13日間で「名文」を書けるようになる方法【読書感想】「名文」を書けるようになった人もいる

書評

この記事は、『13日間で「名文」を書けるようになる方法』を読んだ感想を書いています。

読むことによって、名文を書けるようになるのかと問われると、書けるようになる可能性はあります。作者さんが紹介する文章や、生徒さんが書いた文章を読んだときに、心が少し動かされるような文章はありました。

『13日間で「名文」を書けるようになる方法』では、名文を書く技術などは、まったく書かれていません。

では何を教えているのか、それは文章との向き合いかた、付き合いかた、聴き方。そして、素直に自分の思ったことを文章に書くという心を持ちなさいと教えています。

『13日間で「名文」を書けるようになる方法』は、どのような方にオススメするかと尋ねられたら、読書感想文のような画一的な文章、Web検索上位にでてくるような無味無臭の文章、ビジネス文書のように血の通っていない文章しか書けない。そんな文書でなく、人の心をピクリと動かすことができるような、血が通っているような「名文」を書いてみたいと考えている方にオススメの本です。

「名文」を書けるようになるのか

この本は、明治学院大学国際学部の『言語表現法』の講義をまとめたものです。講義の先生は、作家・文芸評論家の高橋源一郎さん。『高橋源一郎の飛ぶ教室』ラジオ番組でも有名な方です。

13日というのは、13回の講義(+1補講)と思ってもらえれば間違いありません。本を買うお金だけで、『言語表現法』の講義を聴ける、読める、講義に参加できる本とも言えます。

講義内容は、作者さんが「名文」と思う文章を紹介し、その文章について解説します。紹介する「名文」はユニークなものが沢山あります。解説を聴くと「なるほど、名文だな」と納得する文章がおおいです。

オバマ元大統領の演説や『ゲド戦記』の作家の講義文章など多数あります。そして、セクシー女優の履歴書なども紹介されていました。セクシー女優の履歴書は「名文」なのかな。

「名文」を紹介するだけでなく、生徒たちに文章を書くお題・課題を出します。生徒さんたちがお題について書いてきた文章は、講義内で発表・朗読します。生徒さんが書いてきた文章を聞いた学生に感想を聴きながら講義はすすんでいきます。いきなり作者さんに感想を求められた学生がドギマギしている様子が手にとるようにわかりました。いきなり先生に質問されたあのイヤ~な感じが再現されています。

生徒さんが書いてきた文章には、心を揺さぶられる、心地よいな、いいこと言うな、と心がピクリと動かされる文章がありました。つまり講義を受けていた生徒さんたちは、「名文」を書けるようになっているのです。講義の雰囲気を感じ、講義を読める『13日間で「名文」を書けるようになる方法』を読めば「名文」を書けるようになる可能性があります。

講義で教えてもらうこと

文章の技術やレトリックなどは、まったく、ちっとも、ネバー教えていません。紹介されている生徒さんの文章の誤字脱字もそのままという徹底ぶりです(私は誤字脱字にまったく気づきませんでした)。

では何を教えてくれるんじゃい、と思われた方が多いでしょう。

教えてくれることは、文章との接し方です。文章の読み方や視点、文章から聴こえてくる音の聴き方でしょう。などと書きましたが、ふわっとした文章への接し方をふわっと教えてくれる講義です。眼からウロコがポロポロ、劇的に文章が素敵になった、そんな劇的な本ではありません。

講義内容を読んでいると、文章を書くのは簡単だよ、文章を書くのは自由だよ。文章は何を書いても大丈夫なんだよ、と教えられます。カチコチの頭がほぐされ、文章を自由奔放に書いてもイイんだ、そんな気持ちになってきます。そわそわ、ふわふわ、ムラムラと何か文章を書きたくなってくる本です。

講義を読み、出されたお題を書きたくなり、すべての課題を書きました。課題を読んでもらい「名文」になっているか、どうかご確認いただけます。

13日で「名文」を書けるようになる方法投稿note

お題を見て、文章を書いてみたくなる人もいらっしゃることでしょう。少し注意事項があります。

『靖国神社』や『日本国憲法』など、すこしセンシブなお題があります。変なことを書き、発表すると、ボウっと炎上する可能性が。

Amazonレビュー

13日間で名文をー とはいうが実際のところ、この本で作者のおじさんが言いたいことは、ものの見方を変えろということ。肩の力を抜いてもっと気楽に考えなよっていうことだ。

高橋源一郎による明治学院大学での「言語表現法」講義を書籍化。全13回(1回休講)+補講の講義録。高橋源一郎が語った言葉だけでなく、学生の発言や宿題として書いてきた文章、講師と学生とのやりとりも含んでいる。講義の雰囲気を追体験できる貴重な一冊。

素敵なレトリックの生み出し方や、文章の構成などは学べないが、もっと大事な「ことばとの付き合い方」を知りたい方におすすめしたい。

まずタイトルが読者を惑わせる。出版社が本を売るために付けたのだろうが、ハウツー作家ではなく小説家なのだから嘘はよくないと主張すべきだった。売れてもっと内容にふさわしいタイトルを考えられるのが著述家ではないのか。結論から言うと「13日間」でもないし、「名文」についてはほとんど述べられていないし、「方法」は全く教えられていない。

引用元:Amazon

13日間で「名文」を書けるようになる方法を読んだ感想【まとめ】

13回+1回の補講を読める『13日間で「名文」を書けるようになる方法』でした。

文章の技術などは、一切教えてくれません。文章の接し方や読み方を教えてくれます。

講義内容を読んでいると、自由奔放に文章を書きたくなりました。

『書く習慣』という、これまた文章を書きたくなる本もレビューしています。

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