この記事は、『 檀流クッキング 』に書かれている梅干の漬け方を再現した記事です。
漬けこむ時間はかかります。しかし、調理時間は短いです。
梅干を作りあげてしまえば、末永くぽってりと赤い梅干をたのしめます。
また、こざっぱりとした梅酢も副産物として作れるのです。
梅を漬ければ、梅酢だけでなく様々な料理にも使えます。
私の方法は、多少しょっぱくても、漬けるのは漬けないに勝る。その漬け方も、大いに手数をはぶいて簡単にやらかせ、というわけだから、梅、ラッキョウの漬け込み入門には、私の方法が一番よろしく、あとは楽しみながら、だんだんと深入りして、さまざまにやってみるがよいだろう。
引用元:檀流クッキング
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
梅干の漬け方【 写真あり 】
梅4kgにたいして、塩は1,2kgと書かれています。
お店がひらけそうなほどの分量です。
2kgの梅を用意し、600gの塩で漬けこみました。
梅を漬けるまえにヘタはとっておきました。
ヘタをとった梅を水に一晩つけておきましょう。梅のアクを抜くためと書かれています。
水につけておいた梅を保存容器にいれましょう。ぬれたままでかまわないと書かれています。
塩600gと梅をしっかりと混ぜあわせましょう。
はじめは軽めのオモシをのせます。しばらくすると梅から水分がしみでてきます。
徐々に重いオモシにかえ、梅から水分をしっかりとだしましょう。
梅からしみでた水分に梅がつかっていると腐敗しにくいです。
赤シソがでまわるまで梅を漬けこんでおきます。
赤シソがでまわる時期になりました。500gの赤シソを水で洗い、塩でもみこみます。赤シソから濁った赤黒い液体をしぼりだしましょう。黒い色素がのこっていると梅の色がはえません。
黒い液体がでなくなった赤シソを梅がはいった容器にいれます。透明だった液体が、パッと赤くなります。
土用のころに梅をほします。天気予報を確認し梅と赤シソを日光にあてほしましょう。
夕方になれば日光にあてた梅と赤シソを梅酢がはいった容器にもどします。
夜通し梅をほす作り方もあります。お好みの方法にて梅と赤シソをほしてください。
快晴の日に、これを三日ばかり繰り返すと、梅の実の皮も、肉果もやわらかく、しみじみとした梅干が出来上がるのである。
引用元:檀流クッキング
梅酢とは別の容器にて保存する方法と梅酢のなかにいれ保存する方法のふたつがあると書かれています。
梅酢にいれて保存するとやわらかい梅干になります。お好みの方法で梅干を保存してください。
日の丸弁当に。
うどんに。
お茶漬けに。
チャーハンに。
あげくのはてには、果肉をむしりとった梅干の種を水につけておけば天然のスポーツドリンクになります。
熱中症対策にまことピッタリの飲み物です。
小粒の梅もつけられます。
塩分のパンチのよくきいた小さい梅干です。
檀一雄の代表作のひとつ『 火宅の人 』のあとがきを書いた水上勉の梅干レシピも書いています。
文豪は、梅干をつくりたがるのでしょうか。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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