必要がなくなり、肉が焦げ付く心配もありません。4時間ほど保温する。
残った野菜
フキンで搾り取ってしまった野菜のカスだが、勿体ないと思う方は、醤油やウスター・ソース等で煎りつけておくと、ゴハンにかけてよろしく、酒のサカナによろしい。
引用元:檀流クッキング
カレー粉いためなども面白いかもわからない。
引用元:檀流クッキング
カレーの香りがし、どこか牛肉の残り香がある。たのしいオツマミになる。
そこへ、トマトケッチャプをくわえると、ドイツ料理の『カリーヴルスト』風味になる。
パスタと混ぜ合わせ、チーズをかけてやると、パパッと作ることができるが、味わい深いパスタを作れる。ドイツ人のように、ビールが欲しくなるパスタだ。
ルーを作り鍋にいれる
バター:大さじ1をフライパンにいれ溶かす、バターが溶けたあと小麦粉:大さじ1をいれる。
弱火で木べらをくるくる回しながら作る、たしょうダマになっても、気にせず調理を続けよう。
狐色にすると焦げそうで怖いので、白い状態で鍋にいれた。濃い茶色のビーフシチューにはなるのでご安心を。
野菜やキノコ、香辛料をいれオーブンにかける
タマネギとニンジンに焦げ目をつける
タマネギとニンジンを切り、焦げ目をつけてから、鍋にいれる。
格好良く焦げ目をつけるとよいと檀さんは書いているが、なかなか恰好わるい焼き目だナ。
香辛料を用意する
クローブとローリエを鍋にいれますが、そのままいれると取り出すのが大変なので、お茶袋に香辛料をいれてから、鍋に投入しています。
乾燥マッシュルームをいれる
キノコはマッシュルームだけでなく、シメジも一緒にいれるとキノコの出汁がでて、シチューの味が深くなる。
乾燥させたマッシュルームを調理鍋にいれる。
カラメルソースを作る
砂糖:大さじ2・水:大さじ1をフライパンにいれ弱火にかける、砂糖を溶かし、水分をとばす。焦げつかないように注意しましょう。
ここで注意が必要です。カラメルソースはすぐに固まります。
ピンポンと人が来たので、相手をしていると、この通りです。お湯をいれて伸ばすか、ペリペリ剥がして鍋にいれましょう。
ウスターソースを小さじ1~2いれて味付けは終わりです。オーブンで水分を蒸発させますので、味付けは薄目にしましょう。
オーブンにいれ焼きあげる
180度のオーブンに鍋をいれる、オーブンにいれて大丈夫な鍋か確認しましょうね。
焦げ目がついてきたら、取りだし、シャモジで上下をひっくり返す。オーブンの前にへばりついているのが、メンドくさかったので、10分~20分単位でひっくり返していた。
一時間後、つやつやの焦げ茶のソースができあがっている。香辛料の袋を取り出しておく。
ここで大変なのが、鍋肌のコゲの掃除だった。洗剤で洗ってもよいのだが、焦げた鍋に水をいれ、ボコボコと沸騰させ米をいれお粥にしたり、すこし水を減らしリゾットにしてやると、香りのよいご飯レシピになる。
ビーフシチューを食べる
ビーフシチューを器にいれ、つけあわせも一緒に盛り付ける。
あまい牛肉と野菜の甘い香りに、クローブの鮮烈なピリっとした香りが食欲を刺激する。
ルーを使わずに、トロトロ艶々の濃い茶色のソースを作ることができるのかとビックリした。
スプーンを牛肉にいれると、繊維にそって、サクッと切れた。牛肉を噛むたび、奥からスープがお口に溢れだしてくる、カラメルソースのおかげか、ホロッと甘いソースになっている。少しコッテリした味だと思っていると、香辛料の清涼な香りが走りさっていく。
後からいれたタマネギとニンジン。タマネギは影も形も無くなっている。タマネギをいれるときは、大き目にしよう。ニンジンは甘い、とにかく甘い。ニンジン嫌いのお子様でも食べるのではないだろうか。キノコのほろ苦さはアクセントになっており、舌を楽しましてくれる。
赤ワインの軽いのと合わせて食べると、「御馳走を食べたな」という満足感にドップリ浸かることができた。
檀流ビーフシチューを作って食べた感想【まとめ】
ビーフシチューを作るのに、時間はかかり、料理手順は非常にややこしいレシピでした。
が、出来上がったビーフシチューを食べると、艶々でコクのあるどこまでも深い味のソース。牛肉はソースは柔らかく仕上がっています。ニンジンなど脇役にあらず、その甘さ主役級でした。
作るのに時間はかかりますが、失敗の少ない、もしくはリカバリーの効くのがシチュー料理だと思いました。多少の失敗をしても、おいしいシチューを作れるでしょう。
これからも誕生日会やパーティー、親戚が集まるときに檀流ビーフシチューを作ります。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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