万年筆初心者が、はじめて憧れの万年筆を買い、万年筆で文字を書いた感想を書いている記事です。
万年筆で美文字を書くには、持ち方、力の抜きかたなどコツを覚える必要があります。なかなかコツを覚えるのは大変でした。
しかし、万年筆は長時間文字を書いていても疲れず、きれいな文字を書けたときはニンマリとうれしく、万年筆が手になじんできたフィット感があり、あなたの相棒といえる万年筆に出会う、そんな楽しみがあります。
はじめて買った万年筆とインク
- Picasso ピカソ 916 万年筆 (灰色, EF型極細ペン先0.38mm)
- セーラー万年筆 染料ボトルインク 50ml ブルー
この二つを選んだ理由は、万年筆はアマゾンチョイスになっており、見た目が恰好よく、お値段もお手頃だったからです。
インクは、こちらの商品もお買い上げされています、と紹介されたので買いました。
ほんとに万年筆の知識ゼロで、万年筆を買ったのです。
ペン先は黒と銀色をあわせたような色をした金属、やや黒色が優勢か。ほそい溝とイラスト(?)が書かれています。ペン先を指にあててみると、つまようじで刺されたような痛さです。
万年筆のキャップをはずし、ペン先の反対側にある黒い太い部分をくるくると回すと、中身(?)がでてきます。黒く細い溝がある細いパーツをくるくるとに回すと、人を押しつぶすトラップのようなものが下がってきます。そして、インク壺にペン先をつけ、ふたたび黒いパーツを逆方向にまわせばインクを吸引できます。
インクを補充したならば、紙にペン先をつけインクが染みでてくるのをゆっくり待ちましょう。
インクがでてこないナと、万年筆をふるとインクが飛びちりますゾ。
万年筆ではじめて文章を書く
突然ですが、わたくしはライター稼業で、小銭を稼いでいます。うまい文章を書くには?名文を読め、名文を朗読せよ、名文を写経せ、とよく聞きませんか。
そこで、迷文を読み、写経しました。
万年筆ではじめて書いて思ったことは、ボールペンで書いたようなのっぺりした文字だな、というのが感想でした。文字のうまい下手はおいておいて。
万年筆で書かれた文字というのは、筆で書かれたように、濃淡のある文字が特徴です。
やはり万年筆で文字を書くからには、濃淡がくっきりする文字を書きたいナと思いました。
万年筆の教科書 『 万年筆で極める美文字 』
『 万年筆で極める美文字 』青山浩之著
こちらの本で万年筆の練習をはじめました。
万年筆の持ち方も、トレーニングも書かれています。
万年筆の持ち方
万年筆の正しい持ち方は、思った以上に万年筆をたてるのだなと。
ボールペン感覚で万年筆をねかせて持っていたので、万年筆をたてるように持つようにしました。万年筆をたてて持つことには中々なれませんでした。
万年筆の選び方
日本の漢字とひらがなを美しく書くには、日本メーカーの万年筆を選ぶとよいと本には書かれています。
買った万年筆は中国のメーカーでした。中国も漢字の国だし問題ないでしょ、きっと。
日本の万年筆メーカーで有名なところといえば、『 セーラー、プラチナ、パイロット 』です。
はじめて万年筆を買う人は、日本メーカーの万年筆を眺め、触り、書き心地をチェックし、お財布と相談し、見た目で決めちゃいましょう。
万年筆の課題、縦画につまずく
『 万年筆で極める美文字 』 の課題をこなしはじめ、2ページ目でいきなり派手につまずきました。縦画2をまっすぐ線をひき、スッと力を抜いて書くことができません。
すべての練習ブロックに縦画2の練習をしましたが、線がフニャと曲がったり、上から下まで文字の濃さが一緒の縦画2しか書けませんでした。
そこで、懐かしの『 ジャポニカ学習帳 こくご 』で、縦画2の練習をはじめました。
万年筆で書くときの下敷きですが、ソフト下敷きがいちばん書き心地がよかったです。ハード下敷きは万年筆のペン先がツルツルと滑りました。
欠点としてソフト下敷きは手にペチョっとくっつくので、ソフト下敷きがはみでている場所にキッチンペーパーなどの紙をひく必要があります。
ローテーブルで万年筆の練習をしました。左下がぽっこりでている謎なローテーブルです。正座で座るか、アグラをかきながら、万年筆の練習をしました。地べたに座ると落ちつきます。
縦画2の練習をはじめた当初は、2~3ページほど練習すれば、縦画2をスッと書けるようになるだろう、と気楽に考えていました。
縦画2をジャポニカ学習帳で練習する
懐かしい『 ジャポニカ学習帳 』ですね。すでに小学生のころから真面目に字を書かず、字はヘロヘロで、字を書いた本人すら解読不能のエニグマ状態の字を書いています。大人になってから文字の練習をするとは思いもよりませんでした。
1マスに3本、縦画2を書いています。
まったくもって成長していません。力を抜くとまっすぐ線をひけず曲がる。力をいれると、スッとぬけず線がうすくなりません。え、ツンでないですかね?
