豚肉をミンチにしてから、ハムの形に整え燻製するハムの作り方・レシピを書いています。
豚肉を塊のままハムにしないことで、お店で売っているような断面のハムにしあげました。出来上がったハムは、柔らかくホワッとした食感。しっかりとした自家製ミンチは、豚肉のしっかりとした旨味。
出来上がったハムを使った料理の写真もあります。
段ボールとスモークウッドを使い燻製にしました。お手頃価格でハムを燻製できます。
ハムの調理工程
- 豚肉を塩漬けにする
- 豚肉の塩をぬく
- 豚肉をミンチにして、ハムの形にする
- 豚肉を乾燥させる
- 豚肉をスモークウッドで燻す
- 豚肉をゆでる
調理工程を聞いただけで、もうすでにウンザリしていることでしょう。わかります。
燻製のなかでもハムは特に調理工程が長いレシピです。
ハムを作る調理工程は多く、出来上がりまで時間がかかります。しかし、時間が豚肉を調理をしてくれるので、自分が調理をする時間は短いです。
ハムの材料
- 豚肉の塊:500g
- 塩:50g
- 砂糖:25g
- お好みの香辛料
- 水:500cc
ハムの調理に必要なもの
- スモークウッド
- 段ボール
- 段ボールより長い棒
- S字フック
- 耐熱容器
- 干しネット
- 大きめのボウル
- ミンサー(なければ包丁でミンチにしても可)
- めん棒など肉を突くことができるもの
あれば調理が楽になるもの
- 脱水シート
- 肉を巻くヒモ
- フォーク(肉に穴をあける)
ハムの作り方【 写真あり 】
豚肉を塩漬けにする
豚肉を塩漬けにする方法は2つ。
豚肉に塩と砂糖をちょくせつ豚肉に塗りこむ方法。ソミュール液に豚肉を漬けこみ、塩漬けにする方法の2種類。
ソミュール液で豚肉を塩漬けにしました。
ソミュール液とは、水の重量にたいして10%の塩と5%の砂糖をいれ溶かした液体です。お好みの香辛料をいれることも可能。塩分をまんべんなく染み込ませることができます。
豚肉が漬かるほどの水を用意。ビニール袋で豚肉を漬けます。調理に使う水と塩、砂糖は少量ですむのもソミュール液のメリット。
水:500gに塩:50g、砂糖25gを容器にいれ、弱火にかけ塩と砂糖を溶かす。
ニンニクと黒胡椒、ブーケガニルをいれた。塩と砂糖が溶けたら、常温になるまでソミュール液を冷ます。
豚肉の塊にフォークなどでまんべんなく穴をあけておく。ソミュール液が染み込みやすいように。
ビニール袋に穴をあけた豚肉の塊をいれ、常温になったソミュール液をいれる。ソミュール液がもれないようにビニール袋はしっかりとしばる。
1週間ほど冷蔵庫で豚肉を寝かせる。1日に2~3回ほど上下をひっくり返すとよい。
豚肉の塩をぬく
ソミュール液に1週間ほど漬け込んだ豚肉を大き目のボウルにだす。ソミュール液を流し、香辛料も取り除いておく。
ソミュール液がしみこんだ豚肉の保存性は高いです。しかし塩分過多すぎるので塩分を抜く必要がある。そのまま食べると一気に高血圧になること間違いなしの塩辛さですゾ。
豚肉をいれたボウルに水をたっぷりといれ、豚肉の塩をぬく。1時間ごとに水をかえるか、チョロチョロと水をかけ流す。6時間ほど塩をぬいた豚肉のハシっこを切り、フライパンで焼いて味を確認する。塩味がうすいなと感じれば塩ぬき作業の終了だ。塩味をガンガン感じ、血圧があがるようであれば、塩ぬき作業を続ける。
豚肉をミンチにして、ハムの形にする
塩ぬきをした豚肉を3~5cmほどに切り、ミンサーでミンチにする。
グルグルとミンサーをまわし、豚肉をミンチにする。豚肉を2度ミンサーに通すと、滑らかな食感のハムになる。
めん棒など調理器具をつかい、ミンチ状になった豚肉をモチを突くようにこねる。手でこねると、脂がべっちょりと手につき、さらに豚肉の結合がよわくなる。
ねばり気のでてきた豚肉をハムの形にととのえる。
豚肉を乾燥させる
おいしい燻製にするためには、食材の表面を乾燥させる必要がある。日光と風にあて乾燥してもよい。
最初は脱水シートで形をととのえ、豚肉の水分をぬいてやる。
脱水シートの上にミンチ状の豚肉をゴムベラなどでのせる。ミンチ状の豚肉をなるべくハムの形にしたてあげる。
脱水シートで豚肉をぴちっと包み、形をととのえる。冷蔵庫にいれ脱水シートがぶよぶよになるまで寝かす。およそ6時間から12時間で脱水シートは、豚肉の水分を吸いぶよぶよになる。
脱水シートの面が、ペタッと容器とくっつかないように、網などでかさ上げしておくとよい。
くっつく面積が広いと、このようにお肉が脱水シートにくっついてしまう。
2度ほど脱水シートを取りかえ、豚肉を脱水する。
脱水した豚肉にハムっぽくヒモをまいていく。燻製するときに棒に吊るすためにヒモをまく。吊るす必要がない段ボール燻製のかたはヒモをまかなくてもよい。
