この記事は、『 檀流クッキング 』に書かれているカツオのたたきをできるだけ再現した記事です。
香ばしくあぶったカツオに、たっぷりの薬味をのせる、パタパタと叩く、ざくざくと切れば作れる大胆にして豪快、愉快なレシピです。
たっぷりの薬味をのせるのが妙です。
できるだけ再現と書いているのは、カツオの身は焼かずにデキアイのものを使ったからです。
素人が焼くよりもプロが焼いたカツオのほうが、おいしいはず。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
檀流クッキングのカツオの焼き方も引用しておきます。
私はといえば、ガスの炎を一応、魚焼きの鉄板でさえぎって、ガスコンロの左右に煉瓦を並べその上に金串でカツオを差し渡して、あぶる。
引用元:檀流クッキング
カツオのたたきの調理風景【 写真あり 】
炙ったカツオは切らずにそのままです。カツオの表面にかるく塩をふります。
そして、たっぷりの薬味をふりかけましょう。レモン、醤油、ネギ、サンショウの葉、ニンニク、青ジソ、ダイコンおろし、などなど、たくさんの薬味をまぶしつけます。
レモンと青じそ、みょうが、青ネギ、ニンニク、ショウガを炙ったカツトにまぶしつけました。
醤油かポン酢をあとからかけまわすのが好きです。
そして、たっぷりの大根おろしを追加でまぶしました。大根おろしは、粗目にすりおろせる鬼おろしを使いました。
おおきく、それでいて軽い食感の大根は、カツオの強い赤い旨味に負けません。あと、水っぽくもなりません。
パタパタと叩いたあとは、薬味ごと3cmの厚みに切りもりつけるだけです。
カツオのたたきを作っていると、まるで檀一雄の魂がやどったように勇ましい気持ちになります。
お好みで醤油やポン酢などをふりかけ、あんぐりと大きな口をあけ、薬味ごとカツオをかっくらいましょう。
しゃきしゃきとした跳ねる若い爽涼さ、ニンニクとミョウガの黄金コンビの旨味と辛味、大根おろしが指揮者のようにそのすべての風味と香りをしたがえる。
そして、ゆっくりと登場するのは真打カツオの真紅の魚肉。
ギラギラとした油は澄んでおり、しっかりと運動をしている人間のように血はサラサラ。生臭はなく、むしろカツオの皮を炙った香りが心地よいです。
カツオのたたきを『 檀流クッキング 』の記念すべき初レシピに選んだ理由が書かれています。
その第一番目に、カツオのたたきを選んだのは、やっぱり日本人として、日本の好季節の、一番痛快な、食べ物にしたかったからだ。
引用元:檀流クッキング
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
コメント