オレンジビターズの飲み方・カクテル使い方記事 1滴の甘い液体をそそぐとカクテルの甘さが花ひらく

お酒レビュー

この記事は、オレンジビターズの飲み方・カクテル使い方を書いている記事です。

飲むグラスや氷に1~2滴のオレンジビターズをたらすと、透明な甘さがひろがります。澄んだ空気のむこうがわにオレンジ畑がある、そんな甘い香りです。

本家苦味の権化のようなアンゴスチュラビターズほどインパクトのある香りではありません。

オレンジビターズの香りと風味が輝くのは、ぽちょりと1~2滴ほどカクテルにたらしたときでしょう。ほかのお酒の甘さや香りを鮮やかにひきだしてくれます、オレンジビターズは。

オレンジビターズを使ったカクテルの作り方・飲んだ感想も書いています。

オレンジビターズの使い方

オレンジビターズのオレンジ色をしたフタをあけます。ちいさい穴があいているのが確認できるでしょう。

パパッとふると、アロマオイルのように1滴~2滴だけのオレンジビターズがでてくる仕掛けです。ドバッとでない安心設計。

グラスやシェイカー、ミキシンググラスにオレンジビターズをいれるだけで、オレンジビターズの清澄な甘さをたのしめます。

オレンジビターズの味

オレンジビターズを2滴ほどウォッカにいれて味見しました。

オレンジビターズのアルコール度数は28度です。アンゴスチュラビターズのほぼ半分。

そして、容量も半分です。なのに、お値段はアンゴスチュラビターズとおなじほど。

オレンジビターズは、クセのない透明なオレンジの香りと風味。スーッと染みこんでくる甘さです。ペチャッとした甘さでなく、あくまで清廉潔白な甘さ。ほかのお酒の香りや風味を邪魔をしない甘さです。

アンゴスチュラビターズを単品でたのしめるかと言われると、「う~ん」と悩まざるをえないです。

アンゴスチュラビターズは、キック感をかんじる苦い風味があり、ウォッカやジンにたらすだけで苦い風味をたのしめます。オレンジビターズとウォッカやジンは、すこし甘くなったかなと感じる変化があるだけです。

オレンジビターズの清潔な甘さがいきるのは、ほかの甘いお酒と混ぜあわせ化学反応がおこったときでしょう。

あまり甘いカクテルを飲まないひとには、オレンジビターズは必要ではないかもしれません。

甘いカクテルを飲むひとには、オレンジビターズをふりいれるだけで百花繚乱、百花斉放といった甘いカクテルの味を堪能できます。

その甘さにはまってしまうと、あのお酒や、このお酒にと、オレンジビターズをふりかけたくなること間違いなしでございます。

オレンジビターズを使ったお酒

アドニス

  • ドライシェリー:40ml
  • スイートベルモット:20ml
  • オレンジビターズ:3滴

ドライシェリーのかわりに、ドライベルモットをつかうツイスト。

氷をいれたミキシンググラスに、材料をすべていれステアしグラスに注ぎいれる。

スイートベルモットのほうが、分量がすくないのに甘草を干したような、足元にからみつく甘さがグラスからたちのぼってくる。

しずしずと柔らかい飲み口。しっとりとした落ちついた甘さ。スイートベルモットの甘い風味が、オレンジのように丸みをおびており飲みやすく感じられる。

ヴェルジーネ

  • アマレット:30ml
  • カシスリキュール:15ml
  • ブランデー:15ml
  • オレンジビターズ:3滴

すべての材料を氷をいれたシェイカーにいれる。シェイカーをふり冷やす。カクテルグラスに注ぎいれる。

冷えている液体から、熱をおびた香りがたち昇る。炎が爆ぜるような、甘い香りがたち昇る。この香りどこまでものびる、部屋のかたすみまでのびる。

杏仁豆腐のような、ちいさい子どもが飲む薬のような香りをしているアマレット。甘すぎるように感じられるが、カシスとブランデー、そしてオレンジビターズのおかげで飲みやすい。

