ボルス オード ジュネヴァ ストーンジャグ【レビュー記事】世界最古級のジン 芳醇な香り、豊穣な甘味

お酒レビュー

ボルス オード ジュネヴァ ストーンジャグを飲んだ感想を書いている記事です。

ボルス オード ジュネヴァ ストーンジャグは、ジンというカテゴリーにいれられています。みな様が想像するドライなジンの味ではありません。まったく別物のジンです。

ジュニパーベリーの香りや柑橘類の香りがする、シャープでドライなジンの味をもとめ、ボルス オード ジュネヴァ ストーンジャグを買うと失敗すんゾ。

さて、ボルスなんちゃらホニャララでは長い。この記事ではボルスで統一させてもらいます。

ボルスの味は、華やかな香り、飲みやすい甘さ、熟成されることで、アルコール度数が高くなったような白ワインといった印象です。

ストレート・ロックで飲んだ感想と、ボルスでカクテルをつくり飲んだ感想を書いています。

ボルスを製造している蒸留会社は、現存するなかで世界最古のジンの蒸留会社です。世界最古のジンの味を楽しんでみませんか。

ボルス オード ジュネヴァ ストーンジャグの特徴

陶器のいれもの。これがボルスの特徴でしょう。陶器は空気をとおすと読んだことがあります。出荷してからも熟成がすすんでいるかもしれません。

どっしりと重く、ペタッと手にすいとくような感触の陶器のいれもの。とてもしっかりとした造りですが、液体をお漏らししました。ボルスを飲んだ時期は、3月の寒い日と温かい日が交互にくるような天候。陶器の下のほうからジワッと水分が染み出てきたのです。陶器の下半分の色が濃くなっていました。水分を触って「ぺろっ」と舐めても味は確認できません。酒なのか水滴なのか分かりませんでした。

内容量は1000ml。ボルスのアルコール分は35%と低めです。アルコール分は低く、内容量は多いボルス。

貼られているシールをペリッとめくってみましょう。

さてはて、これは何語でしょうか?分かりますか?ボルスの原産国はオランダです。

オランダに拠をかまえる1575年創業のボルス社は、現存する蒸留会社としては世界最古。

ジン製造についても17世紀のジン創成期から携わっており、現存する最古のジン・メーカーといえる。

オード・ジュネヴァはオランダの伝統的なジン。大麦を2回蒸留し、ジュニパー・ベリーの香りを柔らかく付与した素朴な味わい。

引用元:Amazon

原材料を確認してみると、『 ジュニパーベリー 』のみしか書かれていません。大麦とジュニパーベリーで香りがよく、甘口のジンになるのかとビックリしました。

キャップをあけ、さっそく飲んでみましょう。

ストレートで飲んだ感想

熟成されたお酒の色。薄黄色をしたボルス。無色透明なジンがおおいなか、すでに異色のジンだと感じさせられる。鼻をグラスにちかづけると、薔薇や牡丹系の大輪の花が咲き乱れて、まさに百花繚乱。そこに、南国系のフルーツをたっぷりいれたヨーグルトのような香り。華やかな香りが終わったあとには、白ワインを発酵させたようなスッパイ香りもしてくる。

ふわりと優しいまろやかな口当たり。ボルスの味を一言で言うのであれば、「あまい」

ドライレーズンのようなほのかな甘味がメイン。そこに少し花びらをまぶしたような艶やかな風味。ペチャッと唇につく甘さではなく、お酒がじっくりと発酵し熟成された甘さ。ジンはドライしか認めないという人には、許容できない甘さだと思われる。

西洋のお城の静かな苔むした地下室で、ゆっくり静かに寝かされた白ワインといったイメージ。ボルスを飲んで、これはジンだと気づく人は少ないと思われる。

ロックで飲んだ感想

冷やされることで、大輪のツボミの香りは緩やかにしぼむ。あるかないかのフルーツ感の香り。

あまくトロリとした飲み口が、すこしだけシャープに。

冷やされたことで、少しの苦味をチクりと感じるようになっている。苦味がピクりと舌や歯茎を刺激。感覚が研ぎ澄まされ、味に敏感になってくる。

ストレートは、亜熱帯の温室の観葉植物園内にいるような濃厚な香り・芳醇な味のイメージ。氷で冷やしたロックは、霧ヶ峰に咲いている可憐な花の香りと健やかなる味のイメージ。

ボルス オード ジュネヴァ ストーンジャグは翌日に残りやすい?

