この記事は、さんまのぬか漬けのレシピを書いています。
さんまをぬかに漬ける一風かわった料理です。
さんまの脂が爽やかになり、熟成された旨さを感じられるさんまぬか漬けの身でした。
作り方はいったってシンプル。いつも野菜を漬けているぬか床のぬかを拝借し、さんまに塗りつけるだけです。いつものぬか床にさんまをいれるのは衛生上よろしくありません。さんまと野菜を漬けるぬか床は別々にしたほうがよいでしょう。
『食檄のソーマ 』のさんま炊き込みご飯も再現しています。
使ったぬか床の記事はコチラ。
さんまのぬか漬けの作り方
さんまの頭を落とし、ワタも抜いておく。さんまの頭の上に切れ目をいれ、さんまの頭を左右にふると、ワタがずるっとぬける。
かるく塩をふり、さんまに汗をかかせておく。
いつものぬか床からぬかをとりわける。
さんまのワタをぬいた空洞部分にぬかをつめる。
サランラップの上にぬかをのせ、ぬかを腹につめたさんまをのせる。そして、さんまをぬかでサンドし、くるっとサランラップでつつむ。
ぬかでサンドし、サランップでつつんださんまを冷蔵庫にいれ1~3日ほど熟成させる。
さんまをぬかにいれた状態で長期保存できるかは、ご家庭のぬか床の塩分濃度でちがってくる。長期保存するのであれば、塩分濃度が5%以上のぬか床でさんまを漬けるのがのぞましい。
ぬかのなかで熟成させたさんまの表面を洗いながす。腹のぬかは、洗いながしにくい。さんまを食べたときに、ぬかは気にならないのできっちりと洗いながす必要はないだろう。
キッチンペーパーなどで水分をぬぐう。あとは焼いたり煮たりするだけでぬか漬けさんまを食べられる。
七輪で焼いていく。ぬか漬けさんまからは、炭にあたると芳しい香りを放つさんまの脂があまり落ちない。ふつうのさんまの落ちる脂がポトポトポトぐらいだとすると、ぬか漬けさんまは、ポトぐらいしか脂が落ちない。
さんまの旨味が内に蓄えられているのか、ぬかが脂を吸収したのか、どちらであろうか。
さんまの両面を焼き器にもりつける。
しっかりと水分がぬけパリッとした皮を割る、さんまの身をせせる。ぬか床の酸味がかった香り、さんまの脂の栄養たっぷりの芳ばしい香りがふくらむ。
さんまの身は水分がぬけギュッとしまり、旨味が凝縮されたような、余計な脂を削ぎおとしたようなシャープな風味になっている。食べた瞬間に脂がジュッワと膨れない。しっかりとした身、それを噛むと旨味が潤としみだし膨らむ。
さんまの身はしっかりしまり、悠久のとき熟成させたような風格があり、ゆっくりと静かに身を味わう御馳走となっている。ビールから日本酒、ハイボール。もちろん白米でもいけまっせ。
サンマの炊き込みご飯おじや風【ざっくり再現】
材料
- ぬか漬けさんま:1匹
- 米:1合
- 水:200cc
- しょうが:適量
- 梅干し:適量(作中では駄菓子のカリカリ梅使用)
- 昆布:5cmほど
- 醤油:大さじ1、日本酒:大さじ1/2、みりん:大さじ1/2
- 豆乳・味噌・麺つゆ:適量
調理手順
- 米を1時間ほど水につける
- 水:200ccに昆布を1時間ほどつける
- 水につけた米の水気をきり土鍋にいれる
- 半分に切ったぬか漬けさんまとしょうが、梅干し、調味料をいれる。
- 沸騰するまで強火、沸騰したら弱火で15分炊く、15分後火をとめ蒸らす
- さんまの身をはずし、米とざっくり混ぜあわせいただく。
米を1時間ほど水(分量外)につける。
土鍋に水:200ccと昆布をいれる。米をつける作業とどうじに行うと調理がスムーズにすすむ。
米を水からあげ、水気を切り、土鍋に米をいれる。しょうがと梅干し、調味料もいれる。
沸騰するまで強火。ふつふつと蒸気がでてきたら弱火に落とし15分炊く。15分後に火をとめ、さらに15分放置する。
さんまの身を骨からはがし、梅干しの果肉も種からはがし米と混ぜあわせる。
器にもりつけ、炒った黒ごまをちぎりふりかける。
シンプルな食材だが、焼いたぬか漬けさんまから旨味かエキスが染みだしており米ひと粒ひと粒にさんまの脂が染みこんでいるようである。さんまの香りと味がくどくなりそうなのを梅干しがバランスをとっている。
さんまの秋の風のような香りと、潤とした脂の風味を五臓六腑で堪能でき、梅干しの酸味のおかげで、いくらでも腹にかきこめそうな炊き込みご飯になっている。
さて、この炊き込みご飯は変化する。
豆乳に味噌をいれとかす。麺つゆで味をととのえる。
どっぷりと濃い味になっている。なんだろう、豆乳がとてつもなく濃いのだ。味噌の風味があり、どぶどぶとしたお汁はポタージュのようである。さんまと梅干しが溺れている。カリカリ梅だとまた違った印象をうけるのかもしれない。
私の趣味としては、そのまま食べる炊き込みご飯で十分だった。
ぬか漬けさんまのパスタ
オリーブオイルとにんにくを弱火で香りをだし、ほぐしたぬか漬けさんまの身をいれる。
ゆでたパスタを混ぜあわせ器にもりつける。
アンチョビをいれたような複雑な風味を感じられるパスタができた。ぬか漬けさんまは熟成されているのだなとわかるパスタ。
さんまの焼き魚や炊き込みご飯にあきたときにパスタはいかが。
さんまのぬか漬けを作り食べた感想【 まとめ 】
野菜をつけるぬか床のぬかを拝借し、頭とワタをぬいたさんまを漬けました。
ぬかに漬けたさんまは、身がギュッとしまり、脂と身がシャープになり、ぬかの酸味を感じられます。さんまの身は、ぬか床で熟成されたことで内側から海のパワーを感じる身にかわりました。
食檄のソーマの炊き込みご飯も再現しました。梅干しをいれることでさっぱりとした炊き込みご飯にしあがります。豆乳をかけ、おじや風にするのですが、私には濃すぎるように感じました。
魚介類とぬか床の相性はとてもよいです。いわしからさんまと青魚と相性がよいように思います。
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