まどろみバーメイド 1~14巻【 あらすじ紹介 】 カクテル好き必読漫画を紹介 【 作中に登場したカクテル再現あり 】漫画に登場するカクテルレシピは宝石のようにキラりと輝いている

書評

『 まどろみバーメイド 』の発売されているすべての巻を読み、紹介している記事です。

日本に屋台は数おおくあれど、カクテルを提供する屋台は数少ないでしょう。この漫画の主人公である女性は屋台をひき、あちこちの場所でカクテルを提供します。

提供されるカクテルは、白夜に光る星のように見え、黒い布のうえに散った宝石のようにも見えてきます。

スタンダードなカクテルの作り方、おいしいカクテルを作るヒント、さらには、ちょっとした変化球カクテルの作り方を、魅力的な女性バーテンダーが教えてくれる漫画です。

昨夜、屋台のあった場所にいっても、今日の夜には屋台には出会えない、そんな蜃気楼のようなカクテル屋台。昨日味わったカクテルを今日は味わえない、残念だ。

ご安心くだされ、この漫画にはカクテルのレシピも書かれているので、漫画を読み、材料をそろえれば、漫画で登場したカクテルの味をご家庭で再現できます。

今夜のお酒のお供に『 まどろみバーメイド 』はいかがですか。

まどろみバーメイド 1巻

陽が沈んだ公園、時間は20時ぐらいであろうか、公園に屋台がみえる。清潔で気品あふれるバーテンダーユニフォームに身を包んだ女性がシェイカーをふっている。

4人も座れば満席になりそうな屋台。棚にはBarのようにさまざまなお酒が並んでいる。物語の中心になるカクテル屋台だ。

店長の女性は、長めの黒髪をキレイに束ね、背中に定規がはいっているようなキレイな姿勢。提供したお酒の説明はなめらかで滞ることはない。

提供するお酒は『 カシスソーダ 』

基本のレシピにアンゴスチュラビターズを一滴。レモンをいれない古典にちかい味になり、レモンをいれるよりも味が深く濃くひろがる。

屋台の場面から一転し、昨夜ビシッとたっていた女店長が、一軒家でグデンとしているシーンにかわる。

ここで屋台の女店長と同じ一軒家にすむ同居人の紹介になる。ボーイッシュでしっかり者の女性と、ぽわぽわした男ウケしそうな柔らかそうな肉体の女性。この3人が『 まどろみバーメイド 』の主要な登場人物となっている。

これはカクテルに携わる

バーメイド(女性バーテンダー)達のお話

引用元:まどろみバーメイド 1巻

物語は1話完結ですすんでいく。

しかし、最終話だけが、2巻に続くお話となっている。山形の母が飲んでいた幻の『 なみだのウイスキー 』を見つける連続した話となっている。女性店長は幻のウイスキーをみつけることができるのか。

2021年現在『 まどろみバーメイド 』1巻は、アマゾンプライム会員は無料で読める。絵柄と漫画の雰囲気を確認できる。DMMコミックであればレンタルすることも可能だ。

お酒好きの私は、1巻を試し読みしたところ、発売されている巻を大人買いしていた。

カクテルのように1杯飲んだら、もう1杯。1冊読んだら、もうあと1冊と、まどろみながら読む幸せな時間よ。

1冊95円のDMMコミックレンタル!

1巻に登場したカクテル再現

ジントニック

ジントニックにカルダモンをふりいれます。お手軽にできるツイストです。

カルダモンをくわえるだけで、鮮烈ともいえる清潔な香りをダイレクトにたのしめるようになります。

あまりにも爽やかすぎるカルダモンの香りは、ジンがもつ繊細な味わいを壊すかもしれません。

お手頃価格のジンをつかったジントニックの香りを強くしたい、そのように感じられたときにカルダモンをいれるとよいでしょう。

ジンフィズ

カクテルを作る基本動作4つがそろったカクテル。

毎日、毎日、ジンフィズを作り味の探求にのりだしたくなります。

中華料理のチャーハン、イタリア料理のペペロンチーノ、カクテルのジンフィズ。

ボイラーメーカー

ビールグラスにショットグラスをぶちこむという大胆なレシピ。

ドスンとビールが濃い味になり、第三のビールが、まるでプレミアビールのようになる。

村雨

ステアで作らず、シェカーで作る村雨。

アルコール濃度の濃いドランブイがよく混ざるらしい、らしいというのは、どちらも飲んだのだけど、ちょっとシェイカーのほうが滑らかだろうか、ぐらいの味の違いしか感じなかった。

