この記事は、【檀流クッキング】で紹介されている2つのアワビ料理を再現している記事です。
再現したアワビ料理は『蒸しアワビ』と『水貝』の2レシピ。
中華風の『蒸しアワビ』、アワビの刺身といった『水貝』。
アワビを使うことで、すこし高級感のある料理を作れます。
アワビを殻から外すことができれば、いとも簡単に調理できるレシピでした。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
アワビの身のはがし方
アワビの殻を見て、ボコボコと穴があいているのを見つけられるでしょう。ボコボコとしていない反対側の薄くなっているほうからアワビの身をはがします。
木ベラやステーキナイフなどを使い、アワビの身と殻を接着している箇所をはがしましょう。
アワビの身を殻からはがしたあとは、手を使い肝などを殻からはがします。
肝などをはがしたあとは、アワビの身の白い部分にあるピンク色の口を手でむしりとります。
殻からはがしたアワビの身に、小さじ1ほどの塩をふりかけましょう。清潔なタワシでアワビの身の汚れとヌメリをとります。
【檀流クッキング】では、アワビの肝の調理方法も書かれていました。アワビの肝を、アワビの身とは別の容器にいれ、日本酒をふりかけ蒸すことをオススメしてます。
鮮度のいいアワビの肝であれば、それだけで乙な一品に。キリリッと冷えた冷酒でも、人肌の日本酒でも、アルコール飲料であれば、なんにでもミートしそうなアワビの肝の酒蒸しでござんす。
さて殻からアワビの身をはがせましたか?アワビの身を殻からはがすことができれば、もう『水貝』は出来上がったも同然です。
水貝の調理方法
さて、その雄貝に塩をまぶして、タワシでこすってよごれを落とす。ビラビラした耳を去り、適宜に切り分けて冷たく水で冷やした水中に落とせば、それでもう水貝だ。
引用元:檀流クッキング
料理とは、こんな簡単でいいのか、いいんです。簡単でうまい、それが大事。あとたまには、手間ヒマをかけた料理を愉しめ、と教えてくれる【檀流クッキング】
さすがにちょっと器が寂しいので、彩としてキュウリとミョウガを一緒にそえます。
鋭利な水で冷やされたアワビの身は、ギュッとちぢこまっている。氷のように硬く冷たいアワビをパクリと食べる。サクサクとコリコリの中間のようなアワビの身を右で噛み、左で噛みしているうちに、すこしづつ素朴な海のジュースがあふれてきます。
アワビの旨味や風味が弱いときは、塩や醤油で味を整えましょう。
ねっとりと、まとわりつくような亜熱帯といったジメジメと暑く食欲のわかない日本の夜。お通してで水貝が提供されることがあるならば、これ以上にまさる喜びを知らない。
ここでひとつ大事なことを書いておきます。かならず生食用のアワビを使うこと。刺身用、生食できるとかかれているアワビを使い水貝を作ってください。
蒸しアワビの材料
- アワビ
- ショウガ:1片
- 薄く切ったショウガ:1片
- 青ネギの白い部分:適量
- 塩:適量
- 淡口醤油:適量
- 酒:大さじ2
蒸しアワビの調理風景【写真あり】
殻からはがしたアワビの身とすべての材料を、蒸し器にいれることのできる大きさの耐熱容器にいれます。そして、材料をいれた耐熱容器を蒸し器にセット。
【檀流クッキング】では、素材の色をいかしたいときには、淡口醤油をよく使います。
「あとは3時間~4時間ほど丹念に蒸せばいい」ということが書かれています。しかし、檀一雄が調理していたアワビが大きかったのか、アワビの身がどんどん柔らかくなったのか、1時間もアワビを蒸せば十分に柔らかくなっていました。
常温になるまで自然に冷ましてから、お汁ごと冷蔵庫で保存します。食べるときは、薄くきって器にもりつけましょう。ショウガなどの薬味もお好みで飾ってください。
これぞシンプルな中華風アワビ料理。日本酒をいれましたが、紹興酒を使っても愉しいものができたのではと思いました。しっかりとした調味料がアワビの身に染みこんでおり、調味料の味だけでなくアワビの柔らかくほがらかなお汁が身からあふれだします。
檀一雄は、蒸しアワビの味を「しみじみおいしいものである」と書いていました。醤油と香辛料の香りがアワビの身にしみこみ、アワビのしみじみおいしい身のなかで混ざりあい、身を食べると、しみじみとしたおいしさがあふれてきます。
『檀流クッキング』のアワビ料理を作った感想【まとめ】
アワビの殻から身をはがすことができれば、アワビ料理は半分できたようなものです。
冷やした水にいれる。器にいれて蒸し器にいれ蒸す。だけで、しみじみとおいしいアワビ料理を作ることができます。
簡単に作ることができ、うまい料理レシピをいくつかストックしておくと人生が愉快なものになり痛快なものにもなる、そんな気持ちにさせられるアワビ料理でした。
水貝を作るときは、生食できるアワビを使ってくださいね。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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