この記事は、スーズ SUZE リキュールを飲んだ感想を書いています。フランスで造られている黄色いリキュールです。
ファイトイッパツでおなじみのエナジードリンクとスーズの色は同じです。
ピカソを筆頭に数々の芸術家たちが愛飲していたリキュールです。
日本の食材や飲料では経験したことない超ド級の苦さを体験できます。
この苦さが、数々の芸術家たちのインスピレーションを刺激してきたのだなと凡才は思いました。
アルコール分は20度です。
一般的なリキュールとほぼ同じアルコール分です。
スーズを使いカクテルを作り飲んだ感想も書きました。
スーズ・SUZEを飲んだ感想
ストレート
金色に輝くエナジードリンク色をしたスーズ。
スーズを光にかざすと、霧をとおして見る太陽のような煌めきがあります。
さらりとしており、水のような粘度です。
すっきりとした静寂な香りです。木の根っこや様々な香草を蒸留して濾したように透きとおるように研ぎすまされた冷たい苦い香りがグラスのうえに漂っています。
さて、スーズを口にふくんでみましょう。
ピカソが描いた絵画のような顔になるほどの苦味に襲われます。
日本では味わえない超ド級の苦さです。いままで飲んだハーブリキュールのなかでもっとも鋭角的な苦さです。
木の根っこを煮こみたくり、そこに苦い薬草をたっぷりとブチこみ、さらに煮こみ濾した舌につきささる暴力的な苦味です。
ヨモギから甘味をのぞき、ゴボウのエグミをひきだし混ぜあわせたような苦味とでも申しましょうか。
この苦さのおかげで、歴史にのこる様々な芸術作品が産まれたのかもしれないと思いながら苦味にたえながら、スーズをちびちびとなめていると、ふと気づくのです。
口中に苦味がない、と。いや、それどころか雑味もエグミもなにも感じない、清涼とよびたくなる清い空間が口中にひろがるのです。
苦味になれたのか、麻痺したのか、わかりませんが、スーズの苦味の先にあるものは、香りも風味も一切合切を削りとった純な爽やかな空間があらわれます。
苦味を越えたさきの純な爽やかさの中には、苦難の先にたどりつける恍惚とした快感があるのです。
苦味の先にある純な爽やかのなかにふくまれる恍惚とした快感にひたりたいがために芸術家たちはこぞってスーズを飲んだのでしょう。
苦い、エグい、と書きつらねてきましたが、スーズを飲みおわりしばらくたつと、ふとまたスーズを飲みたくなり左手がうずうずと動きます。
スーズを一度飲んでしまうと、あの超ド級の苦さがなければお酒じゃない、と思わせる魔力があります、スーズには。
もしかしたら、ワタシはマゾなのかもしれないと人は考えるのです。
Amazonレビュー
甘苦いお酒です。
イェーガーマイスターやカンパリと比べても
すっきりとした味で飲みやすいです。
個人的にはシンプルに炭酸で割って飲むのが好みです。あるバーでピカソも愛飲したリキュールと教えてもらいトニック割りで試したところ、ハマってしまいました。木の根のニュアンスが程よく、カンパリのようにエグくもないので爽やかに飲めます。ただ、何も着色料を使わなくても良いのにと思います。食前か食後に如何でしょうか。美味しいです。
引用元:Amazon
スーズとカンパリの比較
苦いリキュールの代名詞ともいえるカンパリとスーズをくらべてみましょう。
苦味はスーズの勝ちです。カンパリはすこし柑橘系の酸っぱさがあります。
スーズは薬草と根っこ100%といった印象です。
カンパリは後味がのこりません。スーズは飲んだあと余韻がつづきます。
ダイレクトに胃をキックするのはカンパリです。ゆっくりと胃をキックするのはスーズです。
この二つを飲みくらべていると、体のなかに薬効成分がしみわたり目がバッチリと覚めてきます。
トニックウォーター割り
公式スーズもおすすめの飲み方トニックウォーター割り。
トニックウォーターといえばジントニックがもっとも有名です。
トニックウォーターをもっとも苦く飲む方法、それがスーズのトニックウォーター割り。
トニックウォーターにいれられているキニーネの薬効成分が、スーズの薬効成分と混ざりあい屋久杉の根っこのようにムクムクと盛りあがります。
その薬効成分の苦いこと苦いこと。爽快をとおりこした苦さです。
苦味をともなったトニックウォーター割りを飲みおわると、歯医者で歯石をとってもらったように口中がスッキリとしています。
水割り
スーズを水で割りました。
驚くことに、すこしだけ苦みはゆるみました。が、ほんのちょっとだけです。
ストレートで飲んだ苦味と遜色ない苦味をたのしめます。
