この記事は、カークランド シグネチャー テネシー ウイスキーを飲んだ感想を書いています。
ストレートだけでなく、ロックや炭酸水割り、カクテルにして飲んだ感想を書きました。
コストコの商品らしい大容量のテネシーウイスキーです。アルコール度数が高いので腐りにくいです。
大容量なので、自分の舌とあわなかったらと心配になるでしょう。
コストコのテネシーウイスキーの香りと味をひとことで表すなら、ハードボイルドな味。
ポキポキと音がしそうなほどドライ。そして、スパッとしたシャープな切れ味のあるウイスキーです。
水のようにシャバシャバではありませんよ。薄いウイスキーをたくさん重ねたような濃い旨味を堪能できます。
口のなかで香りや味がふくらまないタイプのウイスキーともいえます。言い換えれば香りや味のクセがないウイスキーともいえます。
コストコの大容量ウイスキーとしては、高い部類のウイスキーです。
カークランド シグネチャー テネシー ウイスキーの特徴
原材料は、モルトとグレーン。大麦やトウモロコシなどでしょう。
アルコール分は40%。原産国はアメリカ。
カークランド シグネチャー 4 年テネシー ウイスキーは、主にトウモロコシ ベースのサワー マッシュで作られ、リンカーン カウンティ プロセスを使用してまろやかになり、滑らかで甘い味わいのウイスキーになりました。アメリカンホワイトオークの新樽で4年間熟成
引用元:コストコ公式HP
木目のようなフタ、そのフタのしたはコルクのようなものでしっかりと栓がされています。ポンッという音がしないタイプです。
コルクのフタのお酒は、上品さと高貴さがワンランクあがるように感じられます。感じますよね。
でかい瓶の横にはミゾがはいっており、指にひっかかります。しかし、でかい瓶です。2リットルのペットボトルよりも重く感じられました。
テネシーウイスキーを器に注ぐには握力と腕の力が必要になります。
ストレートで飲んだ感想
テネシーウイスキーの色はすこし濃い茶色。さらりとした粘度。グラスのフチにへばりつかない。
グラスをくるりとまわし、香りを確認する。ツンッとした透きとおった清潔な香り。すこし麦を炒ったような甘さを感じられるが、ウイスキーの香りの甘味や雑味などを削りに削りとった硬質的なシャープな香り。
無駄ひとつない純真ともいえるテネシーウイスキーの香り。
テネシーウイスキーを口にふくみ、口のなかでころがす。飲み口はまろみがあり、とろんとした粘度がある。テネシーウイスキーと舌がはじめて触れた瞬間、ぴりぴりとした刺激が舌をさす。パキパキとシンプルな辛味が舌を刺激する。
刺激はすぐにおさまる。ゆっくりと口のなかで転がす。
ウイスキーにあるピートの風味や麦の甘味、樽や木材的なウッディーな香りなどが、いっさいがっさいがない、無、ナーダ。
いや、ウイスキーといえばのしっかりとした香りと風味はある。たとえば宇宙人が訪ねてきて、ウイスキーとはどのような味だと尋ねられてとする。この、テネシーウイスキーをだすのが正解だと思う。
味や風味がないというのではない。ウイスキーの削りに削った純粋な風味と香りをしっかりと堪能できるテネシーウイスキー。
テネシーウイスキーの風味と香りは、ウイスキーのシンプルな風味と香りを何層も重ねたような十二単のような旨味がある。
シンプルで雑味のない風味と香りは飽きがこない。香りと風味に舌や鼻が疲れず、脳みそが疲労することもない。しずかにグラスのなかの液体に集中できる。静かに酔うことができる。
ハードボイルドな人間の傍らにテネシーウイスキー。
パキパキと霜を踏んだようにシャープな風味。硬質的なミネラル成分を感じられるハードボイルドな辛味。
つかいふるされた単語のドライとシャープとは、このテネシーウイスキーの味を表現するために存在していたのではと思わされた。
ロックで飲んだ感想
硬質的に冷たい氷をグラスにいれ、硬質的に辛いテネシーウイスキーをとくとくと注ぎいれる。
ゆっくりと冷やされたテネシーウイスキーは、針穴に糸を通すように研ぎすまされる。つるりとした飲み口。
ピリッとした刺激を感じ、すぅ~と胃に落ちていく。ウイスキーなのでアルコール度数は高い。しかし、雑味や風味がすくないテネシーウイスキーはするりと飲める。
