スモークビーフシチューレシピ 牛肉の燻製方法も書いてます。香りのコクを鼻で味わえるシチュー

スモークウッド

牛肉の塊を燻製にし、燻製にした牛肉でビーフシチューの作り方を書いている記事です。

燻製の香りとシチューのコクを愉しめるビーフシチュー。鼻で燻製の香りを楽しみ、舌で燻製にされた牛の香りと熟成された旨味。香りと旨みの二つを楽しめます。

前半は牛の燻製の方法を書き、後半でビーフシチューの作り方を紹介します。

牛の燻製の調理工程

  1. ソミュール液を作る
  2. 牛肉をソミュール液に漬ける
  3. 牛肉を水に漬け、塩抜きをする
  4. 牛肉を乾燥させる
  5. 牛肉をスモークウッドで燻す
  6. 牛肉の燻製の出来上がり

ソミュール液とは、水の総量にたいして10%の塩を溶かして作る液体です。牛肉の保存性をたかめ、香草などをいれて風味をあたえます。

スモークウッドは火をつけると、お香や蚊取り線香のように煙をだします。スモークウッドからでる煙で具材を燻すグッズです。

牛肉の燻製の材料

  • 牛肉の塊:お好みの量、お好みの部位
  • 水:200g
  • 塩:20g
  • 砂糖:10g
  • お好みの香辛料:ローリエ、黒胡椒、クローブ使用

燻製を作るのに、材料はあまりいりませんね。シンプルな材料で作れます。牛肉を買いすぎたときに、パッと燻製にし、保存期間をのばしましょう。

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牛肉の燻製の作り方【写真あり】

ソミュール液を作る

水:200g塩:20g、砂糖:10gを鍋にいれ、中火にかける。塩と砂糖が溶けるまで、ゆっくりかき混ぜる。

塩と砂糖が溶けたら、お好みの香辛料をいれ、常温になるまで冷やす。

牛肉をソミュール液に漬ける

ソミュール液が染みこみやすいように、フォークや金串で穴をあけておく。

彫刻刀が一杯ついているような調理器具をつかい、パパッと牛肉の塊に穴をあけている。

穴をあけた牛肉の塊をビニール袋にいれ、常温にまで冷ましたソミュール液もビニール袋にいれる。

しっかりビニール袋をしばり、冷蔵庫にいれ1週間ほど寝かせる。1日1~2回ほど、牛肉の上下をひっくり返してやる。ビーニール袋が破れることもあるので、ビニール袋を二重にするか、ジップロックなどの丈夫な袋にいれて対策をとっている。

牛肉を水に漬け、塩抜きをする

1週間ほどソミュール液に漬けた牛肉をボウルにだす。ワインのような赤色が牛肉からしみ出し、ソミュール液が色づいている。牛肉についた香辛料などを水で洗い流す。

牛肉の塊をボウルや容器にいれ、水に漬け、塩抜きをする。水につけ、牛肉の塩分を抜かないと、脳の血管が切れてしまいそうな、塩辛い燻製が出来上がってしまう。

1時間に1回ほど、水を捨て、水を入れなおし、6時間ほど塩抜きをする。

ちょっと牛肉の端っこを切り、フライパンで焼き、味見をして、ちょっと塩味がうすいナ」と感じるまで、塩を抜いてやると、塩抜き作業の終了になる。味見をしすぎて、塊がなくならないようにご注意を。

牛肉を乾燥させる

塩抜きした牛肉の塊。まずは、キッチンペーパーで表面の水分を、ざっくりふき取る。

つぎにウォッカをスプレーボトルにつめ、牛肉の表面にふきかけ殺菌する。

なるべく、細かい霧状にふきでるスプレーボトルを使うとよい。

脱水シートで、牛肉の塊をグルンと包む。脱水シートにくるんだ牛肉を冷蔵庫にいれ、1日ほど寝かす。

シチューに使うベーコンも、牛肉の燻製と同じ作業なので一緒に作っている。

牛肉をスモークウッドで燻す

脱水シートに包み、1日ほど寝かせた牛肉をとりだす。水分が抜け、どっしりした重さを感じる。表面を触って乾燥している確認しましょう。

まだ乾燥が不十分なときは、干物ネットなどにいれ、自然の力をつかい乾燥させる。干物ネットにいれないと、鳥さんに食べられちゃうぞ。

段ボールを用意し、段ボールの上部に木の棒をさし、S字フックをつかい乾燥させた牛肉の塊をつるす。

段ボールの下部には、耐熱性のある容器をおく。スモークウッドが途中で消えないように、網などで底上げしている容器がよい。100均で見つけることができる。使っている容器も100均で買った。