さらに女店長は焼酎に、ある花を漬けこみ風味をよくしている。

まどろみバーメイド 2巻

山形のウイスキー捜索の話の続きから2巻はスタートする。

ウイスキーを捜索しているうちに女店長の過去もすこしずつわかってくる。Barの店内の暗さに眼がなれ、どんどんと隅まで見えてくるような感じをうける。

1巻は物語の導入だけサラッと終わった感があったが、2巻はダダダッと駆け足で物語がすすむ。

バーメイドの3人が住む一軒家にペットがふえ、このペットが、これまた個性的。え?ペットとして飼えるのと気になり調べてみると、ペットとして飼っている人もいるそうだ。

つぎに屋台の名前も2巻で決まる。そういえば、屋台の名前は紹介されていなかったのと改めて気づいた。

そして、また巻末の話で旅にでる女店長。こんかいは香港にとぶ、仕事で香港NO1のバーテンダーをスカウトのお手伝いをするために。

香港NO1バーテンダーをスカウトする条件はひとつ。

『美味い酒を持ってくるならオファーを受けてもいい』

引用元:まどろみバーメイド 2巻

女店長さんは、香港NO1バーテンダーをうならすことのできるお酒を提供できるのか。

3巻へ続く。

2巻に登場したカクテル再現

コープス・リバイバーNo.2を家でつくってみた

まどろみバーメイド 3巻

香港NO1バーテンダーをスカウトするために、奮闘する女店長。香港NO1バーテンダーのスカウトに成功するのか。

Bar屋台の女店長が、香港NO1バーテンダーに提供したお酒は抹茶モスコミュール。

抹茶と和三盆をつかったモスコミュール。和三盆シロップはなかったのでふつうのシロップで代用。

この抹茶モスコミュールで香港NO1バーテンダーをスカウトできるのか?

日本に戻ってきてからは、一話完結の話にもどり、Bar屋台の女店長とボーイッシュでしっかりした女性との出会いや、バーテンダーをはじめた過去が描かれている。

ボーイッシュでしっかりした女性の働いているホテルの様子も紹介されている。ホテルの高級Barとか結婚式なんかで一回しか行ったことないので、せめて漫画のなかでは、ホテルの高級Bar気分を味わいたい。

3巻で登場したカクテル再現

レッドスナッパー

燻製醤油をいれるところを、燻製の素で代用。

燻製の香りとトマトジュース、ウォッカ。飲むトマトソースといった濃さがある。

これはハマる人はハマりそうな味。

ロングアイランドアイスティー

紅茶がはいってないけど、紅茶の味がする不思議なカクテル。4つのきついお酒をいれて作る。

紅茶の味かと言われると、いつも思うのだが「う~ん」となる。

非常に飲みやすいカクテルだが、アルコール度数が高く、お酒に弱い女性はご注意を。このカクテルをすすめてくる男性がいたら、そやつはきっと送り狼ですゾ。

まどろみバーメイド 4巻

3巻までは屋台の女店長の話がメインにすすんできた。4巻からは舞台がひろがり、ボーイッシュな女性の職場がメインに物語はすすむ。

ボーイッシュな女性のホテルは、Bar屋台の女店長がかつて働いていた職場だった。彼女はなぜ、ホテルのBarを辞め、屋台のBarをはじめたのかがわかる。

ホテルのBarに戻らないかと誘われた女店長はしっかりとハッキリと返事をする。

その瞬間にしか出せない味で喜んでもらう

そんな一期一会が好きで

誰かにとっての新しい星を見つけたい

引用元:まどろみバーメイド 4

1話完結の話がすすみ、4巻も終わりか、と思っていたら、ぽわぽわした男ウケしそうな柔らかそうな肉体の女性が、実家に連れ帰られるという事件がおこったところで4巻は終わる。

ぽわぽわした男ウケしそうな柔らかそうな肉体の女性はどうなってしまうのか、屋台の女店長はどのような行動をおこすのか。5巻に続く。

4巻に登場したカクテル再現

カンパリビア

ビールにカンパリをたして作るお手軽レシピ。

しかし、だがしかし、このレシピはお手軽だけど、お安いビールや発泡酒、第三のビールの味を苦味、酸味、フルティーの3つの要素をビールに追加してくれる。

カンパリがあれば、お高いビールを買わなくていいのでは、と私なぞはそう思うのですヨ。

ジャパニーズオールドファッションド

新しい星は見つかったのかという問われて、Bar屋台の女店長が提供したカクテル。

ふつうのオールドファッションドとなにが違うかおわかりになるだろうか。飲んでみると、どこかまろやかでトロンとし、古い民家を訪れたような懐かしいさのある味になっている。