スパッと刀で切られたようなシャープな後味。辛い刺激は、口のなかをさっぱりとしたものにしてくれる。
ウイスキーの研ぎすまされた風味と香りを堪能できる。それでいて飲みやすい。ウイスキーが苦手なひとでも飲めるかもしれない。
ハイボールで飲んだ感想
おおきい氷をグラスにテネシーウイスキーも注ぎいれる。バースプーンなどでしっかりと混ぜ冷やす。
氷にふれないように炭酸水を注ぎいれる。
ハードボイルドなハイボールができる。ハードボイルドハイボール。
しっかりとしたウイスキーの辛味と風味を残しつつ、炭酸水の爽快感があり非常に飲みやすい。
炭酸水のおかげで口当たりは軽い。ゆっくりと口にふくみ胃の落とす。口のなかには、炭酸水にて濾過されたウイスキーの純粋な塊を感じられる。
炭酸水で割ってもしっかりとテネシーウイスキーの風味と香りは残っている。炭酸水で割っているので飲みやすく、いくぶん辛味もゆるんでいる。
テネシー ウイスキー を使ったカクテルを飲んだ感想
テネシーウイスキーをカクテルにつかうと、辛口のカクテルを作れます。
雑味がなく特徴もすくなくウイスキーといえばの純な風味と香りともつテネシーウイスキーは、さまざまな味のカクテルを生みだしてくれました。
- オールドパル
- オールドファッション
- オリエンタル
- ゴッドファーザ
- ドライマンハッタン
- マンハッタン
- ラスティーネイル
オールドパル
- ウイスキー:20ml
- ドライベルモット:20ml
- カンパリ:20ml
氷をいれたミキシンググラスにすべての材料をいれる。材料と氷をかきまぜ冷やしたのちストレーナーをかぶせカクテルグラスに注ぎいれる。
ワインに薬草やハチミツをくわえたしっとりした甘味をかんじ、そして、赤い苦味がちかりと光る。
そのあとの味は、たとえるならば、一本の草すらも見当たらないヒビ割れた荒涼たる大地のような平な風景。
甘さと苦さを感じたあとは、地平線まで見通せる。目のまえには、なにもない荒涼たる大地がひろがる。
人生の寂寥を目のシワに刻みこんだ男がかたむけるにたるカクテル。
オールドファッション
- ウイスキー:45ml
- アンゴスチュラビターズ:一振り
- 角砂糖:1個
- 炭酸水:少量
- マラスキーノチェリー:(適量)
グラスに角砂糖をいれる。アンゴスチュラビターズを角砂糖に一振り。グラスに氷をいれる。テネシーウイスキーをも注ぎいれる。
お好みの量の炭酸水をいれ、かるく混ぜる。チェリーやオレンジなどを飾りつける。
バーボンで作るレシピだが、テネシーウイスキーで作ってみた。
鼻にふれるチェリーの赤い甘さとオレンジの爽やかな橙の香りを駆逐するテネシーウイスキーの強い香り。すこしの甘さがあるだけにテネシーウイスキーの香りを強く感じられる。
すこしの炭酸で刺激されたテネシーウイスキーが胃に落ちた瞬間。胃のひだというひだが脈打つ。刺激の強いキック感を胃にうける。
黒糖を溶かしたり、チェリーをかじったり、オレンジをかじりつつ、辛さと甘さの妥協点をさぐる。
辛さと甘さのバランスがとれたとき、辛さが禅のように静かな旨味へと転換する。なかなかクセのあるカクテル。
オリエンタル
- ウイスキー:30ml
- スイートベルモット:10ml
- ホワイトキュラソー:10ml
- ライムジュース:10ml
- マラスキーノチェリー:1個
チェリーいがいの材料を氷をいれたシェイカーにいれる。シェイクして冷やしカクテルグラスに注ぎいれる。カクテルグラスにチェリーを飾りつける。
オリエンタルに沈む夕日を想像させる色。ライムの苦味ばしった香りがつんっとくる。
飲みおわったあとに、ゆっくりと白い大輪の花が咲くような香りが口のなかに咲き乱れる。
さすがのテネシーウイスキーもホワイトキュラソーと柑橘類の香りと風味には勝てずに飲みやすいカクテルになっている。
ホワイトキュラソーの甘さは永続しない。大輪のバラの茎を日本刀でスパッと切ったようなキレがある。さっぱりとした後味。テネシーウイスキーの辛さの影響だと思われる。
ゴッドファーザー
- ウイスキー:45ml
