この記事は、『 檀流クッキング 』で紹介されているイカのスペイン風、中華風を作り、食べた感想を書いています。
イカのスペイン風は、イカの船(軟骨)とクチバシだけはずし、あとはザクザクと切り炒める陽気で豪快なスペイン料理。
中華料理は、エビ油で白いイカを炒める淡泊なれば味わい深い広東料理風の炒めものです。
スペインでも中華でもイカはさっと炒めるのが肝要とのこと。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
イカのスペイン風、中華風の調理風景【 写真あり 】
スペイン風
イカの船(軟骨)とクチバシをはずします。目玉もはずしておいたほうがよいでしょう。
イカスミの袋はとらずに、そのまま使います。
ザクザクとイカを切り、イカの液体エキスごとボウルにいれましょう。
塩をふり、白ブドウ酒をまわしいれ、バターとサフランをくわえました。サフランを料理にくわえると、スペイン料理になると言えるかもしれません。
ツァルツェラをのぞき、檀流クッキングのスペイン料理にはサフランがくわえられています。
サフランがなくとも、塩とコショウ、お酒だけで結構だと書かれていますのでご安心ください。
フライパンにオリーブオイルをしき、包丁でたたいたニンニク、唐辛子をくわえます。
強火にかけます、白い煙があがった瞬間にイカの混ぜあわせたものを加えます。猛烈に水分が跳ねますのでご注意ください。
テフロン加工のフライパンをお使いのかたは、中火で料理してください。テフロン加工がはげますよ。
イカのタンパクがかたまり、赤く色づくまで炒めます。
バターの旨みとコクはすこし濃いように感じられました。バターをくわえるよりも、しょっつるやナンプラーなど魚醤をくわえるのを好みます、私は。
ニンニクと唐辛子はとりだしてもらってかまいません。
ドロドロと得体のしれない料理のように見えることでしょう。
香りを伝えられないのが残念です。淡泊なイカの香りが、凧あげのように優雅に飛びまわっています。
イカスミはまったく臭くありません、それどころか淡泊なイカの風味を厚く濃くしています。
イカスミをはずすのが、メンドくさい。そんなひとは、イカスミごと炒めればよいのです。
パスタとの相性もよいです。
中華風
中華風は、イカの胴体の白い部分だけを炒めます。あまりゴタつかせず白くしあげるためです。
イカの紫色の皮をはがします。
3cm~5cmほどの短冊に切り、片方に包丁で切れめをいれます。はしっこまで切ってはいけませんよ。
半分ほどまで切れめをいれると、炒めたときにイカの短冊が人間の手のように開くのです。
切れめをいれた短冊のイカに下味をつけておきます。エビ油とニンイク、ショウガ、お酒をふりかけ15分ほどつけこんでおきます。
片栗粉を水にくわえ混ぜあわせておきました。あとでトロみをつけやすくするためです。
フライパンに油をしく、さて、この油なのですが、香りのよいゴマ油かエビ油がよいように思いました。
唐辛子はいれるように書かれていません。趣味です。
温まったフライパンに白いイカをいれ、サッと炒めたのち、片栗粉をいれた水をくわえれば出来上がりです。
イカの表面1mmほどはサクリとした食感。中央は蒸し魚のようにほわりとした清潔で潤とした旨みがあります。
ニンニクとショウガのかぐわしい香りのする白いイカの舞台。
その舞台のうえを紅いエビの風味が旗をたて行進しています。
シンプルなおだやかな味付け、それでいて噛むと広東料理の奥義ともいえる柔らかく味わい深い風味を堪能できます。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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