この記事は、『 檀流クッキング 』で紹介されている「 大正コロッケ 」を再現し食べた感想を書いている記事です。
オカラと青魚の身を混ぜあわせて作るコロッケです。
素朴な味わいです。お手頃価格の素材で作れます。
そして、オカラと青魚は健康によいと言われている食材です。その食材で作られているコロッケです。
大正から令和になったいま一周まわって新しいコロッケです。
大正コロッケだけでなく、宮崎県のオビ天の製造も書かれています。オカラを豆腐にかえれるだけです。
この記事をよめば、ふたつの料理を作れるようになります。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
大正コロッケの調理風景【 写真あり 】
オカラを買ってくるか、いまは乾燥オカラなども売られています。オカラを用意しましょう。
そして、その時期その時期に売られている青魚、いや、白魚でも問題ないかもしれません。魚を用意します。
魚の皮と身をはずしましょう。そして、すり鉢などに魚の身をいれつきほぐし魚のスリ身を作ります。
忙しいかたは、魚の切り身を買ってくるというテも。
5円分ほどのオカラを魚の身にくわえると書かれています。こまりました、物価もちがいますからね、とりあえず魚の切り身とおなじ分量のオカラをくわえました。
そして、ネギを切ったもの乾燥サクラエビ、キクラゲをいれました。
魚の切り身とオカラ、その他の食材をしっかりと混ぜあわせます。
このまま油で揚げるとバラバラに分裂することでしょう。そこで卵とメリケン粉をいれこねなおします。
卵は1個をいれ、卵のヌルリとした手触りがなくなるまでメリケン粉をくわえ混ぜあわせました。
ちいさい塊を油にいれ崩れないかをご確認してから揚げましょう。
コロッケらしい恰好にしあげます。そして、パン粉もパッター液もつけずに揚げます。なにもつけずに揚げるのは、ほんとうに楽です。
180℃の温度のサラダ油で揚げました。生で食べられる魚であれば、黄金色になった大正コロッケを油からあげます。
加熱しなければ食べられない魚を混ぜあわせているときは、しっかりと中まで火をとおしたほうがよいでしょう。
オカラのかわりに魚の切り身と同量のトウフ(水切りしておくとよい)を混ぜあわせたオビ天もおなじように作れます。
本式のオビ天は砂糖をいれるそうです。わたしも檀一雄も甘いのをあまり好まないので砂糖はいれず。
大正コロッケを試食します。
檀一雄の幼少時、大正コロッケにはキャベツにカラシとソースをぶっかけたものが添えられていたそうです。
お好みでキャベツを添えてください。
パッと見た印象は、揚げているのだろうかと疑うほど、素朴な香りです。
さっくりとはしておらず、ほっくりとしています。柔らかいクッキーのように、ほろりと崩れます。
あっさりとしたオカラの食感、そして、かすかに魚肉の甘さをかんじます。ネギやエビ、キクラゲをいれていなければ素朴をとおりこして、のぼうとした印象になるでしょう。
のぼうとした大正コロッケは、とびきり美味しいとは言えない味わいと食感です。
ところが、ついつい手がのびてしまう魔力をはっしています。日本人の郷愁にひびく、わびしさ、せつなさ、ものがなしさがあります。
豪華絢爛さはありませんが、豪華の反対のわびさびがある大正コロッケ。
コロッケよりも作るのが楽、魚が安ければ財布にやさしく、そして、オカラと魚で作られており健康にもよい大正コロッケです。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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