答えはこれでございます。ウイスキーにシイタケを漬け込んでいるのです。

シイタケをつけこむことで、ぬるっとした口当たり、シイタケの香りとウイスキーの香りが混ざりあい、古木の樽で長時間寝かされたようなコクがでている。

作中では、原木しいたけに、白洲を使っていたのだが、貧乏人はとてもとても。

まどろみバーメイド 5巻

フレアバーテンダーをごぞんじだろうか。

写真のようなお酒の瓶をポンポンとお手玉のように投げ、5つぐらいのグラスに色ちがいのお酒を注ぐ。そんなイメージしかなかったのが『 まどろみバーメイド 5巻 』を読んで、フレアバーテンダーが投げる瓶のように、フレアバーテンダーのイメージが180度ひっくり返った。

4巻の最後に実家につれさられた、ぽわぽわした男ウケしそうな柔らかそうな肉体の女性はフレアバーテンダーだった。

実家につれかえられた彼女は政略結婚をさせられようとしていた。政略結婚をしたくない。そして、なにより女店長たちと一緒に暮らしたい彼女は、野外イベントのフレアバーテンダー舞台に立つ決心をする。

フレアバーテンダーの舞台で、4アイテムを成功することが、フレアバーテンダーを続ける条件としてだされる。4アイテムとは、お手玉のように4本の瓶を同時に投げ、キャッチする技。

彼女は舞台上で、4アイテムを成功させることができるのか、政略結婚を回避できるのか。

彼女は決戦の舞台にたつ、観客を惹きつけることに成功し、舞台は順調にすべりだす。

しかし、機材の故障か、舞台の電気が落ち、舞台は漆黒の闇に包まれる、ざわざわと騒ぐ群衆、舞台は死んだのか、彼女はこの危機をのり越えられるのか、次巻に続く。

5巻で登場したカクテル再現

バタフライウォッカトニック

青色のお酒が、ピンク色に大変身。

あら、不思議、これはいかなることか。マジックのネタバレを書くと、胴体を切断される勢いで怒られるのでお口にチャック。

ブランデージンジャー

ブランデーをジンジャエールで割るカクテル。

お高いイメージのブランデーをジンジャエールで割ってもいいの、いいんデス。

ブランデーの価格はぴんきり、なるべくお手頃価格のブランデーを使うこと、それがブランデージンジャーを作るコツです。

ブランデーの甘い香りとジンジャエールのキリッとした生姜感がよくマッチしてる!

引用元:まどろみバーメイド 5

ジンアンドイット

ジンとスイートベルモットを同じ量だけグラスにそそぎ、くるくると優しくグラスをまわす。

シンプルにして原始のカクテル。

カクテルの王と呼ばれるマティーニの元になったと言われているので

見ようによっては隠居した少し寂しいカクテルかもしれませんね

まるで・・・過ぎ去りし王か・・・

引用元:まどろみバーメイド 5

常温でも楽しめるレシピなので、ゆっくりと長い時間たのしむことができる。過ぎ去りし王に想いをはせる、そんな時間をゆっくり持ちたいものだ。

まどろみバーメイド 6巻

6巻では、アプサントの話や、ひろったペットの元飼い主が現れたりなど話がすすむ。

そしてフレアバーテンダーの舞台でしりあった女性パティシエと、Bar屋台の女店長が出会い物語はおおきく動く。

その女性パティシエは、スイーツ日本大会で優勝したことのある人物だった。どうじにいわくつきのパティシエでもあった。

いわく彼女のまわりのものが消える。パートナーが消え、店も消滅したと。

そんな彼女は、Bar屋台の女店長を旅に誘う。

私の夢を壊した人間への

復讐の旅にです

引用元:まどろみバーメイド 6

復讐の旅とは、BAR屋台の女店長はその旅に同行するのか。

次巻に続く。

6巻ではアブサントを飲んでいた、漫画のなかのアブサントはアルコール度数70度と強烈である。興味はあるのだが、お値段も強烈であった。

そこで、価格がお手頃のアルコール度数のひくいアブサントを飲んだ感想を書いている。

まどろみバーメイド 7巻

Bar屋台の女店長は、女性パティシエとの旅にでる。旅の目的地は志摩。

女性パティシエはかつての共同経営者をさがし、店に戻ってきてもらうために、共同経営者の好きなケーキを食べさせることを計画する。

Barの女店長に求められるのは、そのケーキにあうカクテルをつくることだ。日本料理と日本酒、中華料理と紹興酒、西洋料理とワインのように、ケーキの味とカクテルの味の双方をひきたてるカクテルを作ることを求められた。

そして、女店長がつくったカクテルは、あっと驚く以外なカクテルだった。ケーキとカクテルの味は、共同経営者の心を動かすことができるのか。

ひとつの旅がおわり、Bar屋台の女店長は東京へ帰り、あたらしい物語がすすみだす。

SNSアカウントでカクテルを紹介しているアカウントがあり、カクテルのレシピを紹介しているが、完成したカクテルの写真がのっていない、そこでBarで再現してくれないか、と頼む女性があらわれる。

