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【 檀流クッキング 】柿の葉ずし【 再現レシピ 】 柿の葉の爽快な香り、水分がぬかれ透きとおる寿司ねた

料理

この記事は、『 檀流クッキング 』で紹介されている「柿の葉ずし」を再現し食べた感想を書いている記事です。

柿の葉でシャリや寿司ねたをくるみ作るお寿司です。

柿の葉の清潔な香りが、さわやかなお寿司です。

柿の葉に水分をぬかれた寿司ねたは透きとおったり、香りがさわやかになったりします。

再現と書いていますが、完全には再現していません。

新巻ザケを柿の葉でくるむのですが、刺身で食べられるサーモンを使いました。

かの文豪谷崎潤一郎が『 陰翳礼讃 』で紹介していた柿の葉ずしを檀一雄を再現したわけです。

ふたりは、新巻鮭をまきこみ柿の葉ずしを作っています。新巻鮭を生で食べてもよいのだろうかと不安になりました。

奈良に昔からある料理なので問題はない、とは思います。本格的に作られたいかたは、新巻鮭を使ってください。

『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。

男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』

おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。

柿の葉ずしの調理風景

鮭といっしょに柿の葉でくるむのは、酢飯ではありません。

いつもの水分より少なめの水で米を炊き、ちいさい泡がふいてきたときに日本酒をくわえると書かれています。

白米と水、日本酒をくわえ炊飯器で炊きあげました。ご飯をかために炊きあげるのが大事だそうです。

ご飯を常温になるまで冷ましましょう。

鮭は新巻にちかづくように水分をぬいておきました。

柿の葉の汚れをとり、柿の葉のおもてに鮭とご飯をのせくるみます。鮭は薄くそぎ切りと書かれています。

ご飯は手に塩をつけ小さいおにぎりほどの大きさに握ります。できるだけ水をつけないのがコツと書かれています。

手にご飯粒がたっぷりとつきました。

柿の葉をくるりと巻き、形をととのえます。巻いた柿の葉ずしを容器にならべていきます。

できるだけ隙間のないように容器に柿の葉ずしをつめ上から重しをかけましょう。

新巻鮭につづいて二つめの謎が登場します。前夜柿の葉を漬けたら、その翌朝から食べることができる、と書かれています。

2020年の春から夏の気温です。谷崎潤一郎と檀一雄が、生きていた時代とは温度がちがいます。保存場所や重しをかける時間は十分に注意してください。

ほどよく重しをかけた柿の葉ずしを並べます。

ゆっくりと柿の葉をめくりましょう。

緑の柿の葉のなかから、鮮やかな真紅が目に飛びこんできます。

指にくっつくほどに、しっとりとした鮭の身。峻烈な寒さの土地で熟成されたような身になっています。スモークサーモンなどの食感に近いです。

鮭の香りは、柿の葉の清潔な香りに置きかえられています。目に見えない細菌を殺す作用がある柿の葉。その柿の葉の香りは、清雅であり典雅。古の都と北陸で愛されつづける柿の葉の香り。

ねっとりとした鮭の身の味わいは、ひとつ間違えればエロスを感じるほどです。妖艶とも言うべき煌めく甘美なお味。

それでいてくどくありません。柿の葉の香りがよけいな脂分だけをとりのぞいています。豊満かつ妖艶な楊貴妃と竹を割ったようにサバサバとした清少納言が同居しているような柿の葉ずしです。

そして、その鮭の身と塩分のきいたご飯との相性がとてもよろしいです。谷崎潤一郎がずっと食べていても飽きないと書いていた理由がわかりました。

うまい、うまい、うまい。

わたしはサーモンのお寿司が好きです。ちなみに柿の葉にくるまれたサーモンのお寿司が、いちばん好きになりました。

さすがに鮭だけでは飽きてしまう、そのような方もいらっしゃるでしょう。

『 檀流クッキング 』には、塩サバで作る柿の葉ずしも紹介されています。

記事では、塩サバでなく、〆鯖を使っています。『 檀流クッキング 』では、塩サバと書かれています。

塩をふっただけのサバがあったのか、〆鯖のことなのか、謎です。

塩サバは、甘めの酢飯で握ると書かれています。

塩サバも鮭のように柿の葉でくるみましょう。

そして、容器にいれ重しをのせておきましょう。

塩サバと酢飯です。鮭よりも日持ちをすると思います。しかし、あまりにも温かい場所などには置かないほうがよいでしょう。

どちらも、夏の食べ物で、これを食べると、中気にならないという言い伝えがあるそうだ。

引用元:檀流クッキング

鮭と塩サバだけでは飽きてしまうとおっしゃられる若い世代もいらっしゃるかもしれません。

ここからは、『 檀流クッキング 』には書かれていない柿の葉ずしのレシピを書かせてもらいます。

まずは、辰巳浜子『 料理歳時記 』より卵の柿の葉ずし。

薄焼き卵をつくり柿の葉にのせます。そのうえに酢飯をのせ柿の葉でくるみます。

『 料理歳時記 』には、小指の爪ほどの酢飯をくるむと書かれていますが。

『 料理歳時記 』にも何個も何個もペロリと柿の葉ずしを食べると書かれています。柿の葉の香りには、ひとの食欲を暴走させる効果があるのかもしれませんね。

生ハムの柿の葉ずし。

生ハムと白ご飯(塩なし)を柿の葉でくるんだ寿司。

サーモンがいけるならば、生ハムもいけるのは道理です。

はんなりとした肉質の生ハム。乾燥しきった生ハムに潤いがもどり、むっちりとしています。

柿の葉の香りのおかげで、生臭さなどはまったく、ちっともありません。高級ホテルのレストランで提供されてもおかしくないであろう高貴な生ハムだと思いました。

生ハムの風味と香りは、白米に沁みこんでいます。ほろりと崩れる白米の隙間から熟成された豚の旨味が飛びはねます。

柿の葉とご飯、ネタさえあれば、なんでも柿の葉にまきこみ、一期一会の香りと味を愉しみましょう。

いや、ネタなどなくとも白米だけでもよいものが作れます。梅干もいれておけば、暑い日でも悪くなりにくい寿司になります。

『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。

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