この記事は、カンパリを飲んだ感想を書いています。
またカンパリを使ったカクテルのレシピを紹介し、飲んだ感想も書きました。
イタリア生まれの赤く陽気な見た目のリキュールです。陽気な見た目からは想像できないほど、爽やかな苦味です。その苦味になれだし、暑い日にカンパリを一口飲む、パッと暑気払いできる苦味にハマります。カンパリがないと夏をのりきれない、そんな気さえしてくるのです。
またカンパリを食前に飲むと、カンパリに使われているハーブや薬草の薬効なのか、むくむくと食欲が増幅するのを感じます。
カンパリを飲んだ感想
ストレート
瓶からグラスにカンパリをうつすと、濃い赤色が、やや薄い赤に変化した。
グラスをくるりと回す。カンパリのアルコール分は25度。グラスにへばりつくような粘度はなく、カンパリはつるつるしている。
香りを確認してみると、眼につんつん、鼻の粘膜をなでる鮮烈な薬草やハーブの爽やかな香りがしている。ハーブのなかでも、肉の匂いを消したり、魚の旨味をひきたてる薬草やハーブ系の野性味のある香り。それとハーブティーの原料になっていそうな薬草やハーブの爽やかな香りが混ざりあった複雑でありながら、一本筋のとおった爽やかな香りを堪能できる。
カンパリにいれられている原料や薬草、ハーブの種類はごく少数の人間しか知らず、門外不出だそうで。
カンパリのアルコール分は焼酎ほどあり、すこしのザラつきはあるものの、つるつると飲みやすい。
カンパリを飲んでみると、カッとくるほどの苦味、苦味がくるぞくるぞ思っていないと、眼を丸くして、ペッペッと吐き出しそうな苦味が舌のうえにのる。味わっていくと、薬草やハーブの香りがあり、そのなかでも苦味の種類が複数あることに気付く。最終的には、オレンジやグレープフルーツの皮や皮の下の白い部分のような苦味に変化する。
胃に落ちたカンパリは、火の鳥の最後のように灰になり、そして灰から蘇るついでに、胃をポッと温めてくれる。または3月の雪国、ほのぐらい雲の隙間からカンパリのような赤い太陽がコンニチワし、雪を溶かし、春の芽吹きを大地にもたらす。晴れ晴れとした元気を胃に与える飲む胃腸薬カンパリ。
カンパリの苦味になれてないうちは、ストレートで飲むことはオススメしない。
ロック
グラスに大きい氷をいれ、赤い血が流れ落ちるように、カンパリを注ぐ。
氷に冷やされたカンパリの色は薄くなり、先鋭化している。冷やされたことで、あれほど、つんつん、かんかんしていた苦味ばしった香りは減退している。
冷やされたカンパリは、かぎりなく透明な赤といった印象。薬草やハーブの苦味、柑橘類系の苦味がほどほどになっており飲みやすい。胃に落ちて、食欲を起こさせる薬効は健在である。カンパリのストレートが苦手なかたは、冷やすと飲みやすくなる。
炭酸割り
氷をグラスいっぱいにいれ、カンパリを注ぎいれる。バースプーンなどでカンパリと氷をかき混ぜ、グラスとカンパリを冷やす。炭酸水をグラスに縁から、そっと注ぎいれる。
炭酸の泡がはじけるたびに、カンパリの薬草やハーブの香りや柑橘類系の香りが、陽気に空に舞い上がる。炭酸水のシュワシュワ感が爽快であり、シュワシュワ感が終わったあとに、カンパリのぱりぱりとした一陣の風のような酸味と苦味がくる。
爽快で飲みやすいが、ビールやハイボールとちがい、食事とは合わせにくいと思われる。ピザやパスタにはミートすると思う。
カンパリを使ったカクテル
カンパリトニック
- カンパリ:40ml
- トニックウォーター:適量
グラスに氷をいれ、カンパリを注ぎ、バースプーンでかき混ぜ冷やす。トニックウォーターを注ぎいれる。
トニックウォーターのキニーネの香りとカンパリの薬草感がからみあっている。キニーネのすこし酸っぱい香りとカンパリの苦味と酸味がいい塩梅に整っている。
トニックウォーターの甘味が、すこしカンパリの苦味をゆるめている。炭酸水よりも味のあるトニックウォーターとカンパリが混ざることで、やわらかく、まるい泡がはじける飲み口。
カンパリオレンジ
- カンパリ:40ml
- アペロール:40mlorオレンジジュース:適量
カンパリといえば、いちばん有名なカクテルかもしれないカンパリオレンジ。
オレンジジュースのかわりにアペロールをつかう。アペロールもイタリアのリキュール。そしてカンパリとは対照的で、オレンジの風味がして甘いリキュール。
オレンジの風味をたすことで、カンパリが柑橘類系の風味にかたむき、苦味がアクセントになり、オレンジのたるんと甘い風味をビシッとひきしめている。
イタリアNO1リキュールだったカンパリ。さいきんではアペロールに取って代わられつつあるらしい。
スプモーニ
- カンパリ:40ml
- グレープフルーツジュース:50ml
- トニックウォーター:適量
