日本の最古の麺【延喜式】作り方再現レシピ 米粉のはいった滑らかさ、保存できる日本の古代麺

麺作り

この記事は、日本の最古の麺【延喜式】作り方・レシピを再現した感想と、食べた感想を書いています。

強力粉や中力粉だけでなく、米粉がはいっているのが特徴です。

古代の麺には、米粉がいれられています。いまの麺は、米粉はあまりいれられていませんね。どこで米粉をいれる文化はすたれたのでしょうか。遥か悠久のかなた麺の歴史に想いをはせたいところですが、今は麺づくりですよね。

最古の麺は、米粉を使っている影響なのか、うどんよりツルッとなめらかな表面です。

また長期保存するために作られた麺です。1週間ほどは余裕で保存できます。いろいろな作り方を試しました。過去の天皇陛下にも献上され、味わったとおもわれる麺ですゾ。

『 麺の文化史 』に書かれていたレシピを参考にしています。

延喜式麺の材料

コムギ粉 二・五

米粉 一

塩 0・一

参照元:麺の文化史

古代の日本では、一年に二回、麺づくりをし、天皇陛下に献上していたようです。つくる量は膨大、保存性も高める必要があったのでしょう。

ご家庭でも作りやすいのに、材料を計算してみました。塩の分量の計算があっているか心配です。

  • コムギ粉:125g
  • 米粉:50g
  • 塩:6g
  • 水:60g

この記事での、粉と塩の割合はカッコ内どおりです。2~3人分の分量になります。

コムギ粉は、中力粉か使うか、強力粉と薄力粉を半々の分量で作るとよいでしょう。強力粉だけでは、パスタのように硬くなり、薄力粉だけではやわらかい麺になります。

使っている大容量、低価格の打ち粉の記事はコチラ。

延喜式麺の調理工程

  1. 粉と塩、水を混ぜあわせる
  2. 生地を長くのばす
  3. 麺を乾燥させる
  4. ゆでて古代麺の出来上がり

日本最古の麺作り方【 写真あり 】

粉と塩、水を混ぜあわせる

コムギ粉:125gと米粉:50g、塩:6g、水:60gを計量しボウルにいれる。

はじめから手で混ぜると、ベトベトになったコムギ粉と米粉が手にくっつく。さいばしやゴムベラで最初は混ぜるとよい。

UFOキャッチャーのような形をした、粉と水を混ぜる専門道具で混ぜあわせる。こいつが混ぜるためも作られた専門道具だけあって、いい仕事をする。

粉ぜんたいがしっとりとし、水分がいきわたり、小さい粒になれば、あとは両手をつかい粉をまとめる。

両手でこねあげても、まとまらないときは、すこしづつ水をくわえる。

形を整え、サランラップにくるみ30分~2時間ほど生地を寝かせる。寝かせることで生地ぜんたいに水がいきわたりコシがでる。

粉のまぜかた参考動画

うどんの粉と水をまぜあわせる動画ですが、日本最古の麺は、うどんのまぜあわせかたと一緒です。

生地を長くのばす

本に書かれていた方法

『 麺の文化史 』に書かれていた方法で生地をのばす。生地を円状に薄くのばす。

蚊取り線香のような切れ目を生地にいれていく。

切れ目にそって生地をとりはずし、長い一本の麺にする。

麺をコロコロと転がし、すこしづつ細くのばしていく。力をいれすぎると切れてしまう。しかし、切れても問題はないので、恐れることなく生地をのばしていこう。

のばした生地をトグロを巻く蛇のように収納し、乾燥しないようにサランラップをかけておく。30分ほど麺を寝かす。

寝かせておいた麺を作業台のうえにとりだす。もう1度、麺を細くのばす。麺状にしてから寝かせるのは、グルテンをもう1度作り、麺を細くのばしやすくするための工程だと思われる。ソーメンを作るときのように。

