この記事は、『 檀流クッキング 』で紹介されている「 イカの筒煮とポンポン炊き 」を再現し食べた感想を書いている記事です。
イカの胴体にイカの足やモチ米をつめこみ煮こむ料理です。
イカの軟骨をぬき、眼や足を胴体から分離させる必要があります。
スミ袋を破らないように気をつけさえすれば手軽に作れるのに御馳走感のある料理を作れます。
よくよく考えるとイカの胴体にイカの足をつめこむという残酷感はあります。しかし、うまいものは、うまいのです。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
イカの筒煮とポンポン炊きの調理風景
ポンポン炊きにつめこむモチ米は、前日から水につけておき柔らかくしておきましょう。
イカのスミ袋をやぶらないように胴体にはいっている内容物をぬきます。背骨あたりにつながっている部分があり、そこを剥がすとスルりとぬけます。
胴体の内部を水でサッと洗いながします。
筒煮は、イカの足を細かく切ったものをつめます。
そして、足が飛びでないように竹串などで穴をとじましょう。
ポンポン炊きは、水につけておいたモチ米をつめます。モチ米の水気は切っておいたほうがよいです。
イカの胴体に、モチ米をたくさんつめてしまっては破裂する可能性もあります。イカの胴体7~8分ほどモチ米をつめてください。
ポンポン炊きも、モチ米が飛びでないようにしておきます。
イカの足とモチ米をつめた胴体を鍋にいれます。作った感想としては、たくさんのイカを煮こんだほうが味が濃く厚くなるように感じました。
また、胴体にいれられなかったイカの足も鍋にいれ煮こみましょう。仲間はずれにしてはいけませんね。
イカの胴体がつかるほどの水を鍋にいれましょう。そして、日本酒と薄口醤油で味をつけ煮こみます。
お吸物よりもすこし濃いぐらいにするように書かれています。
コトコトと弱火で煮つめます。落としブタをしたり、ひっくり返してもよいです。
イカの胴体が、鮮やかに色づき、むっちりとひきしまれば大丈夫でしょう。
残った煮汁をフライパンにいれ醤油とみりんをつけ煮つめます。どろりとイカに濡れる粘度になるまで煮つめましょう。
イカの胴体を切り並べます。そして、お好みで煮つめたたれを塗っていただきます。
イカの胴体の柔らかさのなかから、コリッとした暴れん坊な食感が飛びだします。
筒煮にバターを落とすと洋風になり愉しい味になりました。
ポンポン炊きは、イカのはんなりとした旨味がモチ米に沁みこんでいます。
上品でおしとやかな和風点心といったところでしょうか。
うすめの出汁で煮るだけで、イカの内部にまで味がしっかりとつくのか心配でした。心配無用でした。
出汁がうすい、だからこそ、ほんのりとした紅いイカの風味がひきたつのです。ここにゴチャゴチャと醤油やらみりんやら日本酒やらをドボドボといれたタレでイカを煮てしまうと。
たれをぬった筒煮とポンポン炊きの表面に焼きめをつけると香りがグッと厚くたれこみます。
食べられなかった分は、容器にいれ冷蔵庫にいれておきましょう。味がもっと沁みこみます。
1~2日をメドに食べきってください。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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