カンパリとグレープフルーツ、氷をグラスにいれ、かき混ぜ冷やす。トニックウォーターを注ぎいれる。
グレープフルーツの香りと風味がメイン。トニックウォーターの泡がはじけると、キニーネの香りとカンパリの苦味が立つ。
カンパリの苦味とトニックウォーターの酸と炭酸をくわえた爽やかさのなかに、3D迷路のような複雑で奥行のある風味があるグレープフルーツジュース。
ネグローニ
- ジン:30ml
- カンパリ:30ml
- スイートベルモット:30ml
- 炭酸水:適量
大きい氷をいれたグラスに、ジンとカンパリ、スイートベルモットを同量注ぎいれる。かるくかき混ぜる。お好みで炭酸水を適量。
イタリアの貴族様が食前に飲んでいた歴史ある食前酒。つかうジンやスイートベルモットの香りや風味で味わいは変化する。
スイートベルモットの甘い薬草感と、カンパリの苦い薬草感がミックスされ、にが甘い香りと風味、その後ジンのドスンとしたドライな風味がくる。ちくちく胃のひだが収斂し、ぴくぴく胃のひだがオープンされる。
ミート
- カンパリ:40ml
- スイートベルモット:40ml
- 炭酸水:適量
ネグローニからジンをぬいたカクテル・ミート 。
お肉のように赤い色をしているからミートと名付けられたのでしょうか。
ジンの強烈なキック感がぬかれ、とろんと甘い風味の薬草感、そしてチクリとくる苦味をゆっくり愉しめる。
フリッパー
- ジン:30ml
- カンパリ:15ml
- ドライベルモット:15ml
- アマレット:10ml
氷をいれたミキシンググラスに、すべての材料をいれ冷やし、カクテルグラスに注ぎいれる。
ゴッドファーザーなどに使われるリキュール・アマレット。香りは杏仁豆腐の香りを想像してもらえば間違いない。そしてかなり甘めのリキュール・アマレット。
甘さの対極にいるようなカンパリと甘いリキュール筆頭のアマレットをお見合いさせたカクテル。ふところの深い気品のある香り、ビロードのようになめらかな飲み口、アマレットの甘さとスイートベルモットの甘さが混ざりあうことで、おおきく艶やかな薔薇の花が咲くような芳醇な香りが口のなかで花ひらく。カンパリは薔薇の花を咲かせる栄養分となっている。
上等なコニャックやブランデーのように、芳醇、高貴、悠久のときを感じさせる緩やか甘さがあるカクテル。材料は安いが、味は一級品。
カンパリ+白ワイン
お好みの白ワインに、カンパリを適量たらしたレシピ。ここに炭酸水を加えると、カンパリスプリッツァーと呼ばれるカクテルになる。
白ワインをわざわざ赤くすることで、苦味がカツーンときて、白ワインのフルーティー感、柑橘系の風味を引き出してくれる。
炭酸水を注ぎいれることで、さらに爽やかに軽快な苦みのある飲み物になる。
ゼウス
- カンパリ:40ml
- ウォッカ:40ml
カンパリとウォッカだけいうマッチョなカクテル・ゼウス。ギリシャ神話で浮気をするたびに、星座ができることで有名な大神ゼウスの名を冠したカクテル。
ウォッカをいれることで、ガンとしたアルコール臭がするのかと思いきや、ちいさい薬草畑に迷いこんだような香り。飲んでみると、悠久たる大河の流れのようなウォッカにのり、赤く小さな苦味が、一寸法師のように流れてくる。
カンパリの苦味をウォッカのアルコールが、やさしく包みこみマイルドにしている。
フレイムオブマティーニ
- カンパリ:15ml
- パルフェタムール:15ml
- ジン:50ml
氷をいれたミキシンググラスにすべての材料をいれ冷やす。カクテルグラスに注ぐ。
カンパリの香りのうえに、インドの踊り子さんが魅惑的な腰をふりながら放たれる魅惑的な香りがしている。飲んでみると、飲む香水と言われているパルフェタムールの幻惑的な甘さがトロンとくる。そして、ちくりとカンパリの苦味と、ジンの強烈なキック感がドスンとくる。
ジンはタンカレーを使うのが本来のカクテルレシピ。1999年のタンカレー部門で3位だったレシピ。
カンパリを飲んだ感想【 まとめ 】
カンパリはイタリアの国旗の赤、トマトの赤、イタリアの太陽のような赤色をしたリキュールです。
爽やかな苦味をガツンと感じます。薬草やハーブを煮こんだような爽やかさと、グレープフルーツの白いところのような苦さ。
カンパリの薬草の薬効なのか、食欲のない日に、赤いカンパリを飲むと、ぽっと胃に火がともり、食欲がむくむくと勃起します。
カンパリを使ったカクテルは、太陽をカクテルグラスに落とし込んだような赤いカクテルを作れました。カンパリにちがうお酒を混ぜることで、カンパリの苦味を増大させたり、減少させることができます。ストレートやロック、炭酸水割りで飲んだときに苦すぎると感じたかたはカクテルに使いましょう。
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