それっぽくヒモをまく。
豚肉をスモークウッドで燻す
- 段ボールを用意する
- 段ボールの上部に棒をさし通す
- 棒に豚肉を吊るす
- 耐熱容器を段ボール下部におく
- スモークウッドに火をつけ、耐熱容器におく
- 段ボールのフタをしめると燻製開始
- スモークウッドから燻煙がでなくなれば、段ボールのフタをあける
- スモークウッドをきっちり消火する
段ボールは宅配大手のもの。風の強い日でしたので、耐熱容器は鉄製のものを使用。風の弱い日であれば、100均のステンレスパットが安くてよい。
豚肉の脂がたれないか心配だったので紙皿を設置したが、たれることはなかった。
スモークウッドにはガスバーナーで火をつけるのが一番楽。ですが、火傷にはご注意を。
スモークウッドは、お香のように煙をだしながら熱を発している。必ず耐熱容器のうえに設置しよう。段ボールのフタをしめ、煙がなるべくもれないようにする。
スモークウッドが燃えつきるまで、およそ6時間~8時間ほど。ゆっくりと煙がでなくなるのを待つ。
煙がでなくなり、スモークウッドが熱をもっていないか確認する。スモークウッドは消えたように見え、炭のように熱をため込んでいる可能性があるのでご注意を。
豚肉を段ボールからとりだす。表面はうっすらと食欲のわく茶色くなっている。
燻製が終わったばかりの香りはすっぱい。そこで1~2時間ほど風にあてると、すっぱい香りが落ちつき、食欲を刺激する燻製の香りに変化する。
豚肉をゆでる
燻した豚肉をビニール袋にいれる。水につけビニール袋内の空気を残さないようにする。
60℃ほどのお湯で1~2時間ほど、ビニール袋にいれた豚肉をゆでる。豚肉を高温でゆでると、お肉がパッサパッサになる。
シャトルシェフという保温鍋で、豚肉にゆっくりと火をとおした。
ゆでおわり粗熱がとれればハムの出来上がりだ。たっぷりの豚の脂がでている。もったいないのでスープや炒めもの、袋ラーメンに豚の脂をいれるとおいしい料理になる。
ブ厚い場所を切り、赤くなければハムの出来上がりだ。赤い肉があるようであれば、生食はダメ絶対。
食べるとフワッとした食感。自家製ブタミンチの旨味がジュワと染みだすが、油はくどい印象はない。塊のハムより軽く食べやすく、柔らかく軽い食感のハムだ。
ハム料理例
ハムをぶ厚く切り、鉄製のフライパンでじっくり弱火で焼く。
オーソドックスなハムステーキ。表面はカリッとした耳で聴く愉しい歯ごたえ。ほわっとした肉!といったガツンとした旨味はあるが、ほわっと柔らかい。外カリッと中フワッ。
白米のうえにのせ、ハム丼。ブ厚くきったハムは、まこと食べ応えがある。油がしつこくない、年のせいで油を食べると、胃もたれるという人でもガツガツと食べることができるであろうハム丼。
先にハムだけをフライパンで焼き、ハムの上質の油がフライパンに抽出されたら、卵を割りいれ、ハムの油で揚げるようにハムエッグの白身を黒く焦がす。黒いコゲのパリッとした食感と豚の脂が沁みこんだ白身の潤味の対比が愉しい一品。ハムは添え物、卵が主役。
ベーコンのように切ったハムとタマネギ、ニンジンを炒め、ケチャップとオイスターソース、醤油を煮つめる。そこに生パスタをいれあえる。ハムの旨味と燻煙薫るナポリタンだ。
パリッとしてフワッとしたハムと野菜を一緒にパクッ。豪華な野菜炒めダ。そこにプリッとした生パスタをすする。それだけでも満足できるが粉チーズをたっぷりかけたり、辛味がほしければタバスコをかけると飽きることなく最後まで食べられるハムナポリタン。
小麦粉を水でとかし、パン粉をつけ、揚げるハムカツ。うすいハムとちがい食べ応えバッチリのハムカツだ。キャベツのシャキシャキ感との相性は最高だ。ソースをつける必要がないほど、パン粉とハムだけで食べることができる。
でもね、うすいハムカツも食べたくなるよね。仕方ない同じハムなのだから。
ブ厚い燻製ハムを作った感想【 まとめ 】
お店で売っているような断面図のハムを作るのは大変です。
塩漬けにして、ミンチにして、乾燥させ、燻製し、ゆで、やっとハムの出来上がり。
出来上がったハムの断面は店で売っているような断面になり、軽くさっぱりとした口当たり、くどくない豚の旨味と脂を堪能できるハムでした。
いろいろと調理工程をはぶくことができるかもしれません。調理工程を工夫してみて、店で売っているような断面のハムを作り、料理に使い豚肉の味を堪能しましょう。
保存性を高めないのであれば、塩漬けにせずに、すぐに乾燥させ燻製しゆでると調理手順が減りそうです。
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