『書くための文章読本』【読んだ感想記事】文章の文末問題の悩みをご解決!!

書評

【 書くための文章読本 】は「文末」のバリエーションを増やしてくれます

日本語は、文章の終わり「文末」が単調になりやすい言語です。

油断すると「です。です。です。ます。ます。ます」「だ。だ。だ。ある。ある。ある」

過去形になると「た。た。た。た。た。」(拳法家かな)

【 書くための文章読本 】は文章読本と書かれていますが、書かれている内容は大きく二つ。

本の前半は「文末問題」について、後半は「読者を飽きさせないテクニック」について書かれています。

有名作家さんの文章を例につかい、有名作家さんの文章テクニックを、分かりやすく説明・解説しています。

書くための文章読本【文末解決編】

有名な作家さんたちが、文章読本を発売していますが、日本語の「文末問題」の解決方法を書いてる文章読本は少ないそうで、「名文」を読めなど抽象的なアドバイスがおおいようです。

書くための文章読本 】は「文末問題解決のヒントが書かれています。

「デスマス調」「ダデアル調」を混ぜて書く

「え??デスマス調・ダデアル調混ぜて書いたらダメって聞いたよ」

有名な本にも混ぜて書いてはダメと書かれいますが、有名な作家さんたちはデスマス調・ダデアル調を混ぜて文章を書いています。

【 書くための文章読本 】で紹介されていた文章をご紹介。

人の世話にばかりなって来ました。

これからもおそらくは、そんな事だろう。

みんなに、大事にされて、そうして、のほほん顔で、生きて来ました。

これからも、やっぱり、のほほん顔で生きて行くのかも知れない。

そうして、そのかずかずの大恩に報いる事は、おそらく死ぬまで、出来ないのではあるまいか、と思えば少し、つらいのである。

実に多くの人の世話になった。本当に世話になった。

引用元:太宰治「走れメロス」新潮文庫

教科書にものっている「走れメロス」文末に注意して読んでみると、デスマス調・ダデアル調が混ざって書かれています。

有名な日本の小説家さんたちは、【 うまいこと 】デスマス調・ダデアル調を混ぜることによって、文末を変化させました。

過去・完了形に現在形を混ぜて書く

「またまた、過去形に現在形を混ぜて書いたらダメって教えられたよ」

【 書くための文章読本 】で紹介された文章を引用し、過去形・現在形が混ざった文章を見てみましょう。

自分の部屋は二階で、隣のない、割に静かな座敷だった。

読み書きに疲れるとよく縁の椅子に出た。

脇が玄関の屋根で、それが家へ接続する所が羽目になっている。

その羽目の中に蜂の巣があるらしい。

虎斑の大きな肥った蜂が天気さえよければ、朝から暮れ近くまで毎日忙しそうに働いていた。

引用元:志賀直哉「城の先にて」

名作と名高い「城の先にて」過去形、現在系、過去形と変化しています。

混ぜて書いてはダメと言われる現在・過去形」【 うまいこと 混ぜてかき、「た。た。た。た。た。」とならないように変化をつけています。

うまいこと混ぜるってどうするの??

日本の小説家さんたちが、混ぜて書いていたのはわかったけど、【 うまいこと 】混ぜるってどうするの。

「デスマス調にダデアル調を混ぜるタイミング」「過去形に現在形を混ぜるタイミング」は。

主人公・作者が「感じたこと」「見たこと」「考えたこと」を書くときです。

もう一度メロスさんに登場してもらいましょう。

路行く人を押しのけ、蹴ねとばし、メロスは黒い風のように走った。

その男を死なせてはならない。急げ、メロス。おくれてはならぬ。愛を誠の力を、いまこそ知らせてやるがよい。風態なんかは、どうでもいい。

メロスは、いまは、ほとんど全裸であった。

引用元:太宰治「走れメロス」新潮文庫

真ん中の文章は、メロスが「考えていること」「思っていること」を現在形で書いています。メロスの思考にカメラが”ぐ~っと”近づくイメージです。

最後の文章は、メロスの思考からはなれ、メロスの姿を過去形で書いています。

日本の小説家さんたちは、主人公・作者の感じたことを書くとき、「ダデアル調」「現在形」をとりいれ、文末を変化させていたのです。

さっそく文章を書くとき「考えていること」「思っていること」を「ダデアル調」に変化させようと思いましたが、慣れていないので「デスマス調」

読者を飽きさせないテクニック

読者をあきさせないテクニック
  • 対話する
  • 読み手を呼ぶ

対話する

書くことは対話することです。

引用元:書くための文章読本

文章に対話的要素をとりいれ、読者を飽きさせないようにします。

対話的要素をいれる、一番カンタンな方法は疑問文をいれるです。答えを読者にあたえる。読者と一緒に考える。様々な疑問文があります。

「~ではありませんか」「~だろうか」「~しないの」

雑誌記事やブログ記事によく見かける文章。飽きさせない技術だったんですね。

疑問文をいれるだけで、読者が文章に飽きなくなる。なんて楽チンな方法と思いませんか。

読み手を呼ぶ

「テレビのまえの、あなたにお得な情報をお知らせするテレビショッピング」

セリフの【 あなた 】が呼びかけですね。

「あなた」「え。私のこと呼びかけてる」と読者を振り向かす効果があり、文章にも応用できるんです。

「きみ」「私たち」「みなさん」大袈裟に「我々」など呼びかける言葉は一杯あります。

自分の文章にあった「呼びかけ言葉」をチョイスして、あなたも読者さんに呼びかけましょう。

書くための文章読本を読んだ感想【まとめ】

  • デスマス調・ダデアル調混ぜて書いてOK
  • 過去形・現在系混ぜて書いてOK
  • 対話
  • 呼びかけ

禁忌と思われていた【 混ぜて書く 】

有名な小説家さんたちが、混ぜて文章を書いていたとは驚きました。

何事も決めつけず、広い視野・柔軟な思考を持って読書をするの大事です。

【 書くための文章読本 】は数多くの例文を紹介してるので、素晴らしい文章を書く小説家さんを知ることができました。

おったろう
おったろう

おっちゃんも、文末マスターや。

びーた
びーた

ほかにも文章の技術書いてあったよ。文末が踊るように復習しときや。

おったろう
おったろう

調子のりました、おとなしく復習しとくわ。

コメント

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