そのカクテルの名前は『 ネグローニ・ビアンコ 』

ネグローニとは、写真のように真っ赤なカクテルだが、ビアンコ=白。そして投稿には、インビジブルという単語が、インビジブルつまり透明。このカクテルはどのような色をしているのだろうか。

その答えは、次話に登場した男性バーテンダーが教えてくれる。グラスぴったりのジャストサイズの氷を削り、酒をそそぎいれると、グラスの向こう側がみえる透明なカクテルができる、というわけだ。

出気合いの氷しか使っていない、わたしでは決して作ることのできないカクテルだった。

透明なカクテルを作った男性バーテンダーは、これからの物語にどのようにからんでくるのだろうか。

7巻で登場したカクテル再現

ガリバルディ(カンパリオレンジ)

ビルドで作るカクテルだが、シェイクで作ることでより強くカンパリとオレンジをむすびつけている。

あまいオレンジの味、カンパリの香草の苦いようなすっぱいような酸味が楽しいカクテル。

まどろみバーメイド 8巻

8巻では、いちばん好きな名言が飛びだした。人生の指針にしたい至高の名言である。

酒はね

人が働いてる時に

飲むのが一番美味いの!

引用元:まどろみバーメイド 8

ボーイッシュでしっかり者の女性、彼女の失踪していた父の言葉だ。失踪していた父もバーテンダーだった。ボーイッシュな女性は、小さいころからバーテンダーの技術を教えられていたようだ。

8巻は、ボーイッシュな女性の職場と透明カクテルを作った男性バーテンダーの対立が軸になり話がすすむ。ボーイッシュな女性がつとめる一流高級Barが王様とすれば、透明カクテルを作った彼は革命を起こす闘士といった対立となっている。

闘士は、ボーイッシュな女性の恩人のチーフをテレビ番組で踏み台にし、対立を優位にもっていくことに成功する。

ボーイッシュな女性の恩人であるだけでなく、一流高級Barの同僚、部下、皆に慕われていたチーフを踏み台にした結果、高級Barの権威、意地、プライドに火をつけることになる。

そして一流高級Barは、カクテル版の『 料理の鉄人 』とでもいえるテレビ番組を再現し、透明カクテルを作った闘士の首をとる計画をたてる。

ゴングは今なった、幕はあがった、サイコロは投げられ、ルビコン川を渡った、闘士の首をとることはできるのか、次巻へつづく。

8巻で登場したカクテル再現

出汁ティーニ

出汁と米焼酎わり。お湯を出汁にかえた、ひらたく言えばお湯割り。

ボーイッシュな女性の父が、至高の名言とともに作りあげた究極の一杯である。

茗荷のダイキリ・コリンズ

え?茗荷をカクテルに?とビックリしますよね。

茗荷を氷水につけ、アクをぬいておく。そして、ブイーンとミキサーにかける。

なんとキレイな色のカクテルになったではありませぬか。飲んでみるとですね、茗荷感はなく、エグみもなく、飲みやすい。暑い日にまず飲みたいお酒となっている。ミキサーにのこった茗荷は、翌日うどんや蕎麦の汁にいれていただく。

自然に飲めてしまった・・・・・・

むしろ茗荷の清涼感がアクセントになって

酸味や甘味がより引き立ってる・・・!

引用元:まどろみバーメイド 8

生姜パインコスモポリタン

生姜をすりおろし、濾して作るカクテル。

生姜とパインの相性がいい、パインの甘さがおさえられ自然でゆったりした甘さになり、生姜のピリッとした辛味はマイルドになり味をひきしめている。

8巻は物語もおおきく動いたが、まわりにある素材を使ったカクテルをいろいろ知ることができ、カクテルレシピの幅がひろがった。

生姜独特の辛味とパインの甘酸っぱさのミックスで

鮮烈なフルーツ感に変化してる・・・

引用元:まどろみバーメイド 8

まどろみバーメイド 9巻

カクテル勝負の番組のゴングは高らかに鳴らされた。

勝負形式は3対3。先に2勝したチームの勝ちだ。一流高級Barの従業員3人VS闘士ひきいる3人の勝負。

勝負形式はゲストが登場し、ゲストがお題をいい、バーテンダーはお題をきいてから15分でカクテルを提供し、どちらのカクテルがおいしいかゲストにジャッジしてもらうシンプルな勝負スタイルとなっている。

一流高級Barのチーフとボーイッシュな女性以外の、モブと思われた従業員二人の過去にスポットライトがあたる。カクテルに歴史があるように、バーテンダーそれぞれにも歴史があった。