- アマレット:15ml
グラスに氷をいれテネシーウイスキーとアマレットを注ぎいれる。そして、かき混ぜる。ウイスキーとアマレットは混ざりにくい。いつもよりシツコク混ぜるとよい。
ぬるりと杏仁豆腐のような香りのアマレット。ともすれば、甘すぎるお酒ではある。テネシーウイスキーとアマレットを混ぜあわせることで、甘さに角がうまれ、甘味が旨味へと変貌する。
テネシーウイスキーは、甘味とは無縁のハードボイルドなウイスキー。そこにアマレットをたらすことでネクタイをゆるめたダンディーな男がほがらかにほほえむ。
テネシーウイスキーのポキポキとした辛味に疲れたときにアマレットを混ぜたものを飲むとニッコリと微笑みたくなる柔和な味。
ドライマンハッタン
- ウイスキー:50ml
- ドライベルモット:10ml
- アンゴスチュラビターズ:一振り
- オリーブ:1個
オリーブ以外の材料を氷をいれたミキシンググラスにいれる。かき混ぜ材料を冷やす。ストレーナーをかぶせ、カクテルグラスに注ぎいれる。オリーブを飾りつける。
テネシーウイスキーの風味をドライベルモットが強いものにしている。テネシーウイスキーの辛い風味とドライベルモットの辛い風味が精妙に混ざりあい、オリーブの酸味すらもとりこみ、ドライなマティーニを作りあげている。
ジンで作るマティーニは、ドライベルモットの香りが気になり好きではない。テネシーウイスキーで作ったマティーニは、ドライベルモットがよい仕事をしており、テネシーウイスキーにない薬草的な風味を演出している。
テネシーウイスキーとドライベルモットの相性は、もともとひとつのお酒だったでは、と錯覚するほどよい。
マンハッタン
- ウイスキー:50ml
- スイートベルモット:10ml
- アンゴスチュラビターズ:一振り
- チェリー:1個
チェリーいがいの材料を氷をいれたミキシンググラスにいれる。かき混ぜ冷やす、ストレーナーをかぶせカクテルグラスに注ぎいれる。しずかにチェリーを飾る。
バーボンやカナディアンウイスキーをつかうレシピだが、テネシーウイスキーを使用。
カクテルの女王の名を冠するマンハッタン。テネシーウイスキーをつかったマンハッタンは剛腕な女王を想像させられる峻烈にして苛烈なお味。
フリードリッヒ2世を追いつめた3人の女性のペチコートを想像させられる強く辛く、そして気高いお味。お飾りでない強き女王といった味のテネシーウイスキー・マンハッタン。
ラスティーネイル
- ウイスキー:40ml
- ドランブイ:20ml
おおきな氷をいれたグラスにテネシーウイスキーとドランブイを注ぎいれる。ドランブイはトロみがあり混ざりにくいお酒なので、しっかりと混ぜるとよい。
王家の秘宝とよばれしドランブイとカウボーイのように荒々しいテネシーウイスキーの邂逅。
ドランブイの蜂蜜のような甘い膜が表面をおおっている。グラスを傾け飲むと、ドランブイの甘さはすこしゆるみ、よもぎのような香りもたのしめる。すこし甘すぎるドランブイがテネシーウイスキーの辛味のおかげでほどよい甘さに。甘いカクテルが苦手なひとでも飲みやすい甘さになっている。
その甘い調和のとれたバランスをときおり、袋から飛びだすキリのようにテネシーウイスキーの辛味がツンッとやってくる。
テネシー ウイスキー を飲んだ感想【 まとめ 】
テネシーウイスキーは、余計な雑味や香りのふくらみなどを削りおとしたウイスキーの純な風味をたのしめます。
削りきった純な風味は、クセがなく、ドライでありシャープであり、はなはだ辛いハードボイルドなお味です。
胃になにもない状態でテネシーウイスキーを飲んだのであれば、胃が荒れそうなほど強烈な辛味です。
テネシーウイスキーをカクテルに使うと、辛い風味のカクテルになります。
テネシーウイスキーが辛すぎると感じられたかたは、甘いお酒と混ぜてやれば辛味と甘味のバランスがとれ、辛味が甘味に転化しました。
コストコのウイスキーのなかでは、お高い部類にはいります。辛くハードボイルドなウイスキーがひとにおすすめの一本。
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