鶏コロッケ蕎麦 カレー南蛮 吉田健一著『 饗宴 』より再現 鶏コロッケとカレーの相性はジャガイモよりよかった

料理

吉田健一著『 饗宴 』に書かれている鶏コロッケ蕎麦 カレー南蛮を再現し食べた感想を書いている記事です。

鶏肉をつかったコロッケを作り、それをカレー南蛮蕎麦のうえにのせ、生卵をおとして作ります。

生卵とカレーをと混ぜあわせ、コロッケをすこしづつフヤかして食べる至福。

さすが文豪でグルマンな吉田健一が提案するレシピです。ジャガイモをつかったコロッケ蕎麦と比べると、月とすっぽん、豚に真珠、それぐらいの違いはありました。

蕎麦屋のかえしとカレーのスパイス香りが混ざったお汁、鶏肉のぷりんとした食感、それを包むパリッと揚げられた衣、つけあわせのナスの辛子漬けを食べるとお口がリフレッシュされ、つるつると食べることができます。

鶏コロッケ蕎麦の材料(2~3人分)

  • 鶏ミンチ:500g
  • 牛乳:大さじ2
  • バター:10g
  • 塩:小さじ1/2
  • 蕎麦:200g
  • 卵:2~3個
  • 卵:1個、パン粉:適量(コロッケの衣用)
  • かえし:適量(めんつゆで代用可能)
  • カレー粉:適量
  • 片栗粉:適量(汁にトロミをつける)

自家製かえしは、醤油と味醂に昆布や干ししいたけ、たかの爪をいれて作っています。冷蔵庫にはいっている麺つゆでも代用できるのでご安心ください。

鶏コロッケ蕎麦 カレー南蛮の作り方 【 写真あり 】

鶏ミンチを作る

市販の鶏ミンチを使う人は、次の調理工程に進んでください。

鶏胸肉を2cmほどに切り、牛乳に1~2時間ほど漬けこむ。

鶏胸肉をミンサーにつめ、ハンドルをくるくる回し、鶏胸肉を鶏ミンチにする。

脂の少ない、あっさりとした鶏ミンチができる。

鶏ミンチを成型する

ボウルに鶏ミンチと牛乳:大さじ2、バター:10g、塩:小さじ1/2をいれる。

鶏ミンチを手でねってもいいが、めん棒などの調理器具でモチをつくように鶏ミンチをこねると、むっちりみっちりとした食感のよいコロッケになる。

鶏ミンチをコロッケの形にととのえる。吉田健一は、コロッケの大きさについて、このように記述している。

コロッケというのは小さいのが相場となっているが、それではつまらないから、ハンバーグ・ステーキ二つ分位の雞の叩きを牛乳とバタで料理したコロッケを二つか三つ、カレー南蛮式の蕎麦の上に載せて、生卵を落としたのを作って貰う。