ボーイッシュな女性と、透明カクテルを作った闘士の最終戦に勝負の行方はゆだねられる。

透明カクテルを作った闘士が先行をとる。彼が提供したカクテル、それはカクテルの完成形といわれたカクテル。過去にそのカクテルを作ったバーテンダーが、レシピを封印し幻といわれていたカクテル。そのカクテルを闘士は再現した。ゲストは、これ以上のカクテルをしらない、ボーイッシュな女性に棄権することをすすめる。

そこに現れたのは、闘士に踏み台にされた一流高級Barのチーフ。チーフはカクテルを作りにきたのか、またなにを語るのか、次巻につづく。

9巻に登場したカクテル再現

サゼラック

世界最古のカクテルと紹介されていたカクテル『 サゼラック 』

作られた当初は氷もいれてなかったように思う。

洗練された味といえないが、ほこり立つ木製のBarに似つかわしい荒々しい味。

ふるきよき酒場に想いを馳せたくなる一杯。

まどろみバーメイド 10巻

一流高級Barのチーフが勝負の場に現れた。彼は、ボーイッシュな女性にある言葉を伝えるために現れたのだ。

ボーイッシュな女性をチーフに任命する。その言葉を伝えるために、元Barのチーフはやってきた。

チーフを拝命したボーイッシュな女性は、闘士のカクテルよりおいしいカクテルはない、と言われ戦意喪失しそうになっていたが、ビールの泡がむくむくと泡立つようにボーイッシュな女性に戦意が戻る。

彼女が伝えたいこと、望みは、Barの灯を消さず、Barへの窓口を開き、自宅でも灯りをつけ、好きなカクテルを飲めば、そこがBarになる。そんな想いを込め、彼女はカクテルを作る。

彼女のBarへの情熱は、審査員の心を動かしただけでなく、SNSにいる大勢の人間の心も動かした。

勝負は決した。

フレアバーテンダーの女性と、一流Barの女性の二人の成長を見た、Bar屋台の女店長。自分は成長しているのか、自分に問いかけるようになる。

そんなBar屋台の女店長の元に、むずかしい仕事が持ち込まれる。豪華クルージング船内で、Barを開くという仕事だ。

一人では大勢の客にカクテルを提供できない、と言うBar屋台の女店長。ほかにも腕利きのバーテンダーを3人招いているので問題ない、とのこと。仕事を受けることを決めたBar屋台の女店長。

腕利きバーテンダー3人とBar屋台の女店長が出会った時。衝撃の展開に驚天動地。

よく顔を見せてくれないか・・・・・・?

雪・・・妹よ

え・・・?

引用元:まどろみバーメイド 10巻

読んだ人間も「え・・・?」って言いたくなるよ。雪は、Bar屋台の女店長の名前。

11巻に続く。

10巻には、読者がよく作ったカクテルが書かれていた。クリーム系のカクテルが人気らしく驚いた。

10巻に登場したカクテル

カンパリトニックウォーター

カンパリソーダーが有名な、カンパリ。それをトニックウォーターで割ったレシピ。

果物系の苦味、清涼な炭酸、トニックウォーターのキリリとした苦味。

炭酸よりも、キック力があり、眼が覚める。

シャルトリューズトニック

トニックウォーターで作る、カクテル界一有名なジントニックよりも、すっきりした味になっている。

そのまま飲むと薬草っぽさが鼻につくシャルトリューズが、まるで春の小川のようにサラサラと爽やかになる。

10巻に登場するお酒ブラックスパイスドラム『クラーケン』のレビュー記事も書いてます。

まどろみバーメイド 11巻

Bar屋台の女店長とフレアバーテンダーの同居人兼女友達、昔からの女店長との知り合いの3人は、カクテルを作りふるまうために豪華客船にのりこむ。女店長を妹と呼んだ、長髪の長男、色素のうすく腰に届くほどの髪、眼つきがユニークな次女。髪の毛が短くBar屋台の女店長を若くしたような、男性?女性?おそらく男性だと思う。その3人も豪華客船にのりこむ。

豪華客船の主人は、あるファッション誌の創刊者であり、監督をしている女性。『主神』と呼ばれる凛とし、すこし棘ある厳しさ、自分の美学には妥協しない、そんなビシッとした芯のある女性。その彼女がだすオーダーをこなすBar屋台の女店長たち。

豪華客船の主人は、バーテンダーたちになにをさせたいのか?豪華客船が出港するまえに、カクテルを提供するバーテンダーたち。豪華客船が出港するまえに、『主神』と呼ばれる彼女の目的が朧げに見えてくる。豪華客船はゆっくりと動きだす。しかし、物語はゆっくりとはすすまない。