ガスバーナでスモークウッドに火をつける。使用上の注意をよく読み、安全にガスバーナは使いましょうね。

写真のスモークウッドの量で、2~3時間ほど牛肉を燻せる。

スモークウッドにきっちり火がつき、煙がでていることを確認する。耐熱容器のうえにスモークウッドをおく。

煙がなるべく段ボールの外にでないように、フタをする。完璧に密閉すると、スモークウッドの火が消えてしまう。段ボールの網に豚肉も置き、牛肉と一緒に燻した。

段ボールから煙がでなくなったのを確認し、段ボールのフタをあける。スモークウッドから煙がでなくなっていても、熱をもっているときがある。水をかけたり、火消壺にいれスモークウッドの処理をしている。

燻製がおわったばかりの食材は、苦く、燻煙の匂いがドぎつい。そこで、干物ネットに牛肉の塊をいれ、1~2時間ほど風にあてておくと、風味が落ちつきマイルドでよい香りになる。

牛肉の燻製の出来上がり

牛肉の燻製の出来上がり。

あとはお好きなように、料理して牛肉の燻製を楽しみましょう。

1口大のサイコロに切ると、脂の外側は茶色く、内部は白いまま。肉の2mmほどは茶色くなっており、内部は赤く、しっとりしている。

はい、燻製牛肉のサイコロステキー。

焼くことにより、燻製の香りがこうばしく漂い。スパイスをかけていないのに、スパイシーな風味になっている。

フォークにさしてみると、水分を抜いている肉は、ドッシリと重い。

口に含むと、ガツンと牛肉の旨味と燻煙の香りが、お口いっぱいにひろがる。肉を食べているという充実感をえることができる。

塩漬けにし、水分を抜いている牛肉は、密度がギュウギュウで噛むのに疲れてくる。ステーキを食べていると、アゴが鍛えられること間違いなし。噛めば噛むほど旨味が、ビーフジャーキーのように、牛肉の奥底からあふれでてくる。

スモークビーフシチューの調理工程

  1. 牛肉の燻製を炒める
  2. みじん切りにした野菜を炒める
  3. トマトジュースをいれ、煮る
  4. スモークビーフシチューの出来上がり

燻製にした牛肉を使うと、あっさり簡単なビーフシチューの作り方をしても、コッテリ濃密、濃厚な味を楽しめるシチューを作れます。

ちょっと手のこんだ、ビーフシチューの作り方も紹介しています。1日ビーフシチューを作りを楽しむゾと、ハチマキを巻いたときに、作ってもらいたいレシピです。

スモークビーフシチューの材料(3~4人分)

  • 牛肉の燻製:500gほど
  • タマネギ:1/2個
  • ニンジン:1/2本
  • セロリ:1/2本
  • トマトジュース:適量
  • パプリカ:大さじ1
  • ワイン:100cc
  • ジャガイモ:1個
  • ベーコン:100g(なくてもよいが、あるとコクがでる)
  • バター:10g
  • 塩:適量
  • ウスターソース:適量
  • 醤油:適量