アルコール分は減っています。アルコールに弱い人でもスーズの苦味をたのしめる水割りです。
グレープフルーツとトニックウォーター
グレープフルーツジュースをたすレシピもあります。
グレープフルーツの白いモヤモヤとした部分にあるような苦味がふくらみます。
スーズとトニックウォーターのキニーネの苦味と混ざり、あまりの苦さに汗がひく、それほどの苦さです。
ベトベト、ネトネトと暑い日本にぴったりのカクテルかもしれません。
炭酸水割り
スーズを炭酸水で割りました。
炭酸水が硬質化しているように感じるのです。炭酸水の泡が痛い、はじけると苦味をともなった衝撃に襲われます。
スーズの苦味はそのままです。炭酸水の爽快感のおかげで、苦味がクリアになっています。
ビール割り
ビール割りはいいですよ。スーズの苦味をしっかりと活かせるの飲み方です。
ビールにスーズをたらすと、まんべんなく苦味がひろがり、ホップをたっぷりときかせ、薬草をたっぷりといれたような味わい深いクラフトされたようなビールに変身します。
苦くなければビールでない、そのように考えられているかたにピッタリ。
白ワイン割り
白ワインにスーズをすこしたらしこむと、白ワインの風味と香りを額縁にいれたようにくっきりと浮かびあがります。
ベルモットなど薬草をいれた味わいによく似ています。
苦味のおかげでドライになり、後味がスパッときれ爽快です。
では、赤ワインもいけるのではと思われたあなたは甘い。スーズを飲んで苦味を勉強していただきたい。
赤ワインのタンニン的な苦さが、暴力的にふくらみます。
牛の皮を煮たような酸味とでもいいましょうか、赤ワインが一気に酸化したような酸っぱさとスーズの苦味の両輪が暴れまわります。
スーズ・SUZEを使ったカクテル
スーズオレンジ
氷をいれたグラスに、スーズとオレンジジュースを注ぎいれ冷やしました。
スーズをいれる割合によりますが、オレンジの余計な甘味をばっさりと刈りとり、さっぱりとした味わいです。
オレンジの甘さの隠し味になっています、スーズは。
スーズとジンとライム
スーズとジン、ライムジュースを氷をいれたシェイカーにいれシェイクしグラスに注ぎいれました。
ライムの青い苦さが、転がるように増大しています。スーズの苦味は、ライムの青く苦み走った爽快感と一体化しています。
ギムレットから甘味をぬく、苦みをきかせたカクテルです。
スーズとジンとアンゴスチュラビターズ
1滴でも劇的な効果をもたらすアンゴスチュラビターズと苦味の権化ともいえるスーズを混ぜあわせたカクテルです。
アンゴスチュラビターズの薬草を魔女の壺で煮つめたような味わいが甘くなりました。
カクテルの女王とよばれるマンハッタンによくにたノーブルな味わいです。
スーズとジン、カンパリ、アンゴスチュラビターズ
氷をいれたシェイカーにすべての材料をいれシェイクしグラスに注ぎいれました。
赤と黄が混ざり昇りゆく朝日色のカクテル。
しっかりとシェイクしてやると苦い香りの粒子は飛んでいません。
ひと口めから強烈なキック感をたのしめます。口中の汚れが洗い流され、知覚が過敏な部分がビンビンと刺激され、胃のヒダにしみこみグングンと熱くなります。
胃をうごかされ、食欲がまし、口中はさっぱりとし、食前酒にもってこいのカクテルです。
スーズとラム、ライムジュース
甘さと苦さ、酸味のバランスが精妙。
爽やかな苦味と風味がひろがる、そののちにちサトウキビから造られた自然な甘味が口中に充満します。
スーズの苦さ、ラムの甘味をひとつのカクテルで堪能できます。
スーズとクリームリキュール
スーズが苦すぎて飲めない。クリームリキュールが甘すぎて飲めない。
そんなときは、二つを合体させるとよいのです。
スーズの苦味が丸くなり、飲める苦さになります。クリームリキュールの余計な甘味がなくなりコーヒーのようにくっきりとした旨みを感じられるようになります。
スーズ・SUZEを飲んだ感想【 まとめ 】
日本では味わえないであろう苦さをたのしめるスーズです。
苦さを越えた先にあるのは、無にもちかい清涼な空気でした。
その空気には人が興奮する成分がふくまれていました。苦味にたえきった快感と言えるかもしれません。
ビールや白ワインにたらすと味がグッとよくなります。スーズの苦味は、汗がひくほどです。飲んだあとは爽快になること間違いなし。
ピカソなど芸術家も味わった苦味の先には、人類の歴史にのこるようなアイディアが埋もれているかもしれません。
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