Bar屋台の女店長が、兄弟だという証拠をつたえる3人のバーテンダーたち。いくつものパズルのピーズが、カチリとはまるような印象をうける。

『主神』は探していたのだ、ファッション誌の顔となるモデルを。そのモデルを決める方法、それは豪華客船でモデルたちが自分のBarを出店。そして、いちばん客の心をつかんだBarを出店したモデルが、ファッション誌の顔となるという。バーテンダーたちは、それぞれのモデルとタッグを組み、別々のBarを出店する。11巻では、2つのBarがはやくも開店する。その開店したBarのひとつは、Bar屋台の女店長とモデルが考えたいたBarのコンセプトとかぶってしまった。どうする女店長。11巻はここで終わる。

そして、11巻では、女店長について不吉な言葉が残される。

私見だがバーテンダーは適正が高ければ高いほど良いという職業ではない・・・

私の見立てじゃユキは

遠くないうちに仕事を続けられなくなる

引用元:まどろみバーメイド 11巻

11巻で登場したカクテル再現

マダドール

パイナップルジュースを通常よりも倍量いれて作る『闘牛士・マタドール』

テキーラの酸味はライムの酸味とまじり、パイナップルジュースを軽やかに飲みやすくしている。パイナップルジュースの甘さの角を泡で隠し、さらりと軽やかな口当たりにしている。

パイナップルジュースを倍にすると甘くならない。空気をとりこみクリーミーな泡をつくる。口当たりは軽い。フルーティーなクラフトビールにちかい。このカクテルよりも、爽やかで軽いクラフトビールはあるだろうか。パイナップルジュースの量を増やすだけで、ここまで味が違うとは。

11巻では、シェイカーやミキシンググラスが家にない人や、シェイクやビルドが苦手な人のためのカクテルレシピも書かれていた。フロサー(ミルククリーマー)で作る方法も書かれていたので再現してみる。

フローサーと液体を混ぜると、激しく液体がとび散る。そこで大きく縦に長い容器を用意する。その容器に氷と材料をすべていれ、フロサーのスイッチをONにする。かるい小さい空気の泡が沸きたつ、ブイーンと軽やかに音が響く。しっかりと空気と液体が撹拌されているのがわかる。

シェカーのしゃかやか、ミキシンググラスのくるくるがうまくできない私である。確実にフロサーを使ったほうが、軽やかであり、泡立ちもよい。その泡だちもクリームのように軽く、ビールの泡のようにグラスにくっつく。

大きいグラスとフロサーさえあれば、シェイカーとミキシンググラスがなくてもお家でカクテルを愉しめるようになる。さすがプロの技ダと感心させられた。

フロサーでカクテルを愉しみませぬか。コーヒーの上に泡をのせることもできますゾ。

ブルームーン

ドライジンとパルフェタムール、レモンジュースで作る『ブルームーン』

作中では、ジンではなくアクアビットをつかい作られている。なんでアクアビットで作っていないかですって?酔いながら、漫画を読んでいたので、アクアビットを使ったと説明していたコマを読み飛ばしていたからさ。HAHAHA。

味のほうは、作中から引用しておく。

アルコールにハーブで香りをつける構造はジンと似てるけど

ハーブの風味づけが独特でユニークな風味がある

それがユニークな香りのパルフェムールと以外と合ってるな

引用元:まどろみバーメイド 11巻

まどろみバーメイド 12巻

Barのもてなしをうけ、Barを気にいった客は渡されている花を壺にいける。その花の獲得数により勝者を決定するシステム。

女店長と組んだパートナーのBarのアイディアが、他のパートナーのアイディアとかぶってしまった。アイディアを破棄するしかなくなった。

焦る女店長組、そんな二人の焦燥感をよそに、他のパートナーは独創的なBarをつぎつぎと開店させる。

そんななか、女店長と組んだパートナーは、船内にて尊敬するモデル先輩とあう。あたらしい紙面をかざるモデル候補だった彼女。いまは候補からはずれている。そして、モデルを選ぶための花は捨てたと語る。

あたらしいモデルをえらぶ駒にされて憤っているのだ。ショックをうける女店長と組んだパートナー。むかしのように仕事が終わったあとに仲良く飲むことは二度とできないのかと。

ここで、あたらしいアイディアが浮かぶ。アイディアは『 直会 (なおらい)』

女店長と組んだパートナーのアイディアはいかなるものか、また勝負の結果はどうなるのか、きびしい編集長がモデル候補にBarを運営させ競わせた理由とは、すべてが12巻ではあきらかになる。

そして、巻末にて、女店長の思い入れ深い屋台サテライトが嵐にまきこまれる。母のランタンも屋台にかけられている。形見ともいえるランタンも嵐に巻きこまれる。ランタンの光は未来を明るく照らすのか、それとも強風に。