甘さのなかに、一滴のちいさいオレンジのような酸味、爽やかさがある。甘いカクテルが好きな人にオススメしたい一杯。

カジノ

  • ドライ・ジン:40ml
  • マラスキーリキュール:10ml
  • レモンジュース:10ml
  • オレンジビターズ:3滴

すべての材料を氷をいれたシェイカーにいれる。シェイカーをふり冷やす。カクテルグラスに注ぎいれる。

若さあふれる爽やかな青春ドラマ。トレンディードラマのような香りをしているシカゴ。マフィアやピザのようなイメージとはN極とS極である。

ぽってりしたチェリーではなく、酸味のある硬いチェリーのような香り。こくりと清涼な飲み口。すこしだけホッペがあつくなる酸味。飲みやすい一杯。

オレンジビターズの香りと風味は、すこし控えめ。

スコッチキルト

  • スコッチウィスキー:40ml
  • ドランブイ:20ml
  • オレンジビターズ:3滴

氷をいれたミキシンググラスに、すべての材料をいれる。ステアし冷やしカクテルグラスに注ぎいれる。

ドランブイの蜂蜜に大量の甘草をいれた悠久とした甘さ、そこに辛口のスコッチウィスキーの風味。ダルマに眼を描くように、龍に眼を描くようなオレンジビターズの清涼ともいえる香りが甘さに傾きすぎない仕事をしている。

グラスにドランブイとスコッチウィスキー、氷をいれて作るラスティネイルというカクテルがある。オレンジビターズをいれたスコッチキルトは、切り立ったリアス式海岸のような清涼さがあり飲みやすい。

ふたつのどちらかを飲むということであれば、スコッチキルトを選ぶ。

ブロンクス

  • ドライ・ジン:15ml
  • ドライベルモット:15ml
  • スイートベルモット:15ml
  • オレンジキュラソー:8ml
  • オレンジジュース:15ml
  • オレンジビターズ:3滴

すべての材料を氷をいれたシェイカーにいれる。シェイクし冷やす。カクテルグラスに注ぎいれる。

ひとことで言いあらわすなら、オレンジ。果実のオレンジよりも、リアルにジューシーなオレンジ。完の璧に丸いオレンジ。

オレンジをつかったカクテルは数おおくあれど、オレンジの風味がくどくなく爽やかなカクテルはあまり思いだせない。ブロンクスはオレンジがくどくなく飲みやすい。

ラ・プレイス

  • ウイスキー:30ml
  • スイートベルモット:30ml
  • オレンジビターズ:3滴

すべての材料を氷をいれたグラスにいれる。ステアし冷やす。

バーボンをつかうのが本来のレシピ。なかったのでスコッチウィスキーで代用。そして、ほんらいであればミキシンググラスで冷やしカクテルグラスに注ぎいれるレシピでもある。

スイートベルモットのはんなりとした甘い香りの底に、ちくりとオレンジの白い部分の苦味があり清涼感を感じられる。

ぬるりとした飲み口。すこし甘めのブランディーのような、しなやかなで艶めかしいイメージのカクテル。

酎ティーニー

  • 焼酎:50ml
  • ドライベルモット:20ml
  • オレンジビターズ:3滴

すべての材料を氷をいれたミキシンググラスにいれ、ステアし冷やす。カクテルグラスに注ぎいれる

つかっている焼酎にもよるだろうが、芋臭さ、野暮ったさといったものが消えている。すこしお高いジンでつくったマティーニのように感じられる。

オレンジビターズは、焼酎の甘めの香りをひらき、そして、最後にチクリとした苦味で味をとじる。

焼酎とドライベルモットだけでは、この味は作りだせない。オレンジビターズがあればこその味。

オレンジビターズ、いい仕事してますね。

アンゴスチュラビターズを飲んだ感想【 まとめ 】

オレンジビターズは清潔な甘さ。スーッとのびる高原にみのるオレンジのような爽やかな甘さです。

ペチャッとしたイヤな甘さではありません。ほかのお酒の甘さを邪魔せずに、そのお酒の甘さを鮮やかに咲かせてくれるオレンジビターズです。

オレンジビターズは、ほかの甘いお酒とあわせることで、オレンジビターズの甘さは煌めきます。

甘いお酒が好き、甘めのカクテルをよく作るかたにオススメしたい小さいお酒。豊かなの甘さを演出してくれるオレンジビターズ。酒棚の片隅に忍ばせおきたい小さい瓶です。

苦味ばしった味がお好きなかたには、元祖アンゴスチュラビターズがおすすめです。

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