この記事は、『 檀流クッキング 』で紹介されている「ポークチョップ を再現し食べた感想を書いている記事です。
オランダの酒場で食べた料理を日本で再現したレシピです。酔っ払いながらも食材をみわけ、味をおぼえる味覚はさすがと思いました。
こってりとした豚の旨味にあんずの爽やかな酸味をくわえたポークチョップです。
どっぷりと暑い日本の夏でも食べられそうなほど爽快な味です。豚肉は夏バテにきくと言われています。
オーブンを使うレシピです。魚焼きグリルで焼きあげました。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
ポークチョップの調理風景【 写真あり 】
あんずだけでなく黒胡椒やコリアンダー、オースパイス、クローブなどの香辛料をいれるように書かれています。
よっぽど繊細な舌をおもちのかたでなければ香りと味の違いはわからないでしょう。あんずと黒胡椒があれば上々。
豚肉の塊を用意します。正方形ではなく、長方形状の豚肉が調理しやすいです。
豚肉の厚さは、お高いトンカツ屋さんほどの厚みが理想です。
豚肉に黒胡椒やオールスパイス、コリアンダーをふりつけます。さらに塩とすりおろしたニンニクもまぶしつけます。
フライパンにバターをいれ強火にかけてください。バターがとけたころあいを見計らい香辛料をまぶした豚肉の両面に焦げめをつけましょう。
フライパンの火をとめ、焦げめをつけた豚肉をとりだしておきましょう。
バターをいれたフライパンにタマネギ1個をみじん切りにしたものをいれ弱火で炒めます。
タマネギがしんなりとしてきたら、トマトピューレとクローブをフライパンにくわえます。トマトピューレにとろみがつくまで弱火で煮つめました。
あとから考えたのですが、豚肉を焼いたフライパンでタマネギを炒めソースを作ればよかったと思いました。豚肉の脂もムダになりません。
オーブンや魚焼きグリルにいれられる耐熱容器に両面を焼いた豚肉とトマトソースをいれます。
パン粉をまんべんなくふりかけ、あんずの実もちらしましょう。
あんずがないときは、白ワインにつけた干ぶどうが代用できると書かれています。
表面に焼きめがつきパン粉のよい香りがしてきたら皿を一度とりだします。火傷にはご注意を。
そして、生卵を割りいれ半熟になるまでオーブンや魚焼きグリルで焼きあげます。
オランダではアンディーブをつけあわせていたそうです。
インゲンマメのバターいためと白米でどうだろうか、と尋ねられます。インゲンマメは割愛。
もうもうと陽気な白い湯気がたつポークチョップです。容器も温められています。ほかほかでご機嫌です。
豚肉のとろけるような甘い香りと、あんずの清雅ともいえるすっぱい香りが混ざりあっています。
豚肉の巨大な香りに、可憐なあんずの香りは一歩もひけをとっていません。
豚肉を切り口にはこびます。火傷には注意してくださいね。豚肉の質にもよるのでしょうが、噛みごたえのある肉質です。
豚肉の表面は、あんずとトマトの酸味のおかげでさっぱりとした口あたりです。
豚肉が裂け、その裂けた豚肉とあんずの香りと酸味が精妙に混ざりあいます。甘いと感じるギリギリの甘さです。
豚肉からは、トマトの旨味の素グルタミン酸や弱火で炒めたタマネギのこうばしい風味、豚肉の脂の風味が「わ~っ」と声をあげ豚肉からしみでてきます。
香辛料も仕事をしているのでしょうが、あんずが大活躍しすぎており香りと風味をあまり感じませんでした。
さて、個人の見解になりますが、白米にのせて食べるには甘いと感じました。
もう少し辛さがほしいです。
パスタにのせるとイケました。
しかし、豚肉だけで食べるのであれば、あんずと豚肉の相性はパイナップルよりもよいものだと思わされました。
酢豚にあんず、いかがですか。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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