がんばって麺をコロコロ転がし、なるべく細く長くのばしていく。非常にメンドくさい作業。

ビャンビャン麺や中華麺のようにのばす

生地の中央に線をいれ、そこから少しづつ生地をのばす方法。

米粉をいれた影響がでた。グルテンの結合が弱い。ビャンビャン麺や中華麺のようには、のびずにブチブチと切れてしまう。

油をつかった麺ののばし方

蚊取り線香状にし、1本の麺にするところまでは同じ。のばした麺の表面に、まんべんなく油をぬる。油は香りの弱いサラダ油や米油、白ゴマ油を使うとよい。

油をぬった麺は切れにくい。さらによくのびる。このように小さい子が、雑にビヨーンとのばしても切れない。

油をぬったほうが細くのばすことができる。

麺を乾燥させる

麺の保存性を高めるために、麺を乾燥させる。麺を木にかけ、乾燥させる。

麺の重量でのびるので、地面との距離には注意しよう。

パスタを乾燥させる調理器具を使った。ご家庭にあるハンガーなどにサランラップを巻き、麺を乾燥させるとよいだろう。

ゆでて古代麺の出来上がり

古代麺:100gにたいして、お湯1~2リットル用意する。

火力は強めがよい。古代麺は、うどんと団子の中間のような食感と太さ。ゆであがりまで非常に時間がかかる。細くのばせば、のばすほど、ゆで時間は短くなる。

麺が浮いてきたら、だいたいゆであがっていると思われる。ただし、いちばん麺の太いところを味見してからお湯からあげたほうがよいだろう。

ここで問題になるのが、冷やすのか、そのまま食べるのか書いていないのだ。読み逃した可能性もあるが。

冷やしヌメリをとったほうが、口当たりはサッパリし、スムーズにすすることができた。

食べた感触としては、ツルッんと太いうどん。タピオカ粉をいれたうどんより、うどんの表面は滑らかだと思う。これだけ太いのにツルリとすすることができる。

白玉の団子を麺にしたような食感。太いところは、まさに団子をムニュと噛んでいるような食感であり、粉そのものの甘さを感じられる。

米粉をいれた麺、自信をもってうまいと言える。いまのうどんより滑らかでコシがある。そして、米粉をいれたおかげか、麺がのびにくい。お弁当にも大活躍すると思われる。

欠点としては、やはり太さ細さが均等でないことだろう。均等な細さにするには熟練の匠の技が必要になってくる。

そこで我々未来にいきる日本人は、未来の調理マシーンを使わさせてもらう。

パスタマシーンで古代麺を打つ

生地を作るところは一緒だ。

パスタマシーンに通る薄さになるまで、めん棒や手で生地をのばす。目安として5mm以下。

パスタマシーンのハンドルを操作し、ローラー部分に生地を通す。ペチャンコになり、2~3倍の長さになって生地はでてくる。

長くなった生地をペタンと二つに折りたたむ。降りたたんだ生地をもう1度パスタマシーンに通す。のばす、降りたたむ、のばす。1連の作業を5回ほどくり返すと、生地がどんどん滑らかになってくる。

滑らかになった生地をお好みの薄さにのばす。食べやすい長さに切る。くっつかないように打ち粉をふっておく。

生地のばし方参考動画

カッター(生地を切る調理器具)とガイド(生地を固定する調理器具)をパスタマシーンにとりつける。カッターの幅は、お好みの幅を選ぶとよい。

打ち粉をふって生地の先端をカッターにあわせ、パスタマシーンとガイドの上に置く。

ハンドルをくるくると回しカッターのローラーを動かす。ローラーのあいだを生地が通り、麺状になって落ちてくる。古代麺を手や器でうけとめる。

生地を切る動画

あとは、おなじように乾燥させれば出来上がりだ。のばして切る作業は、手作業よりも10倍ぐらいは早くなり、さらに細さは均一にしあがる。麺の産業革命が起こった。

パスタマシーンと手作業の麺の太さのちがい。手作業もがんばったんやけど、パスタマシーンにはかないまへんわ。

見た目は、現代のうどん。しかし、米粉をつかった古代の麺。

日本の最古の麺【延喜式】を作った感想【まとめ】

米粉をつかった最古の麺。米粉をいれることで、コムギ粉だけで作られた麺よりも滑らかな仕上がりになります。団子と麺の中間といったやさしいお味。保存性もたかく、ゆでたあとものびにくい麺でした。

過去の天皇陛下にも献上されていたと言われる麺を、家で作り味わうことができました。

うどんを打つときに、米粉をまぜると、口当たりが滑らかになり、のびにくくなりました。ただ、米粉をいれると、製麺しにくいです。ほどほどの米粉の量をいれるのが、古代の日本人の考えた知恵。

古代の麺は、手作業でも作れます。しかし、手作業で作ると、本当にメンドくさいです。そこで、未来に生きる我々は、パスタマシーンを使いました。楽々と細さのそろった古代麺を作ることに成功。

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