この記事は、『 檀流クッキング 』で紹介されている大豆のうま煮を作り、食べた感想を書いています。
材料は大豆と昆布、牛肉、調味料だけ。
必要なものは、大豆をコトコトと柔らかく煮あげる時間とお鍋。
圧力鍋を使えば時間を短縮できます。
昭和の香りと風味がある奥ゆかしく素朴な味わいの煮ものです。
ふるさとと母の姿が目に浮かぶような味わいです。
お好みでニンジンやハス、レンコンなどの野菜を細かく切りくわえてもかまいません。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
大豆のうま煮の調理風景【 写真あり 】
大豆を柔らかくするには、水に一晩つけておく必要があると書かれています。
かたい大豆が好きなひとはそのまま煮ても大丈夫なのでしょうか。
一晩水に漬けた大豆を鍋にいれます。あたらしい水を鍋にそそぎいれました。
短冊に切った昆布も鍋にいれ、あとはコトコトと弱火で煮るだけです。
水分が蒸発しきってしまい、大豆を焦がさない、それだけを注意してください。
煮る時間は、大豆がお好みの硬さになるまです。圧力鍋を使ってもらってもかまいません。
工夫をこらし、知恵をつかい、料理をつくるのが大事だと書かれています。
大豆を煮たお湯は、大豆の旨みと昆布の風味がしみでている出汁です。捨てずにそのまま次の調理工程にすすんでください。
大豆がお好みの硬さになれば、お好みの牛肉をくわえてください。
肉をくわえたあとも弱火で煮つづけます。
ここで醤油と砂糖をくわえ味をつけます。調味料をくわえる分量は書かれていません。
自分のベロメーターを信じて味をつける必要しかありません。
味がしみこむまで煮ます。ビシッと味をととのえるよりも、やや薄味にととえるように書かれています。
塩からすぎては味の調整ができません。味が薄いのは調整できます。
牛肉からアクがでてくると思います。アクをすくいとっておきましょう。
大豆の味がしみこんだら出来上がりです。
冷めてもおいしいです。
溶けかけの昆布。ふわりと崩れる大豆。肉の大豆ともいえる牛肉。
昆布は、ふわりとした旨みの膜をかけてくれています。
大豆から飛びでた奥ゆかしい旨みは、牛の動物的なコクと昆布の悠然とした旨みをひきつれ、飛びでた大豆の内へと戻っています。
大豆と昆布、牛肉は、まったくケンカしていません。三本の矢のようにまとまり、強くも淡泊な味わいを作りだしています。
昭和のふるめかしい机のうえに置かれた懐かしい味。年季のはいった小料理屋で提供される安心させられる味。
そんな懐かしく安心できる味をお家で作れるようになります。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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