邱永漢さんが本に書かれていた豆油肉を再現して作り、食べた感想を書いている記事です。
用意する材料は最小限、料理工程も最小限、料理初心者でも失敗しらずのレシピ、なのに、とってもおいしい料理ですヨ。
豆油肉は長期保存可能、長期間にわたりラクチンでおいしい料理を楽しめます。
楽な料理を始めたいな、と考えているあなたにピッタリのレシピ。
邱永漢さんは美食家として有名。檀一雄さんや開高健さんのエッセイにもよく登場されています。美食家さんが作るカンタンレシピです。
豆油肉の作り方【写真あり】
豆油肉の材料
- 豚肉:適量
- 長ネギ:2~5本
- しょうゆ:適量
- 水:適量(しょうゆと同量)
- 干しシイタケ:適量
- ゆで卵:適量
- お好みで:五香粉
長ネギ以外ぜんぶ適量で大丈夫なの。はい、大丈夫です。なんなら長ネギも適量でOK。
使う調理器具は、包丁とまな板、鍋で作れます。
本では皮つきの豚肉をオススメしていますが、手に入りにくいので、スーパーで売っている豚肉の塊(豚バラでもロース)で、おいしく作りましょう。
記事では豚肉ロースの塊300g使用。
材料を切り、鍋で煮る
豚肉を適当な大きさに切り、鍋にポイッと豚肉を放り込んでやります。
長ネギを12cm~15cmに切り、白い部分をいれると書いてありましたが、長ネギの青い部分もいれておきました。豚肉の横に並べておきます。
しょうゆと水を1:1で鍋に注ぎ入れす。豚肉がすこし頭をだすぐらいまで注ぎいれましょう。しょうゆ:1000cc、水:1000ccを注ぎいれました。
干しシイタケもポイポイっと鍋にいれ、弱火でコトコト煮ます。五香粉をくわえると「あ~これ、中華屋さんの匂いだ。」と思う香りがひろがりますよ。
これに醤油と水を半々の割合で加え、とろ火で何時間でも気長に煮るのである。葱と肉の味が互いに補い合い、便利なことは食べ残したものを何度も煮なおしているうちにしだいに味が濃くうまくなっていくことである。
引用元:食は広州に在り
何時間もコトコト煮込むのも楽しいのですが、「火元から目を離すのが怖い。」「小さい子どもがいるので火元ほったらかしは怖い。」「ガス代もケチりたいわ。」
はい。保温鍋。30分ほど煮てから鍋ごと保温ケースにいれ、6時間ほど放置します。
ゆで卵も一緒に鍋に放り込んでおきました。
6時間後、器にもりつけ『豆油肉』のできあがり。
豆油肉の味見
豚肉
まずは豚肉からいただきます。豚肉の外側はややショッパい、しょうゆの分量は、自分好みに調整したほうがよさそうだ。
豚肉の内部は甘く、しっとりした食感、豚の脂の甘さと長ネギの甘味が一体になり、チャーシューに似た味になっている。チャーシューとの違いは、ちょっとショッパいかなというぐらいしか差がないように思われる。
中華風の味になっている。干しシイタケの効果か??五香粉をくわえたら、さらに中華風になるのではないだろうか。
チャーシューとしてだされたら、8割の人がチャーシューと間違えるんじゃないかな。
チャーシューを作る時は、いろいろな調味料をつかっていましたが、しょうゆと長ネギだけで作れるのかとビックリ。
料理は引き算という言葉を思いださせてくれた味。
シイタケ
しいたけは豚の脂をまとっており、ふっくらとしており、箸で押すとピュッと出汁が染み出てくる。
パクっと食べると、ショッパい。小さいシイタケには味がよく染み込んでおり、かなりショッパい。食べるとノドが渇くほどショッパい。
シイタケはおかずというよりは、シイタケのお漬物と考えたほうがよいように思う。
シイタケ単品で食べずに、白米やうどん、中華麺、ソーメンに添えてやると、しいたけの味と香りの存在感をだしてくれた。シイタケを器にもり、ビールや日本酒で飲むのと、グイグイ飲める。
