この記事は、『 檀流クッキング 』で紹介されているアジ、タチウオの「背越し」を作り、食べた感想を書いています。
タチウオを使いました。アジもおなじように作れます。
タチオウとアジは、生で食せるほど新鮮なものを用意してください。
下ごしらへをしたタチウオに塩をふり、酢につけたのち骨ごと切り食す、背骨まで食べつくす料理です。
魚の背骨を食べても大丈夫なのか、タチウオは問題ありませんでした。
シャゴシャゴしたり、骨が口中に刺さることはありませんでした。ただし、油断していると。
タチウオの身だけでなく骨のまわりに旨味と栄養をまるっと食べられるレシピです。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
タチウオの背越しの調理風景【写真あり】
タチウオの頭と内臓をとりのぞき洗っておきます。
タチウオの背骨は硬く食べられません。タチウオの背骨に沿うように軽く切れ目をいれます。そして、タチウオの背骨をひきぬきます。
つぎに、タチウオに塩をふりかけます。表面だけでなく、腹にも塩をふりかけてください。
皮の表面と腹のなかぜんたいに塩をまぶしつけましょう。
タチウオから水分がしみでてきます。そのしみでた水分が、タチウオの身にあたらないように工夫してください。
タチウオをのせた皿やカゴを傾け水分を下に落とすようにしたり、網のうえに置き浮かすなど工夫してください。
タチウオから水分をしぼりだす時間は、おおよそ4、5時間ほど。
つぎに、塩を酢で洗いながします。この酢は再利用しません、もったいないですが。
あたらしい酢をいれた容器にタチウオを漬けこみます。ビニール袋などを利用してもらってもかまいません。
コンブをいれると味わいがよくなること請け合いと書かれています、昆布をいれない手はありません。
酢に1時間ほど漬けこみました。
酢に漬けこんだタチウオを清潔なまな板のうえに置き、薄く切っていきます。
切れ味のよい包丁で背骨ごと薄く切ってください。背を越すように切るから背越しなのだろうかと考えました。
がっつりと、背骨が残っているのがお分かりになるでしょうか。
この背骨がコリッともポリッとも、ホロッとも様々な音をたて、耳をたのしませてくれます。
鶏の肉団子に、軟骨がいれられているように愉快です。
タチウオの身は水分がぬけ、みっちりとしまっており、骨のあたりにくると生にちかい食感にかわります。
骨の硬い食感と、生にちかい旨味が混ざりあい、噛むたびに、食感と旨みが変化するそのように感じられるのです。
魚は骨にちかい身がもっとも美味しいと言われています。骨ごと食べられる背越しは、もっとも美味しく魚を食べる方法かもしれません。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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