Webでライターのお仕事をもらい文章を納品したり、ブログをはじめ、文章を大量に生活をおくるようになりました。1日の1/3は文章を書いているの気がします。
文章を書くようになって痛烈に実感したのが、語彙、言葉のヴァリエーションのなんと貧相なことか。語彙を増やそうと、手あたり次第いろいろな本を読みました。
とくに料理の味覚や嗅覚、酒の香りや味の表現を増やそうとし、食と酒に関係する本とエッセイを読みまくりました。
文章表現が上手な作家さんを読んでみると、文章でおいしいは伝えることができるんだなと。
料理・酒の文章表現の参考になった作家さんと、読んだ本の感想を書いています。
読んだ作家さん一覧
- 瀬戸賢一
- 向田邦子
- 丸谷才一
- 吉田健一
- 水上勉
- 邱永漢
- 荻 昌弘
- 筒井康隆
- 中島らも
瀬戸賢一
おいしいという表現を、文章で書くために様々な角度から検証している本。
多くの作家さんのオムニバスになっているので、あまり興味のわかない章もありました。
しかし「おいしい、とろける、うまい」としか書いてない人は、この本を読んでみると「なるほど、そのように表現すればいいのか」と目が覚める思いがするでしょう。
表現方法が一覧になっているページは印刷して、ノートに貼り文章を書くときに参考にしています。お値段は高いです。もうちょっとお安いと「これ、メッチャいいよ」とオススメできるんですがね。
向田邦子
エッセイの名人向田邦子。
読みやすく優しい文章で、スラスラと読め、お話がストンと頭にはいってくるエッセイだった。向田邦子を、文章のお手本にしようと向田邦子のエッセイを2~3冊ほど読みました。
『海苔と卵と朝めし』で、おやっと思う文章があったんです。
味を文章で表現するために、丸谷才一、開高健先生の舌と筆を借りたいと書かれていました。向田邦子が、褒めている二人が気になりました。
丸谷才一
丸谷才一の『食通知ったっかぶり』全編食べているエッセイ。
たしかに料理がおいしそうに書かれており、文字で食事を味わうことができます。店内の様子も詳細に書かれていました。料亭やホテルで食べた料理を、綿密かつ丁寧に書きこまれている文章を読んでいると、書かれている店に、フラ~ッと出かけたくなってくるんです。
おいしい料理を表現するには、丁寧に詳細に書きこむしかないのだろうなと気付ました。
司馬遼太郎と食事をしながらの歴史談義は、たいへん興味深かいですよ。
向田邦子 暮らしの愉しみ
『向田邦子 暮らしの愉しみ』には、向田邦子がオススメする、食に関する本が100冊ほど紹介されている。最後のほうは向田邦子の本になっているのは、ご愛敬。
もちろん開高健、丸谷才一の本も紹介されている。向田邦子が、どのような本を読んだのか知りたい人は、読んでみると参考になります。
向田邦子が、オススメしていた作家さんを読みだしました。
吉田健一
ぬらりぬらりとした文章で、最初は読みにくいなという印象だったが、どんどんと底なしにハマる文章です。特徴のある吉田健一の文章を、真似をすることはできないだろうなと思いました。なんでもないことを、哲学的に書きあげることができる人、それが吉田健一。
吉田健一は食べる専門です。日本中を旅行し、24時間食べ続け、酒を飲み続け、とても元気でパワフルな人だなと思いました。酒を飲んだ量は、日本の文豪の中では1番なのではと思っています。
吉田健一の、お父さんは吉田茂元首相。
水上勉
長野に家をたて、畑を耕し、囲炉裏を囲んでくらす生活をしている水上勉のエッセイ。お金があったら隠居して、こんな生活をしたいなと、ダレもが憧れる生活の具現者、それが水上勉。
お坊さんと、松茸を焼き食べている様子を書いた文章は、一枚の掛け軸のような錯覚を覚えました。
開高健のエッセイに書かれていた、水上勉流とろろの食べ方を改良し、日常の食事に取り込んでいます。
邱永漢
大富豪でもある邱永漢が書いた、中華料理のエッセイ『食は広州に在り』
半世紀ほどまえの、中国の風習や生活が、ありありと目に浮かぶようにわかる本。今現在とはいろいろと変化しているかもしれません。
中国人の食にたいする情熱、知恵を知ることもできるでしょう。
邱永漢は、開高健や、檀一雄とも交流があった人で、お二人のエッセイにたびたび登場します。
荻昌弘
映画批評家でもあった荻昌弘が書いたグルメエッセイ『男のだいどこ』
ふるいエッセイですが、作者は糖質ダイエットを実践しています。むかしから糖質ダイエットはあったのですね。
どんどん男はだいどころに入って料理をしよう、料理を作るのは楽しい、料理はかんたんに作れると教えてくれるエッセイでした。
読みたいことを、書けばいい。
んな、無茶なこと言うなや、と言いたくなる本。そして食とはまったく関係ない本です。
文章の書き方が、おぼろげにわかり。読んでいると、なんか心の底から、フツフツと文章を書きたくなってくる不思議な本。文章を書くのに疲れたな、嫌だなと思ったときに読むと、もうちょいガンバるかとなります。
大事なところが黒太文字になっているので、パラパラと流し読みしやすい。
この本の作者田中泰延さんは、大変おもしろく興味深い人物だった。ほかの本を執筆しているなら、すぐに読んでみたいと思ったが、2020年現在、この本しか書いていないようだ、残念。しかしオススメの本と作家が書かれていたので、見てみると。
基本的にオススメしている本は、長編がおおい『ローマ人の物語』『坂の上の雲』などなど。ちょっと読んでる時間がないなと思い、ほかのリストを見ると、中島らもと、筒井康隆さん、開高健の3人をオススメしていたのを見つけたので、読んでみました。
筒井康隆
筒井康隆さんの『狂気の沙汰も金次第』と『旅のラゴス』『短篇小説講義』を読んだ。
『狂気の沙汰も金次第』キレキッレの筒井節が読める、痛快なエッセイ。あまり食と関係ないが、エッセイで書かれている寿司とう◯ちの表現にはマイりました。
『旅のラゴス』は長編小説。あまりSF小説は読みませんが、好きなSF小説TOP3にランクイン。小説のその後どうなったんだろう、と妄想するのが楽しい長編小説ですよ。
『短篇小説講義』を読んでから、3000文字ほどの小説を、チョボチョボ書きました。おもしろいかどうかは別にしてネ。
中島らも
『アマニタ・パンセリナ』を読んだ。全編ドラッグにかんするエッセイ。
食に関係ないじゃんと思うじゃん。ラリるために、サボテンを育てて、サボテンを食べたという話もあるので、ギリギリ食にかんすることなのでセーフセーフ。
中島らも、ぶっ飛んでるな。ぶっ飛んでるからこそ、ぶっ飛んだ質のよいエッセイを書けるのかなと思いました。薬には興味はないけどネ。
料理の表現がおいしそうな作家さんを読んで感想【まとめ】
おおくの料理の表現がおいしそうな作家さんを書かせてもらいました。あなたにピッタリの作家さんを選び、本を読み、真似をしていくと、文章でおいしいを伝えられるようになる可能性があります。
料理の味・酒の味を文章で書くのが苦手で悩んでいる人は、料理の表現がおいしい作家さんの本を読むことが、料理でおいしいを伝える一番の近道かもしれませんね。
料理の味・酒の文章表現がすばらしい作家さんを読みはじめてから、すこしづつ語彙、文章表現もふえてきたような気がします。個人的感想ですがネ。
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