ボルスを飲んだ翌日は、脳みそはフワフワしている。だけど、脳みそが木綿豆腐になったかの如くずっしりと重く、砂かけ婆が肩にのっているような疲労感。それが飲んだ翌日には必ず顔をだした。

そんなに飲んでないのに、いつもなら、ぜったいに二日酔いにならない量なのに、ましてやアルコール度数は35度とひくいのに、ボルスを飲んだ翌日は、二日酔になりもうした。

甘さなのか、成分なのか、原因はわからないが、二日酔になりやすいボルスですゾ。

ボルス オードで作ったカクテルを飲んだ感想

  • ジントニック
  • ジンリッキー
  • マティーニ
  • ギムレット
  • ジンアンドイット
  • ネグローニ

ジントニック

  • ジン:45ml
  • トニックウォーター:適量
  • ライムやレモン:お好みでしぼりいれる

ジュニパーベリーとキニーネの香りがするのが特徴の『ジントニック』キニーネの香りは、まったくナッシング。爽快というよりも、あまい香りが漂う。

飲んでみる。ボルスは、しゅわしゅわの炭酸すら柔和にやさしくしている。

あまいジントニック。さいごに微かにキニーネの香りがツンとした。

ジンリッキー

  • ジン:45ml
  • 炭酸水:適量
  • ライム:1/2個

ライムをグラスにいれ、グジュグジュとつぶす。ボルスと氷をいれ、炭酸水をそそぎいれる。

炭酸の泡がはじけるたびに、ボルスの香りが花火のように軽やかに舞いあがる。そして、かすかに苦味ばしったライムの爽快な香り。

ボルスの甘味が幾分かゆるんでいる。パチパチとした炭酸の刺激、ライムの苦酸がシャープ。爽快感のあとに、どっぷりとしたボルスの甘味が、豊満なカバが跳ねるかの如く、たゆんたゆんとやってくる。

マティーニ

  • ジン:50ml
  • ドライベルモット:10ml
  • アンゴスチュラビターズ:2滴
  • オリーブ:1個

マティーニはドライベルモットの香りがぷ~んとすることがおおい。ボルスで作ったマティーニは、ボルスのやわらかい甘い香り、そのなかにドライベルモットの香りが包みこまれている。

ここまで甘く飲みやすいマティーニがあっただろうか、いや、飲んだことはない。ドライベルモットの香草の香りが、ボルスの甘味をすこしだけ鋭角に尖らしている。

飲み終わると、チクっとした苦味。その苦味はアンゴスチュラビターズ。

ギムレット

  • ジン:45ml
  • ライム:1/4
  • シュガーシロップ:適量

ボルスの冷やされた香りに、ライムの清冽な香り。清潔感のある白いシャツを着た貴公子といった印象。貴公子なんて小説でしか知りませんがネ。

これはね、あれだよ。白ワインのサングリアだよ。

いろいろな果実を漬け、さいごにライムをチュッとしぼりいれ、陶器のいれものにいれる。その後、雪解けしたキリリと清冽な清流に陶器を冷やしてから飲む。そんなお酒になっている。

アルコール度数はサングリアより高いのでご注意を。

ジンアンドイット

  • ジン:30ml
  • スイートベルモット:30ml

最古のカクテルといわれている『ジンアンドイット』を最古のジンで作る。ジンとスイートベルモットを同量グラスにいれ、くるくるとグラス内で混ぜる。これまた原始的な作り方である。

のっぷりたるんたるんに濃いフルボディー甘めな赤ワイン。アルコール度数高め。

すこし高級なデザートワインといった印象のカクテル。100年まえの左党も飲んでいたかもしれないカクテル、古の時代に想いをはせながらグラスをかたむけようではありませぬか。

夜空に光る星のように、バーメイドでも紹介されていたカクテル。

ネグローニ

  • ジン:20ml
  • カンパリ:20ml
  • スイートベルモット:20ml

どこぞの貴族さまが、食前酒がわりに飲んでいたカクテル。カンパリの鮮烈な苦味、スイートベルモットのほんわかした薬草感が特徴の『ネグローニ』

だが、ボルスで『ネグローニ』を作ると、カンパリの鮮烈な苦味、スイートベルモットの薬草感、すべてをボルスは包みこみ懐に丸くおさめ、苦酸味として抱えこむ。

食前に胃を温めるよりも、食後にゆっくり飲みたいお酒となっている。

ボルス オード ジュネヴァ ストーンジャグを飲んだ感想【 まとめ 】

ジンを作っている蒸留所としては、世界最古の蒸留所が作っているボルス。150年以上の歴史があります。

もっとも古いジンの味。ジュニパーベリーだけで造られたとは思えないほど、花と果物の香り、どっぷりと豊潤な甘さのあるジンです。

いま流行のジンのようにドライではありません。

世界最古級のジンを飲みながら、過去の左党に想いをはせませぬか。

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