スモークビーフシチューの調理風景【写真あり】

牛肉の燻製を炒める

深めの煮込み鍋を用意し、バター:10gをいれ、中火にかけ溶かす。

サイコロ状に切った牛の燻製をいれ、中火で炒める。牛肉の表面にうっすら焦げ茶の焼き目をつける。焦げ目をつけた牛肉を、鍋から取り出し、他の容器に移し替える。

みじん切りにした野菜を炒める

みじん切りにしたタマネギ:1/2個ニンジン:1/2本、セロリ:1/2本を、牛肉を炒めた鍋で弱火で炒める。

鍋に油がすくなく焦げつきそうなときは、バターやオリーブオイルをいれる。

タマネギがしんなり半透明になるまで炒める。野菜を茶色になるまで徹底的に炒めると、甘みと風味がます。

野菜の炒め具合はお好みで選んでね。燻製牛肉を使うだけで、シチューにコクがうまれる。野菜はサラっと炒めるにとどめる。

トマトジュースと香辛料をいれ、煮る

パプリカ:大さじ1白ワイン:100ccをいれ、中火で炒めながら野菜と混ぜる。

檀一雄著『美味放浪記』で、ドイツで食べた牛肉の燻製のシチューがうまかったと書かれたいた。どのような料理か詳細がわからなかった。

ドイツでは燻製にした肉をつかって、シチューを作るらしい。

話がながくなった、ドイツといえば白ワインだろうと思い、白ワインを選んだわけだ。白でも赤でもお好みのワインを使ってね。

もしかしたらワインではなく、ビールを使っているのかもしれない。ビール消費量はドイツが1位じゃない、これ豆知識。

別容器にのけておいた牛肉を鍋に戻す。

トマトジュースを具がかくれるまで、トポトポとそそぐ。中火で焦げつかないように、かき混ぜながら40分~50分ほど煮込む。

トマトジュースから水分がぬけ、トロっとしてきたら、塩や醤油、オイスターソースで味付けをする。辛味系のタバスコ、酸味系の粒マスタード。お好みの味にしあげる。

記事では、ベーコンとジャガイモをいれ煮込んでいる。メンドくさい人は、ベーコンとジャガイモをいれなくてもOK。燻製牛肉が風味とコクをよくしてくれるので、少々具材や調理工程をスッ飛ばしてもおいしいシチューができる。燻製牛肉のパワーを信じるのだ。

ジャガイモとベーコンもいれる

ジャイモは1cm~2cmほどのサイコロ状に切って、蒸すか電子レンジでチンしておく。硬いジャガイモを柔らかくしておく。ジャガイモの皮はむかずに使っている。皮が気になる人はむいてね。

鍋とはちがうフライパンを用意し、1cm~2cmに切ったベーコンを弱火で炒める。ベーコンから脂でてくる。そこへ蒸したジャガイモをいれ、ジャガイモの表面に焼き目をつける。ローズマリーやパセリ、黒胡椒をふってそのまま食べてもヨシ。

炒めたジャガイモとベーコンを鍋にいれ、焦げないように40分~50分トロトロ煮込む。トマトジュースから水分がぬけ、トロっとしてきたら、塩や醤油、オイスターソースで味付けをする。

ガスコンロの前に立ちっぱなしで、木ベラで混ぜ混ぜするのも優雅な時間のつかいかたでしょう。

時間がない人は、シャトルシェフに1~2時間いれておくと、スモークビーフシチューが出来上がる。シャトルシェフは魔法瓶が鍋になったと考えると分かりやすいかと。

調理したスープの温度をキープしつつ、ゆっくり具材に火をとおし、焦げる心配もない。火を使わないので節約になり、エコにもなる、一石二~三鳥の商品だよ。

スモークビーフシチューを食べる

水分がぬけトロッとしたスープ。味をととのえたスモークビーフシチューを器に盛りつける。

燻煙の香りが器から、湯気にのってフワフワと香る。匂いはベーコンやハムを焼いた匂いを想像してもらえばわかりやすい。牛肉と豚肉がはいっているのは見えるが、煮込むことで燻製していることに気づかない。どこから燻製の香りがしてくるのか、知らない人は首をかしげるだろう。

牛肉と赤いスープ、煮込まれた野菜を口にいれると、スープにも燻煙の香りがし、苦いかと思うと、ほんわか耽美な甘味がひろがる。豚肉をいれることで、牛ではだせない甘味と風味をスープにあたえている。このスープに釘がうてそうパンを浸し、チーズをちょっとのせ食べる。ワインが欲しくなるオツマミが一品できた。

みじん切りにした野菜の、タマネギとセロリのしゃきしゃきした清涼。ニンジンのスウィーティーな甘味。

肉はしっとり煮込まれており、焼いたときと比べると、3分以上たったカップ麺のように柔らかくなっている。アゴが疲れることはなくなった。牛肉の旨味と、野菜の味が混ざった液体が噛むたびに、潤沢にあふれだす。

燻製の風味、苦味、酸味、コク。牛肉の燻製シチューにいれるだけで、スープの香りのひろがり、味の奥深さがここまで増えるのかと驚いた

スモークビーフシチューを作って食べた感想【まとめ】

牛肉の燻製を作るのは時間はかかりますが、作業時間は短く、時間が牛肉をおいしくしてくれます。ベーコンと同じ調理工程なので、一緒に作ると楽ですね。

燻製にした牛肉を焼いて食べると、旨味が凝集されているので、歯ごたえがあり、アゴの修行にはもってこいでしょう。

そこで野菜とスープで牛肉を煮込んでやると、柔らかくなりました。それだけではなく、牛肉の旨味と風味、燻製の香りが、スープにコクをだし、食欲を刺激する香りもプラスしてくれます。

牛肉の燻製をつかいビーフシチューを作るだけで、ワンランク上のビーフシチューを作れました。

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