引用元:酒肴酒

鶏コロッケ蕎麦の作り方は、これぐらいしか書かれていません。

足りない部分は想像でおぎなっているので、吉田健一が考えていた鶏コロッケ蕎麦とはちがっている可能性があります。

鶏コロッケの大きさは、小さいのはおもしろくないらしいので、コロッケ二つぶんほどの大きさにしました。

火が通りやすいように、中央はすこし凹ましておきましょう。

鶏ミンチを揚げる

生卵をわりいれたパットと、パン粉をいれたパットを用意する。

卵→パン粉の順番に鶏ミンチをつけ、鶏ミンチをコーティングする。

フライパンに油をいれ、170℃~180℃まで温度をあげておく。鶏ミンチをそっと油にいれ両面をカリッと揚げる。

鶏肉を生で食べるとたいへん危険です。中までしっかり火が通っているかご確認ください。

お汁を作る

かえしをフライパンにいれる。お吸い物ぐらいの味になるように水をくわえる。めんつゆも、お吸い物ほどの味になるように調整する。

カレー粉をいれ、弱火にかけながらカレー粉を溶かす。カレー粉の量はお好みで。

カレー粉がとけたら、片栗粉などでお汁にトロミをつける。

漬物を用意する

食べている途中で味に変化を与えるために、鰻屋で出すような茄子の辛子漬けとなるべくじゅくじゅくした奈良漬を別に小皿に盛って出して貰う。

引用元:酒肴酒

奈良漬はぐじゅぐじゅのを用意できなかったので、茄子の辛子漬けを用意しておく。

茄子2本をいれた卓上漬物容器に塩、しょう油、さとう、みりんを小さじ2ずついれ、洋辛子はおおめに小さじ3いれ、ピリッと辛さをきかす。

蕎麦を茹でる

五割そばを用意した。お家にある乾麺の蕎麦をつかいましょう。

蕎麦をゆで、冷水でヌメリをとり、お湯で温めてから器にもりつける。

鶏コロッケ蕎麦をもりつける

器に蕎麦をいれ、カレー南蛮のお汁をそそぐ。

鶏コロッケを蕎麦のうえにドンっとのせる。

生卵を割ってのせる。

あっ。

チキンラーメンのように、鶏コロッケのうえに軽やかにのせるはずが大失敗。

漬けこんでおいた茄子の辛子漬けも小皿に用意します。

鶏コロッケ蕎麦を食べる

鶏コロッケをカレー南蛮の汁や生卵にひたして頂く。カレーのスパイシーな香りとかえしのあわさった蕎麦屋のお汁の香り、つるんとした生卵が、むっちりとした鶏肉をコーティングしている。しばらくすると鶏コロッケの衣がとけ、お汁に天かすのようにコクを与えてくれる。

鶏コロッケをお汁にひたしていると、鶏コロッケとお汁どちらもうまくなる仕掛けだ。

じゃがいもコロッケとちがい、食べ応え抜群のあるコロッケになっている。ふわふわ軽くなく、ガツンとした食べ応えがあり、お腹にドスンとたまる。

中学生~大学生のスポーツ選手もニッコリ満足する食べ応え。

蕎麦は、まぁ普通。カレー南蛮ですわ。

舌がコッテリしてきたならば、茄子の辛子漬けで口のなかを洗い流す。辛子とカレーの相性いいな。

鶏コロッケひとつと、蕎麦を食べおわったらお腹が狸のようにポンポン。

吉田健一は、このコロッケ蕎麦についてこのように書いている。

そのうちに一丼平らげてしまったら、お代わりを注文する。ハンバーグ・ステーキ二つ分の大きさのコロッケが幾つも幾つも、というのは、丼の中に二つずつ幾つでも出て来ることを思えば、そのために胃液の分泌が烈しくなって空腹は増しても、それだけ胃は消化がよくなって快方に向うことになり、腹が減って来れば来るほど、必死になって頭の中で丼の数を重ねるという趣向である。

引用元:酒肴酒

吉田健一のエッセイは現実か夢か想像か区別がつきにくい。このコロッケ蕎麦は現実に食べたのか、頭のなかで想像しただけなのか、あなたはどちらだと思いますか。

コロッケうどん

手打うどんをうち、蕎麦と同じようにもりつける。

鶏コロッケの中央にポケットを作っておく。鶏コロッケにみごとに月をのせることができた。

うどんのほうが蕎麦よりも主張がつよく、鶏コロッケに負けていない。どこかのうどんチェーンのメニューになれば人気がでそう。

ちょっと蕎麦だと頼りないな、と感じたかたは、鶏コロッケをうどんで食べることをオススメする。

鶏コロッケ蕎麦を食べた感想【 まとめ 】

カレーの香りが食欲を刺激するお汁を蕎麦にかけ、大判の鶏コロッケをのせ、生卵を割り入れる鶏コロッケ蕎麦。鶏コロッケにカレーの汁や卵をからめ、はふはふと食べるのが楽しいお蕎麦です。

つくねのように食べ応えのある鶏コロッケにハマると、ぱさぱさのジャガイモコロッケに戻れなくなりますゾ。

蕎麦だけでなく、うどんで食べてもおいしいカレー南蛮でした。

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