【HAYMANS】ヘイマンズ ロンドン・ドライ&オールド【レビュー記事】150年ほどの悠久の歴史に磨かれた重厚なジン

お酒レビュー

ヘイマンズ ロンドン・ドライ&オールド【 HAYMANS 】を飲んだ感想を書いています。

ストレートやロックで飲んだ感想だけでなく、ヘイマンズのドライ&オールドでカクテルを作り飲んだ感想も書きました。

ドライの味はシンプルで余計な雑味がなく辛口。オールドの味は、イギリスの伝統に磨かれた重厚な旨味。

ヘイマンズ ドライ&オールドの特徴

きわめてシンプルな王道なガラス瓶。青いラベルがドライ。薄緑色のラベルがオールド。破れているのは配達されたときから。

ラベルの上下には、ボコツと文字の凸っているの確認できる。凸文字は、ドライもオールドも一緒のようだ。SINCE1863創業、ヘイマンズを作っているイギリスと薩摩藩が戦争をしていた年にあたる。西郷どんもまだ存命中だ。

アルコール分は41度以上42度未満、と珍しい書き方をされている。40度のジンがおおいなか、ヘイマンズのアルコール度数は、ちょっとだけ高いんじゃよ。

左側のラベルの文字は、ドライもオールドも一緒。

右側のラベルは言葉が違っている。よく見るとオールドの薄緑色には細かい線がはいっている。これは仕様なのかバグなのか。

ドライの封は、青色の街頭に草がからみついているようなデザイン。

オールドの封は、エジプトかギリシャの遺跡に座っている猫が描かれている。見つめあっている猫も見ることができる可愛いデザイン。猫好きにプレゼントできるジンと言えるかもしれない。

ペリペリと封をとる。コルクのデザインは、ドライもオールドもまったく一緒。木のような材質、Hの大きい字が中央にあり、中央には花に見えるエンブレム。そのまわりをかこむように、ヘイマンズやロンドンジンのアルファベットが書かれている。

さっそくコルクをあけ、ヘイマンズのドライとオールドを堪能したいと思う。

ストレートで飲んだ感想

ドライ

キリリっという音が聴こえてきそうなぐらい、するどいジュニパーベリーの香りがしている。ツンっとしたライムやレモン系の柑橘の香りもしている。

グラスに軽くひっつくトロミ。ぐいッとドライを口にふくむ。ピリリッと舌の神経や歯茎の薄い部分を強く刺激される。アルコール度数以上に、ぴりりっと辛くキツい刺激。荒々しさやトゲトゲしい味や風味ではなく、シャーロックホームズのように紳士的、骨太、朴直な味・風味のヘイマンズ・ドライ。

飲みおわると、花びらが1枚2枚散ったような香りと、レモンのような酸っぱい酸味が、口のなかをさっぱりとさせてくれる。ヘイマンズ・ドライは、口内の汚れや雑菌を一掃し清純な状態にしてくれる。

オールド

ジョニパーベリーを何度も何度も重ねて濾過したような、ジュニパーベリーのやわらかくトロンとした香りのオールド。ジュニパーベリーの香り。

ドライより少しだけトロンとした粘度。なめらかで柔らかく、マイルドな飲み口。飲んでみると、口のどこにも、チッともひっかかることがない。

ほんのりとベリー系の甘さがある。トゲトゲしいジンを磨きに磨き、丸くなった宝石のようにエレガントでまろい味と香り。

オールドをゆっくりと飲んでいると、まぶたがトロンと落ちてきて、闇夜にまどろむ。

ドライはキリッと辛口。オールドはまろみと旨味がある。150年ほどの時代を感じることができるのはオールドだと言える。ドライはシャーロックホームズのように若くキリッとした紳士。オールドはチャーチルのように人生経験豊かな厚みのある紳士と例えることができる。

ロック

ドライ

大きい氷をグラスにいれ、ドライをどぷどぷっとグラスにそそぎいれる。1~2回、氷をゆっくりと回転させる。

時は早朝、標高1,200メートル。シーンと静寂な湖畔。まるで鏡面のように湖の水は見える。その静かで鏡面のように透明なドライのロック。ちょっとだけレモンの皮のような香りがしている、

かぎりなく透明な味。軒先にスーッとのびているツララのように鋭い辛口。

冷たく透明なドライが胃に落ちると、ドライの熱が一気に燃える。胃全体が蹴られるようなキック感があり、その熱が体に伝播していく。

オールド

ストレートよりも、ロックのオールドの香りはゆるくなっている。

花の蜜のような甘さが冷たく、悠遊と口にひろがる。ゴクンと飲むと、蜜の香りが鼻にぬけ、レモンの清涼な香りが口内に残る。

オールドをロックにすると、ゆっくりと甘さがのびている。

ヘイマンズで作ったカクテルを飲んだ感想

  • マティーニ
  • ジントニック
  • ギムレット
  • ネグローニ

マティーニ

  • ジン:50ml
  • ドライベルモット:10ml
  • アンゴスチュラビターズ:2滴

ドライ

ベルモットの香草の香りと、オリーブを漬けている酢の香りがぷ~んとくる。

飲んでみると、ベルモットの味の枠をガッシリし硬くし、味の輪郭を浮かびあがらせている。まるで、ナタのような切れ味のマティーニ。

ドライの味は無き。かなり濃い口のマティーニができた。

オールド

ドライとちがい、オールドの香りはカクテルグラスの上に存在す。

ドライの香りとベルモットの香りが混ざりあい、ゆったり濃く甘い香りになっている。ヘイマンズでマティーニを作ると、爽快というよりも、濃い味のマティーニになる。

ベルモットの風味を飴細工をように、ゆっくりのばした豊麗でしなやかな甘さがある。

ジントニック

  • ジン:45ml
  • トニックウォーター:適量
  • ライム:お好みでしぼる

ドライ

氷をいれ、ドライをそそぎ、グラスに霜がはるほど冷たくなるまでステア。

なるべく氷にあたらないように、トニックウォーターをグラスにそそぐ。トニックウォーターの炭酸がハジける。ドライのアルコール分の影響で、トニックウォートの匂いは、少しどっぷりと濃くなっている。

