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日本海の豊穣な海に磨かれた調味料いしりレビュー いしりを使ったレシピもご紹介【パスタやチャーハン、焼きそば、干物、煮もの、漬物など】

商品レビュー

この記事は、いしりをなめた感想を書いています。

いしりを一言で表すならば、液体になったイカの塩辛です。

イカの塩辛の風味と香りをそのまま黒い液体にしたものだと感じました。

イカを使ったいしりは、日本三大魚醤のひとつです。

魚醬好きであれば、顔をニンマリとほころばせること間違いなしの風味と香りです。

いしりを使ったレシピも紹介しています。

いしりをいれるだけで料理の味と香りが濃く厚くなったと実感できます。

イカ好き、魚醤好きな人は手放せなく魅力がつまったいしりです。

いしりをなめた感想

いしりはイカの内臓と塩だけで作られた調味料です。

化学調味料いっさいなし。イカも国内産のものを使っています。

いしりを小皿にいれました。

フタをあけた瞬間、イカの香りがこぼれだします。

イカのスミ袋から内臓までを熟成させた香りです。

新鮮なイカで作るイカの塩辛の一夜漬けのような若々しい香りも感じました。

いしりの色は、醤油ほど漆黒ではありません、淡い黒色です。

黒豆を煮た色によく似ています。

いしりの粘度は、すこしだけねっとりとしているように感じました。すこし濃く造られた醤油ほどの粘度です。

いしりをなめると、とろりとしています。ドキマギとした塩辛さはありません。

こなれてまろみをおびた塩辛さです。イカの淡泊なタンパク質、イカの内臓の栄養が塩分と混ざりあい塩の結晶の角がとれたようなまろやかです。

旨みがたっぷりだと感じられるのはイカのおかげでしょう。新鮮なイカで作られた塩辛のような新鮮さと、熟成されたふくよかな旨み、ふたつの反発するものが黒い液体のなかで手をとり混ざりあっています。