12巻で登場したカクテル再現

日本酒とライチジュース、ライムでつくるカクテル。ハーブコーディアルはいれていない。なにそのオシャレなものは。

漫画では、ノンアル版の作り方も書かれている。

日本酒とライチの相性は、滅法界よい。おいしくないと思った日本酒には、おもうぞんぶんライチジュースをいれたまへ、ライチが嫌いでなければ。

つきつめると、ライチのような芳香の日本酒もあり、そこにライムの苦み走った酸味があり飲みやすい。

ライチの香りのする焼酎もあるぐらいだし、日本酒とライチの相性はよき。

抹茶×エスプレッソのコリンズ。

漫画では、ビーフィーター24と和三盆のシロップをつかっているが、ツイストさせてもらう。

直接カツンとくるエスプレッソの苦味、そのあとにほのぼのとした緑茶の苦味。しゅわしゅわするキニーネの泡。リレブランの豊かな香りが、苦味があったがゆえに、濃く甘くつよいインパクトを感じる。

苦味があるゆえに飲みやすいカクテル、苦味が肝。

まどろみバーメイド 13巻

女店長の仕事場であり、相棒でもあった屋台は、暴風にまきこまれた。もはや、暗い海のなかに沈む未来しか残されていない。

女店長を兄弟だと言ったバーテンダーが、屋台の未来をかえた。屋台の核であり芯でもあるパーツは暗い海のなかに沈むことなく、希望という名の灯は消えずにのこる。

豪華客船の仕事がおわったあと、バーメイドたちのまわりに変化がおこる。新たに刊行された表紙のカバーを飾り威風堂々と仕事をつづけるもの、Barの形がわからずに充電期間にはいるもの。

充電期間にて、女店長が見つけたもの。それは、日本で発展した特殊なお酒のたのしみかたに出会う。

そして、もうひとつ大きな出会い、いや、再会をはたす。13巻目にして、女店長は父との再会をはたす。

父からつげられる母と開業した店をしめた経緯と想い。やさしい父の言葉をしっかりと聴く女店長。父の言葉を聴いた女店長の顔は、やわらかく微笑んでいる菩薩のように見えた。

あたらしいBarの形を模索する女店長は、香港からやってきた友人でもありバーメイド仲間でもある店をおとずれる。そして、物語は、意外な方向にころがりだす。香港からやってきたバーメイドがちょくちょく店をさぼっていた理由が判明。

そして、充電中の女店長に香港からやってきたバーメイドがたのみごとをする。香港からやってきたバーメイドが手伝っていた店をしばらく手伝ってくれないかと。

その店は、『 秘密の酒場 (スピークイージー)』

店名の怪しげな名前、隔絶された闇のようなものを想像させる響き。あらたな店にて、女店長はどのようなカクテルを作るのか。

次巻に続く。

13巻で登場したカクテル再現

XYZ

XYZの名前には、これ以上の味がないとか、最後のカクテルにぴったりだとか、いろいろな説がある。

XYZにつかわれているホワイトキュラソーに柑橘系を混ぜれば、それだけで飲みやすいカクテルになる。爽やかでかつ香り豊かで、飲みやすいカクテルを作りたければホワイトキュラソーと柑橘系を混ぜればよいといっても過言ではないだろう。

しかし、漫画に登場したように、シェイカーをつかわずに作ったXYZは、味がテンデバラバラ。

辛かったり、甘かったり、酸っぱかったりと、ひっちゃかめっちゃかなお味でございます。

カクテルは、ちゃんとした材料をつかって作りましょうね。

ニコラシカ

ニコラシカ。バブル時代によく飲んだと回顧する女性。

バブルも知らず、ぼくたちは、これからどう生きるのか。ふたたび景気はよくなるのでしょうか。

ならないだろうなと思いつつ、そんなモヤモヤをふき払ってくれるニコラシカ。

レモンの皮をむき、苦味をおさえる工夫がされている。レモンと砂糖をお口にふくみ、そして、ブランデーを一気に口に流しいれる。酸味のレモン、砂糖とブランデーの甘さを口いっぱいに感じられる。