トニックウォーターの苦みばしった酸味のある爽快感。飲み終わったあとに、切れあるドライ感がある。ドライ感ここに有り。

オールド

オールドで作ったジントニックは、爽快感があまりない。

トニックの苦味が浩然とふかく広がる。トニックウォーターの味が御馳走になる。

炭酸系のカクテルだが、ゆっくりとトニックの味と風味を楽しみたい。

ギムレット

  • ジン:45ml
  • ライム:1/4
  • シュガーシロップ:適量

ドライ

材料をすべてシェイカーにいれ、シェイクして作る。材料はシンプル。それだけにバーテンダーの腕が問われる。いかせんせん作者は素人なので、素人が作ったギムレットの味の評価となる。

ライムのくっきりした清涼な香り。氷で冷やされた水はスルッと口当たりがよく飲みやすい。ヘイマンズ・ドライとシュガーシロップをいれることで、ライムの酸味と香りがひきたつ。ほっぺあたりに少し汗がふきでた。

飲み終わったあとには、ランドセルを背負った小学校1年生の子が、腹に特攻してきたぐらいのキック感がある。飲みやすいが後味は極めて辛し。

オールド

ドライで作ったギムレットと比べると、オールドで作ったギムレットはどっぷりと旨い。ライムの香りや酸味よりも、ギムレットの風味がまさっている。

ヘイマンズ・オールドの悠久の歴史を見てきた重厚な香り・旨味に、ライムの香りが従者のようにつきしたがう。

飲みやすくキック感のあるドライのギムレット。ゆっくりとグラスをかたむけジンの味を楽しめるオールドのギムレット。

ネグローニ

  • ジン:20ml
  • カンパリ:20ml
  • スイートベルモット:20ml

ドライ

ジンとカンパリ、ドライベルモットを同じ分量グラスにいれ、大きな氷をいれる。グラスがきんっと冷えるまでステア。

薄赤色の朝焼けか夕焼けのように見えるネグローニ。ある貴族が考えだした食前酒。たしかに食欲のない日でもネグローニを飲めば、食欲がサダ子のように胃から這い出す。

カンパリの鮮烈な苦味、のほほんとゆるいスイートベルモットの甘味。出汁に醤油をいれたら、味がくっきりするように、ヘイマンズ・ドライをいれることで、苦味と甘味がくっきりとする。飲み終わると、舌のコケが洗い流され、料理の味をくっきりと感じることができる気がする。

オールド

ドライではヘイマンズの存在は消えていた。オールドで作ったネグローニでは、ヘイマンズ・オールドの味は生きている。

強烈なカンパリの苦味と、真っ向から対立するオールドの重厚な味と風味。ベルモットの甘味は二つのお酒の味の支流になっている。

カッとしたカンパリの苦味がきて、その後ベルモットの甘味とオールドの旨味がじわじわと口のなかを侵食する。

ゆっくりとグラスをかたむけていると、夕陽が沈み、ディナーの時間になる。胃の調子もよく、むらむらと食欲もわきあがっている。

カンパリカクテル

  • ジン:30ml
  • カンパリ:30ml

ジンとカンパリ、氷をミキシンググラスにいれ、ステアし冷やす。カクテルグラスにそそぎいれる。ネグローニより、鮮烈な赤色を楽しむことができる。

またスイートベルモットを抜くことで、さらに苦くなったカンパリの味を楽しめる。二つの味をくっきりと楽しめることができる。

ドライで作ると激辛め。オールドで作るとやや苦味がまろやか。

ジンアンドイット

  • ジン:30ml
  • スイートベルモット:30ml

ジンとスイートベルモットをグラスに同量いれる。摩天楼のオフィスビルから下を見ている役者さんがよくやっているように、グラスをくるくると回す。それだけで作れちゃう原始的なカクテル『 ジンアンドイット 』

スイートベルモットのおかげで、ドライの辛味の角がとれまろみを帯びている。

オールドで作ったジンアンドイットは、かなりお高いトロッと甘いブランディーのようだ。ゆったりと濃く甘い。噛むことができそうな甘さと旨味。

ヘイマンズの二つのジンの違いがくっきりとでる。あなたはどっちがお好み?

ヘイマンズ・ドライ&オールドを飲んだ感想【 まとめ 】

ヘイマンズは100年以上の伝統のあるジン。長く愛されるだけの味はある、と思いました。

ドライは余計な雑味がない、キリッとした辛口。オールドはジュニパーベリーを何層も重ねたような優雅な旨味があります。

ドライで作るカクテルは辛口。オールドで作るカクテルはオールドの旨味が主役になる、そんなカクテルができます。

ヘイマンズはそれ自体がおいしいです。カクテルに使うのあれば、ジン以外の材料は2種類ほどに収めるのがよいでしょう。

ヘイマンズは歴史の長いジンですが、お値段はお安いので常飲ジンにもピッタリ。ジン好きには一度試してもらいたいジンでした。

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