魚醤のなかでトップクラスだと感じられる味の深さと濃さだと感じました。

それだけに、魚醤初心者さんにはキビしい香りともいえます。

裏を返せば、いしりはイカ好き、魚醬好きには自信をもってオススメできる調味料といえます。

いしりを使ったレシピ

一夜干し

いしりを魚のひらきがつかる量の水にいれます。香りと濃度は調整してください。

塩分だけをたしたいひとは、塩をいれましょう。

3時間ほど魚のひらきをいしり汁につけておきます。

いしり汁に漬けた魚のひらきの水分をふきとり、太陽と風でかわかします。

お好みの乾燥具合になれば、いしり風味の一夜干しの出来上がりです。

いしりに漬けた一夜干しを焼くと、白い煙が黒くなったように感じられるほどの香りがたちのぼります。

いしり汁の旨みと香りは、イカの触手が忍びこむように、魚の細胞のなかにはいりこんでいます。

魚を乾燥させただけでなく、いしりの旨みまでもが凝縮されているように感じます。

いしり汁に魚のひらきを漬けるだけで、旨みたっぷりの魚のひらきになりました。

白い白米のうえに、よく熟した魚をのせ、熱いお茶漬けにするといしりの香りと風味がよみがえります。

いしりで作った魚のひらきを白米にのせキュウリなどの香味野菜をいれ水をブッかければ冷汁になります。

いしりの旨みのおかげで、味噌や出汁が必要ない、それほど旨みのある魚のひらきです。

いしりの誘惑

ジャガイモを細く切り蒸します。

耐熱容器に蒸したジャガイモをいれ、いしりとアンチョビ、お好みでチーズやパン粉、牛乳、生クリームをいれてください。

オーブンや魚焼きグリルで焦げめをつけてください。

ほくほくのジャガイモにイカとイワシの旨みが、猛烈な勢いでしみこんでいきます。

そして、すこしジャガイモが焦げると、焦げた部分から食欲を刺激し、あなたをトリコにする香りがたちのぼります。

ジャガイモとイカの塩辛の相性がよいことはご承知のことでしょう。イカの塩辛とよく似た風味のいしりもジャガイモと相性がよいです。

イカの塩辛にあるヌルリとした食感がなく、ジャガイモの甘味とイカとイワシの旨味の対比にうっとりとさせられます。

ピサラディエール

ピサラディエールとは、南仏の料理です。

パイ生地のうえにキツネ色のタマネギとアンチョビ、オリーブをのせて作る料理です。

そこにいしりを追加しました。古代ローマ帝国時代、すでに魚醤は作られていました。

イカの魚醤があったかは謎です。もしかしたら、シーザーも食べたことのない御馳走をいしりを使えば食べられるのです。

パリッと焼けたパイ生地。パリッとした音にまけないイカの香りがパイのうえには漂っています。コイのぼりのように、イカの香りがたなびいています。

カレーの味の土台になるタマネギの甘味と風味が、さらに奥ゆかしいものに。

南仏の香りと、北陸の香りが見事に溶けあい混ざりあっています。

いしりとアミ漬け

いしりとアミ漬け、そしてお好みの野菜を用意します。

昆布や唐辛子もあると味わいがにぎやかになります。

白菜を食べやすい大きさに切ってください。そして、いしりとアミ漬けと混ぜあわせます。

白菜の重さの3%のいしりとアミ漬けをいれました。いしりとアミ漬けを合計して、白菜の重さの3%です。

1日ほど冷蔵庫で寝かせれば出来上がりです。

白菜の純な甘味が、いしりとアミ漬けによって強調されています。そして、甘いだけでなく、半月ほど熟成された漬物の香りと風味も感じられます。

白菜といしりの漬物は、ニンニクと豚肉と炒めるのも楽しいものです。

旨味と酸味のバランスが精妙です。

ニンニクと魚醤の相性はバッチリ。鼻にガツンとくる香り、舌をトリコにする旨味を堪能できます。

鍋料理の具材にもなります。ネギなどの香味野菜をたすと爽やかなお鍋になります。

いしりを調味料として鍋を作ってもらってもかまいません。濃い味の鍋を作れます。

キュウリでも漬物は作れます。

キュウリの割れるような鮮烈な食感。じわじわと舌にのる旨み。ご飯とお酒、どちらもすすむ一品です。

豚肉炒め

炒めたニンニクといしりを混ぜると、危険です。

あなたのハートをがっちりとつかむ暴力的で蠱惑的な香りにつつまれます。

ジメジメと暑い日本の気候にやられた人の食欲ですら蘇らせる、そのような魔力のある香りと旨みです。

そこに豚肉をくわえれば夏バテしらずの体に。

エビ炒め

ニンニクを炒め香りをひきだしたのちエビをくわえ炒めます。

エビの殻が赤くなれば、いしりをフライパンにそそぎいれます。イカとエビの香りが跳ねます、そして、油も跳ねるのでご注意ください。

淡泊なエビの味わいが、ぴょんっ濃くなっています。東南アジアでふるまわれるエビ料理のようにエスニックな味わいになります。

東南アジアも魚醤が有名だと思い出しました。

タイカレー

タイカレーのレトルト食品や缶詰にいしりをたらすと、それだけでタイのお味にちかづきます。