シャリキン

日本の伝統的な飲み方角打ちにて登場したキンミヤ焼酎は、別記事にてしっかりと書きしるした。

キンミヤ焼酎はバーテンダー殺し。

まどろみバーメイド 14巻

『 秘密の酒場 (スピークイージー)』の正体が、作中であきらかになる。

また、香港からきたバーメイドの長女が仕事をさぼっていた理由も判明する。

まどろみバーメイド14巻は、香港からやってきたバーメイド長女の謎の行動があかるみなり、香港にてどのような生活をすごしていたのかもがわかる。

14巻は香港姉妹の長女の過去がわかり、現在かかえている問題もあきらかになる。

『 秘密の酒場 (スピークイージー)』の店長とひょんなことから知りあいになった香港姉妹の長女。

『 秘密の酒場 (スピークイージー)』は、表にでれない人間たちが酒をたしなむ場であるだけでなく、子どもたちをもあずかる特殊な酒場だった。

表にお酒を飲めない人間たちのためにカクテルの単価をさげ提供する。さらには、その売りあげから子どもたちのメンドウをみるお金をもひねりだす。

『 秘密の酒場 (スピークイージー)』の元店長は、そのような二律背反する運営を続けていた。

続けていた、と過去形で語るざるをえない状態になり、香港姉妹の長女が『 秘密の酒場 (スピークイージー)』の仮マスターをつづけていた。

ふらふらと不安定な状態のまま運営をつづけていた『 秘密の酒場 (スピークイージー)』に危機がおとずれる。

『 秘密の酒場 (スピークイージー)』の危機をのりこえるために香港姉妹の長女は、屋台をうしない無職の女店長に声をかける。

そして、女店長と香港姉妹の長女は、大人たちの隠れ家であり、子どもたちのシェルターの役目をはたしている『 秘密の酒場 (スピークイージー)』を守るために動きだす。

『 秘密の酒場 (スピークイージー)』の元店長が、単価をおさえるために行っていた作業が推理小説のように明らかにされていく。

お酒の材料が集まり、元店長が作りだしてきたカクテルを再現できるようになる。

そこに『 秘密の酒場 (スピークイージー)』最大の危機がおとずれる。

女店長と香港姉妹の長女は、『 秘密の酒場 (スピークイージー)』を守りきれるのか。

さらには、香港姉妹ふたりの追憶の物語もすこしだけ明るみになる。なぜ、香港姉妹がカクテルに魅せられたのか。

まどろみバーメイド14巻は、物語がおおきく動くための助走だったように感じられる。

カクテルを飲みおわった瞬間に、すぐに次のカクテルを飲みたくなるように、15巻を読みたくなる14巻だった。

14巻で登場したカクテル再現

ブラックルシアン

ブラックルシアン。

コーヒーリキュールとウォッカを混ぜ作るカクテル。

お坊さんが踊りだし喜ぶような秘密がウォッカにしのばされています。ウォッカにコーヒー豆をくわえておくのです。

コーヒー豆をくわえたウォッカでブラックルシアンを作ると味わいがクリアになります。

スパッときれるようなドライな口当たりになり、すっきりとした苦味のおかげで後味も爽やかです。

それでいてカルアミルクの甘味はしっかりとあります。苦さのおかげで、甘味はおさえられていますが甘味はしっかりと感じられます。

甘いお酒が嫌いなひと、苦いお酒が嫌いなひと、どちらも飲める稀有なカクテルだと思いました。

パンチのきいたコーヒー感が良いのよね

コーヒーウォッカのおかげで甘ったるくなくビター感が増してる

引用元:まどろみバーメイド14巻

ゴッドファーザー

つぎにご紹介するのは、カクテルの定番ゴッドファーザー。

香港の回想シーンで登場します。香港の成金が、ドヤ顔でゴッドファーザーのカクテル言葉をかたります。そして、財布をすられます。

ゴッドファーザーを飲み、ドヤ顔でうんちくを語り調子にのらないように気をつけようと思いました。

ウイスキーフロート

つぎに登場するのは、ウイスキーフロート。

強いアルコール感がないと酒を飲んだと感じられないと語るお客さまの健康のために女店長が作ったカクテルです。

キック感のあるお酒を飲みたいのであれば、ストレートを頼めばいいのと思ったり、健康に気をつかうなら、そもそも論お酒を飲まなければよいのではと思いました。

が、酒飲みに正論は通用しませんよね。飲みたいから飲む。好きなものを飲む。それでいいのだ。

ウイスキーフロートのひと口目のキック感は強いです。あとはただの水になります。

まどろみバーメイドを読んだ感想【 まとめ 】

『 まどろみバーメイド 』の絵はクセがなく、みなさんにウケそうな絵です。また描かれる女性は魅力的です。

そんな魅力的なバーメイドが作るカクテルは、スタンダードなカクテルから、ちょっとヒネりをきかせたカクテル、はたまたビックリ箱のようなカクテルレシピ、と様々なレシピが紹介されていました。

オーソドックスなカクテルの作り方でなく、シェイカーにかえたりするカクテルの作り方に、ふむ、なるほど、勉強になるナと何度もメモをとり、家でカクテルを再現し楽しんでいます。

今夜のお酒のお供に『 まどろみバーメイド 』はいかがですか。

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