この記事は、カニの胴体をお湯にいれ保温してとる出汁の作り方・レシピを書いています。
作り方・レシピなどと大そうなものではありません。
お湯をわかしカニの胴体をいれ、あとは保温するだけです。
しばらく待つとカニの旨みがたっぷりとしみでた濁りのない澄明な出汁をとれます。
カニの出汁は、鍋やラーメン、うどん、雑炊、炊き込みご飯などなどに利用可能です。
カニの胴体をほじくればカニの肉もたのしめます。
保温調理とは、できるだけお湯を冷めないよう工夫をこらし、グラグラと煮たたせていないお湯にてゆっくりと食材に火をとおし、食材のもつ旨みをしっかりとひきだす調理方法です。
鍋などを布団や厚手の服でくるみ、冷めないようにすれば保温調理できます。
記事では、保温調理専用の調理器具をつかいました。保温効果が高いです。
カニ出汁のとりかた【 保温調理 】
カニの胴体と昆布、青ネギ、ショウガ、日本酒を用意しました。
カニの胴体をたくさんいれると、それだけ出汁が濃く厚くなります。
また鍋にいれるお湯の量が少ないほうが濃い出汁をとれます。けれども、お湯が少ないと冷めやすいというデメリットもありますのでご注意ください。
お好みの量のお湯を鍋にいれ沸騰させてください。青ネギやショウガ、日本酒は先にいれてもらってもかまいません。
お湯が沸騰したら火をとめます。そして、カニの胴体をお湯にそっと沈めます。
お湯がこぼれないように、お湯が冷めないように、鍋をくるむなどしお湯を保温してください。
あとは、時がカニの胴体から出汁をとってくれます。ゆっくりと待ちましょう。
2時間ほど保温しました。白い湯気とともに、白いカニの香りがわきたちます。
カニの出汁は、澄んだ色です。カニ鍋の終盤ほど白濁はしていません。
はんなりとしたカニの澄んだ旨みは、たっぷりとカニの肉からひきだされています。
出汁をとったあとのカニの肉です。かすかすになっておらず、塩の花びらといいたくなる潤とした甘味がのこっています。
しみでたカニの出汁が、カニの肉にまい戻っているように感じました。
カニ出汁をとれるだけでなく、カニの肉もおいしくなりました、保温調理は。
カニ出汁の調理例
鍋
カニ出汁を鍋にいれ、お好みの食材をコトコトと煮ました。
カニ出汁さえあれば、カニの風味が行進しているような味わいぶかい鍋をたのしめます。
カニの肉はありません。けれども、カニの風味は、しっかりと食材にしみこみます。
カニの肉は見えねど、カニの風味は感じられます。淡泊な白菜と大根が、とくに珠玉です。
残ったカニ出汁、それも野菜の甘味がしみでている出汁です。その出汁には、もちろん白米をくわえコトコトと煮つめます。
仕上げに溶き卵をたらり。日本の農家の叡智の結晶ともいえる白い輝きと、母なる大地が生みだした赤と白の果実の邂逅。
黄色い卵のかけ橋。
ラーメン
ラーメンは、すこしだけ味噌をいれたほうが抜群においしくなります。
カニ出汁に味噌をいれるのはモッタイナイと感じられるかもしれません。
けっして後悔させない一級品のラーメンスープになります。
カニの胴体にないカニ味噌の旨みを、豆から作った味噌でおぎなうのです。それがラーメンスープをおいしくする味噌です。
さらにラーメンにカニチャーハンをつけましょう。カニづくしです。もちろん、胴体の肉をいれたチャーハンです。
カニが大好きな人が、鯛をもったエビスさまのように微笑むカニラーメンセット。
いつもの袋ラーメンを、カニ出汁で作ると、それはそれは、もう。
うどん
カニ出汁には、流れるように滑らかなうどんをいれたいですね。
細いうどんや、ソーメンなどもグッドです。
ほんのちょっぴりの醤油、もしくは魚醤をくわえ、海藻の塩分とミネラルをたせば、それだけで澄明でお上品なうどん出汁になります。
カニの風味が、白いうどんにのりサワサワと口中にはいりこんできます。カニの風味は、微風とよびたくなるほど柔いです。
食べていて疲れず、体の細胞ひとつひとつに優しく純な栄養がしみこんでいきます。
そして、うどんには、カニ肉をいれた炊き込みご飯をあわせます。すこしショウガをいれ、青いネギをふりかけました。
立派なカニ御膳の出来上がりです。
保温調理でカニ出汁をとった感想【 まとめ 】
カニの胴体と香味野菜、昆布、日本酒があれば、鍋からラーメン、うどん、さらにはチャーハン、炊き込みご飯までを作れました。
すべての料理に、カニの旨みはしっかりと息づいています。
はんなりとお上品なカニのお出汁は、いろいろな料理につかえます。
また出し殻になったと思われた、カニの胴体の肉もみずみずしいものでした。十分に甘い旨みをのこしていました。
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