すこし風味がものたりなと感じられたタイカレーにいしりをたらす、強くおすすめします。

豆腐炒め

低カロリーな豆腐。いしりを使いしっかりと手ごたえのあるレシピを作りました。

ねっしたフライパンに油をひき水気をきった豆腐を炒めます。いしりとチリソースをくわえ炒めあわせます。

タバスコなどの辛い調味料をいれてもらってもかまいません。

豆腐の淡泊な味が、もっこりと盛りあがっている黄身のような濃い味になります。

里芋の煮もの

イカの姿も形も見えない、けれども、ねっとりとした里芋からイカの香りがこぼれだしている。

いしりをいれると、イカの姿を忍者のように隠せます。

純朴な里芋の味が、洗練された風味になります。シンプルな味付けながら、里芋の朴訥とした味わいをいかしきっているではありませんか。

里芋の味わいをよくするために醤油や砂糖、みりんなどをたっぷりといれる必要はありません。

いしりをいれるだけでよいのです。

ひじき

ゴマ油をひいたフライパンでひじきとニンニク、お好みで細かくきった唐辛子を中火で炒めます。ひじきの水分をとばしきったら、いしりと日本酒をフライパンにいれます。

そして、いしりを熱しこうばしい香りとひじきとを混ぜあわせてください。

ひじきを器に盛りつけます。お好みでゴマや黒胡椒、お酢などをふりかけてください。

甘辛くないひじきです。イカの風味と辛味のあるひじきはビターな味わい。

ちりめんじゃこ

醤油のかわりにいしりを使ったちりめんじゃこ。

ちりめんじゃこは大好きです。

これほどの厚い旨味をもったちりめんじゃこを知りません。じゃこ一匹一匹が、大魚になり悠遊と泳ぎまわりアミノ酸をたっぷりと蓄えたような旨みが口中にひろがります。

海の最小単位のじゃこを黒いイカの液体がおおきく育てあげています。

そして、ピリッとした山椒が口中を爽やかなものにしてくれます。

きんぴら

いつものきんぴらを作ります。醤油ではなくいしりをくわえます。

いしりをくわえたきんぴらは、まるでイカなどの魚介類をいれたような風味と香りになります。

レンコンやゴボウの滋味ある香りや風味をおおいつくすイカの旨味と香り。

いつものきんぴらの味と風味の殻をブチ破れます。

長芋のすりながし

長芋をすりおろします。

出汁をとりくわえます、ふつうは。いしりがあれば、出汁はいりません。

いしりをくわえるだけで、濃い出汁をいれたように白く淡泊な長芋の味がふくらみます。

味がふくらみすぎたときは、清冽な青のりをふりかけてください。香りと風味がひきまります。

ひっぱり汁風

いしりを納豆にくわえます。サバの缶詰をいれる必要がないほどの魚介的な香りになります。

いしりと納豆を組みあわせた湿ったように潤とした風味と香りには、異様な迫力を感じさせられます。

ぬくぬくの白いうどんを納豆につけると、風味と香りが器からこぼれだしました。

白い淡麗なうどんに、異様な迫力のある納豆がまとわりついている姿には艶があります。

ぬるりとした日本海の夜のように深沈とした旨味のあとにおとずれる、白く輝くうどんの明るさ。

明太子パスタ

明太子には、醤油よりも魚醤をいれたほうが味わいがよくなると思っています。

明太子のちいさい卵のなかに、いしりの旨みを注入したように味わいが濃くなります。

海産物の組みあわせはバツグンです。

チャーハン

いしりをいれるチャーハンは、あまり濃くしあげない。ほんのりとイカの香りが漂うぐらいの量におさえるのが吉です。

広東料理のように清廉、かつ淡泊な味わい。はらりとしたチャーハンはほどけます。

さっぱりとしているだけではない、人を惹きつける風味と味はしっかりとあります。

焼きそば

いつものように焼きそばを作ります。

そこにいしりをくわえます。

たしかに味わいは濃くなっているように感じられますが、ソースの味がまさっているように感じました。

一味ちがった焼きそばを作れます、いしりをいれると。

いしりを食べた感想【 まとめ 】

いしりの香りと風味の強さ、厚さ、濃さは魚醤のなかでもトップクラスのものだと思いました。

新鮮なイカの塩辛のような清潔な香り、熟成されきったイカの旨みが混ざりあっている調味料です。

調味料としていしりを料理にたらすと、イカのエンペラがひらくように、香りと味がひろがります。

パスタやチャーハンなど王道なレシピから、アンチョビをつかうヤンソンの誘惑などにも利用できます。

また、魚のひらきをいしりに漬けてこんで作る一夜干しは絶品です。いしりの香りと風味のない一夜干しではモノタリナイと感じられるようになるかもしれません。

魚醤好きであればニンマリとする香りと旨みです。魚醤の香りが苦手なひとは。

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