この記事は、『 檀流クッキング 』に登場するインロウ漬け・印籠漬けを作り、食べた感想を書いている記事です。
シロウリに夏の野菜や香味をつっこみ作る豪快なお漬物です。
見ためは豪華絢爛。夏の涼があふれだすサラダ。
名前にビクついたり、オソレをなしたり、材料のナニが足りない、カニが足りないなどと、戸惑うことはないのである。
引用元:檀流クッキング
シロウリに冷蔵庫にのこっている野菜をつめこめばよいのです。
また、エッセイではシロナスがなければ、印籠漬けとよべないとオエライさまは言うが、茄子をむき白くすればよいとも書かれています。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
インロウ漬け・印籠漬けの調理風景【 写真あり 】
シロウリを用意します。シロウリの両端を切りましょう。シロウリは硬いです。包丁で指や手を切らないようにご注意ください。
シロウリの両端は、2cmほど切ると書かれています。シロウリの種がつまっている場所が見えるように切ってください。
一本まるまる漬けられる容器を持っていません。そこで、シロウリは半分に切りました。
シロウリの細く黄色い種とフワフワとしたものをとりのぞいていきます。バースプーンがあれば、とりだしやすいです。
シロウリの向こう側が見えるように内部をくりぬきましょう。
シロウリに内側に塩をふり重しをしておきまいた。シロウリが柔らかくなり内部に野菜をつめこみやすくなります。
水分がでてきてしっとりとするまで1~3時間ほど放置しましょう。
夏といえばの香味野菜を用意しました。
青ジソは塩をふりかけアクを抜いておきましょう。
青ジソに細くきった野菜をのせ、塩をふりかけ、最後にくるみます。
そして、シロウリの内部につめこんでいきます。
すべての香味野菜をつめこんでもスペースがあまっているときは、茄子をつめこばよいと書かれています。
卓上漬物器にシロウリをいれ、しっかりと重しをかけ漬けこみます。
卓上漬物器で充分に重しをすると二日、三日頃、素敵なはずだ。小口切りにして食べる。
引用元:檀流クッキング
見た目が、素敵。水戸の御老公が、とりだしたとしても違和感のない印籠漬け。
シロウリの皮は、スポンジのように柔らかく。それでいて清水のようなお汁があふれてきます。
シロウリの清純な白い布団につつまれた、ヤンチャ坊主な香味野菜のお祭りともいえる風味と香りが顔をだします。
たっぷりとつまった香味野菜の香りと風味が、口のなかで炸裂します。辛・酸・酸・淡・爽、さまざまな食感がお口のなかで混ざりあい静かに溶けました。
べっとりと肌についた汗が、スッとひくような涼があります。
豪勢なサラダといえるインロウ漬け。手間とヒマがかかっているのがよくわかる料理です。提供されたひとをひるませる印籠のような御威光ある料理といえます。
パーティーでうけることうけあい。また、スパークリングワインだけでなく、ビールや日本酒、焼酎などにもあうお漬物です。
アチャラ漬
インロウ漬けの項のラストに紹介されているアチャラ漬。
こちらのほうが、はるかに作りやすく、定番の漬物になりました。
切り干し大根を用意します。2cmほどに切った大根で代用してもらってもかまいません。
切り干し大根を熱湯にくぐらせます。そして、容器にいれます。
私は昆布をひいた容器に熱湯にくぐらした大根をいれ、半々に混ぜた淡口醤油と酢をそそぎいれます。
醤油と酢の分量は、大根の半分ほどです。山椒や唐辛子をお好みでいれてください。
2~3日後から食べごろです。
しなやかにパリッとし、大根の香りと酢の酸味が混ざりあい晴れやかに爽快な口あたり。
白米とあわせてもよし、お酒とあわせてもよし、ラーメンの付け合わせにもなるアチャラ漬。
ふざけた名前に見えますが、お味はまったくふざけていない漬物。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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