この記事は、『 檀流クッキング 』で紹介されているスウェーデン風 馬鈴薯の蒸し焼きを作り、食べた感想を書いています。
作り方はとても簡単。
ジャガイモとタマネギ、生クリーム、アンチョビをオーブン、もしくは魚焼きグリルで焼きあげるだけ。
禁欲している坊主ですら我慢できずに食べてしまうほどの香りがあり、アンチョビがよい仕事をしておりジャガイモの味わいが深く厚くなっています。
生クリームがない、そんなときは牛乳とバターを混ぜれば生クリームの風味に近づけられます。
アンチョビがない。そんなときは、檀一雄の言葉を聞きましょう。
カツオの塩辛や、アミの塩辛を使って、ちゃんとつくり上げるのですゾ。
引用元:檀流クッキング
アミの塩辛をいれると、ちょいと乙な味になります。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
スウェーデン風 馬鈴薯の蒸し焼き調理風景【 写真あり 】
ジャガイモ5つにタマネギ2つの割合と書かれています。
分量にコダワル必要はないように思いました。
ジャガイモの皮をむき、細目の短冊に切り水に漬けておきます。
ふだんは、ジャガイモの皮をむかずそのまま食べる流儀です。
タマネギをミジンに切り、バターをひいたフライパンで炒めます。弱火でゆっくりと炒めましょう。
キツネ色になるまで炒めたほうが、甘くなり、味に奥行がうまれます。
炒めたタマネギとアンチョビを混ぜたのち耐熱容器にしきつめます。
つぎにジャガイモをタマネギのうえにのせていきましょう。ジャガイモをうえにしたほうが、焦げた香りがつき、さらに揚げたような食感をたのしめます。
生クリームにアンチョビを混ぜ、容器に流しこみます。100ccほどの生クリームを流しこみました。
生クリームだけでは、お上品になりすぎると思います。アンチョビをくわえるのが妙です。
さらに、ジャガイモのうえに黒胡椒とバターを散らします。ジャガイモとバターの相性がよいことは言うまでもありません。
そして、塩辛とジャガイモ、バターの相性がよいことも周知の事実。そこに生クリームとタマネギもくわえているのですから、それはそれは。
飛びでたジャガイモが狐色になり、角はすこし焦げるまでオーブン、もしくは魚焼きグリルで焦げめをつけてください。
焦げめをつけたあとから、あまった生クリームをかけまわし、余熱でしあげるとさらによい風味になると書かれています。
机のうえに置くと、目で確認できそうな、かんばしく濃い香りが立ちのぼっています。
その香りは、こうばしさと、クリーミーさ、そして、熟成された海の風味が重なった香りのミルフィーユ。
禁欲している坊主ですらも禁をやぶり、むさぼりたくなる香りです。
パリッとした表面、生クリームとアンチョビ、タマネギが混ざりあったホワイトソースを混ぜながら食べると、極上のラザニアやマカロニを食べているように感じられます。
焼きあげられる状態にしておけば、5分から10分ほどで熱々の馬鈴薯の蒸し焼きを作れます。パーティー料理にたいへん重宝します。
じじつ、スウェーデンではパーティー料理として重宝されているようです。
耐熱容器に四方八方から手がのびます。その様子はまるでアマゾンの猛魚。
アッというまに容器が空になるでしょう。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
コメント