しょっぱいオツマミでお酒を飲むと、少量のオツマミで大量のお酒を飲める、という話を思い出した味。
たまご
たまごの白身をもったところ、シッカリとしまった白身になっています。ふわふわな食感ではなく、ぷりんぷりんと上質なカマボコのような食感。表面は、やや甘ショッパい。黒い表面もカマボコの焼き目のように思える。
黄身はうっすらと青くなっている、残念。パクっと食べると黄身の表面はパサッとしているが、中央はシットリした食感、二つの食感を口のなかであわせると、ホロホロと黄身が口のなかでシットリと消えていく甘さを楽しめる。
出汁が冷えてから、半熟のゆで卵をいれると半熟煮卵ができた。ショッパさは漬け込み時間で調整できた。
豆油肉アレンジレシピ集
のっけ飯
白米を器に盛りつけ、豚肉をお好みの薄さにきり白米にのっける。
煮卵を半分にきり器にのっける。煮卵はタコ糸やデンタルフロスを一周させ切ると、キレいに切れるよ。
シイタケは細切りにして、器にのっける。お好みの調味料や薬味をふってやる。
そのまま食べるとショッパかった豆油肉ね、ご飯にのせると、極旨。白米を何杯でもハフハフと食べれちゃう。
のせる具がなくなったら、汁だけかけても食べてもうまいと書かれていたので白米に豆油肉の汁をかけて食べてみた。豚肉の甘味と旨味がたっぷりの汁を、ホカホカの白米にかけてやると、たちあがる出汁の香り、いくらでも食べれちゃうネ。
のっけ麺
白米と同じく、中華麺に豆油肉をのっける。
豆油肉の出汁をかけてやり、すこしゴマ油かラー油をかけて食べるとおいしかった。
豆油肉の出汁を器にいれ、お湯を注ぎぐと、温かいラーメンをカンタンに作れた。しょうゆ味しかつくれないのが残念ではある。
チャーハン
豆油肉の豚肉と出汁をつかったチャーハン。
出汁をつかうと、しょうゆを使うより味に奥行があるチャーハンができた。
フワフワの豚肉、シャキシャキの長ネギの対比がたのしく、パクパクあっという間に食べてしまった。
長ネギ
豆油肉にいれた長ネギ。本には食べるか食べないかとは書いてなく、きっと捨てるものだろうなと思いつつ、味見をしてみる。
豚とショウユの香りがしている、パクッと食べてみると、シャゴシャゴでなかなか噛みきれない。
最初に食べたところは青い部分だったか。白い部分と思われるところを食べてみると、ニュルっと甘い。
じっくりと煮た長ネギの甘味を楽しめる味になっている、しかし長ネギだけでを食べ続けると、暴力的に味が濃く、水分をガブガブ飲みたくなってくる。
味は濃いいが、捨てるには勿体なく思われる長ネギ。
白米と長ネギ
長ネギを細かく刻んで、白米のうえにのっける。
長ネギだけなのに、豚丼か牛丼のような味になっている。長ネギの甘さと、飴色に焼いた玉ねぎの甘さは似ていると思う。
お湯を注いで、お茶漬けにしてもおいしいヨ。
うどんと長ネギ
うどんの上にどーんと長ネギをのせたレシピ。
細かく刻んだほうが絶対にいい、シャゴシャゴしながら、うどんをすすったとサ。
高菜と豆油肉
さて、毎日毎日これを食べていると、いいかげん飽きがくる。が、ちょうどそのころになると、おつゆも肉も底が見えるようになる。この残りものを活用する料理がいくつかあるが、なかでも高菜の古漬と干筍を使うのが一番合理的である。
引用元:食は広州に在り
刻んだ高菜(古漬)じゃない、をゴマ油でいためる。
刻んだ水漬け筍をくわえる。本では干筍を使うのをオススメしている。
豆油肉の出汁をくわえて、水分をとばし完成。
高菜のツーンとした酸味と出汁の甘味、カリコリとした筍の食感を楽しめる。夏はビールに一緒に食べると楽しく、焼肉中の箸休めにもピッタリ。
豆油肉の出汁がなくても、高菜と筍の相性ってめちゃめちゃイイな。
白米
高菜だけでも何杯でも白米を食べれるのに、豚の甘い味とゴマ油の香り、筍のシャキシャキした食感。
白米のうえに、ドサッとのせ、白米がなくなるまでオカワリでき、お腹がハチキレるまで食べていられる。
袋ラーメン
袋ラーメンを作り、スープのうえに高菜をのせてもよし、袋ラーメンゆで、パンパンとお湯をきり器にいれゴマ油とまぜ、高菜をのせてやるもよし。
いつもの袋ラーメンの味が、ちょっと本格中華の味に。
鶏胸
鶏胸に出汁が染み込みやすいように、ブスブスと刺してやる。
鶏胸を出汁にいれ、フツフツと細かい泡がでてきたら、保温ケースにいれておく。
3時間ほどで、鶏チャーシューの出来上がり。
保温鍋で作っているので、しっとりした鶏チャーシュー。豚の香りがする不思議な鶏チャーシュー。鶏と豚を一緒に調理すると、豚の味と鶏の味が絡み合いおいしくなっている。
親子丼
白米を器にもりつけ、フワフワな卵焼きをかけ、ホグした鶏チャーシューをのせ、細切りにしたシイタケ、お好みの薬味、お好みの香辛料をかけて、ガツガツと胃の中にかきこんでやる至福。
錦糸卵をつくり、同じ具を白米のうえにのせ、すこし豆油肉の出汁をかけ、冷たい水や温かいお湯を器に注いでズズーッと食べると、南方のナンチャッテ鶏飯になる。
料理する気がでないとき、暑くて台所にたちたくないとき、たいへん重宝するレシピ。
中華麺
はい、まいどおなじみのパターン。中華麺のっけ、鶏チャーシューのっけ、煮卵をのっけ、干しシイタケをのっける。
ちょっと変化をつけて、台湾料理のバーソーをのせると甘味がプラスされ、鶏チャーシューにねっちょりした食感を追加できる。
その後の豆油肉の出汁
二カ月後も絶賛活躍中の出汁。秘伝の出汁かなにかのようになってきている。鶏チャーシューがなくなると、出汁に鶏肉をいれ、干しシイタケやネギもくわえ煮てやる、一週間に2回ほど調理している、鶏チャーシュー製造出汁になっている。たまに豚肉もいれてるよ。
いまのところお腹を壊したことはない。(自己責任)
ゆで卵も放りこんでおくと、煮卵製造出汁にも大変身。いつでもラーメンやウドンを楽しめることができる。
鍋ごと冷蔵庫で保存すると場所をとるため、シリコンラップにいれ冷蔵庫で保存している。シリコンラップは脂でベトベトになる。
漬物を漬けるのにも便利
豆油肉の出汁を使った、ハマっているお漬物を紹介してみようと思う。
大根を乾燥させ、豆油肉の出汁を注ぎ、半日ほど放置すれば漬物の完成だ。
唐辛子を一緒に漬けこむと舌がピリっとする、刺激的なお漬物になる。酢を足すとサッパリ味の漬物になる。豚肉や鶏肉の味が染みこんでおり、調味料だけの漬物とちがい動物的なコクを感じられる。
バリバリした食感のお漬物、白米と一緒に食べるもよし、お茶漬けにいれるもよし、チョコンと小鉢に盛りつけ料理にだすと、ビールや日本酒で楽しめる。
バーソー作りに使う
台湾料理の『バーソー』を作るときに醤油のかわりに、豆油肉の出汁を使うと豚の脂のコク、干しシイタケの香りと旨みを、バーソーにプラスできる。作り方はとてもカンタン。
長ネギをテキトウに細かく切り、ゴマ油で水分がぬけ、茶色になるまでじっくり炒める。
豚肉ミンチと豆油肉の出汁をくわえ、水分が抜け、ネッチョリトロトロしてくるまで弱火で炒めれば完成。
長期保存でき、白米やラーメン、うどんにかける甘い万能調味料『バーソー』冷蔵庫に常にストックしている。
豆油肉を作って食べた感想【まとめ】
豚肉と長ネギ、しょうゆと水を煮込むだけで、長期間いろいろなアレンジレシピが楽しめる豆油肉。
はじめて料理に挑戦しようとする人に、オススメできる料理です。
チャーシューに似た豚肉をカンタンに作れますヨ。
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