ボ~としていたら、4本の線をひきました。これ1マスに5つほどひけるんじゃない、と。
縦画2を1マスに5本ひくように練習をはじめました。資源の紙も無駄にしてはいけません。
回数を増やしたおかげか、まっすぐに線をひけ、10回に1回ぐらいはスッと力を抜ける線をひけるようになりました。
ここらへんで、万年筆の持ち方が固まってきました。
万年筆のペン先の模様がまっすぐ見えるように紙にあてず、ペン先の模様をすこし少し左側にかたむけます。万年筆を持つ場所はペン先付け根より、ちょっと上あたり。
万年筆は人差し指の付け根で固定し、万年筆に角度をつけています。小指と薬指は軽くにぎりこんでいます。小指と薬指については何も書かれていなかったので試行錯誤しました。万年筆の動画を見ると、握らずにフワッとさせている動画もあります。
何本も何本も線をひき、あなたの書きやすい万年筆のにぎりかたを見つけましょう。
ペン先の角度をいろいろ変化させてみたり、万年筆の持つ場所をうえにしたり、いろいろと試しました。何本も線をひいたので色々試せたのです。何本も線をひいたの無駄じゃなかったネ、やったね。
5本の線で練習してきましたが、まったく成長のあとが見えませんね。フニャったり、長さもバラバラ、スッと線の最後は抜けていません。万年筆や紙質を疑うようになりました。弘法も筆を選びぬいたそうですしね。
しかし、この万年筆でジャポニカ学習帳で最後まで練習しようと決めました。つぎの万年筆にかえてもうまく書ける気がしなかったので。
使っている万年筆は中国のメーカー。むかし中国に王羲之という人あり、彼は書聖と呼ばれるほど書がうまかった。それは彼の家のまえの河が真っ黒になるほど、書の練習に打ち込んだからです。
筆や紙のせいにしてはいけません。練習あるのみ、と自分にいいきかせました。
1マスにひけるだけ線をひく作戦にうってでました。ジャポニカ学習帳の残りのページ数は半分を切っていたのです。このままではジャポニカ学習帳のページがなくなるまでに、スッと力を抜いた線をひけないと考えました。 王羲之のように池の色がかわるかのように、白いページを青黒くしてやる作戦です。
1日に1ページ書くように練習していました。これだけの線をひいていると、指や腕は疲れないのですが、机と設置している手首の左側がこすれ痛くなります。
そこでテーブルマットを買い、ローデスクにひくと、手首の痛みがなくなりました。手首の痛みにお悩みのかたにオススメです。
何本も何本も線をひいていると、たまに何をしているんだろうなと、ふと空しい気持ちに捕らわれることがありました。上達する気配は一向にありません、ここは賽の河原かなと。
ただ、無心で線をひいていると、瞑想やヨガをしているときのように、心がふと軽くなるときもあります。何も考えずに頭がカラッポになる、そんな感覚が何度かありました。
夢をつめこめるほど頭がカラッポになっているから、スッと力が抜けた線をひけないのかもしれません。
線をひいていると、凹んだり、頭がカラッポになったりするほかに、色々なアイディアが頭に浮かびます。ジャポニカ学習帳の横にちいさいメモを置くようにしました。
線をひいていると、万年筆のよいところを思い出しました。おなじ漫画を読み、お酒のアイディアを書きとめたノートです。
左側がボールペン、右側が万年筆です。万年筆はきっちりと書かれており、読みやすい。おなじ人間が書いているんだぜ、これ。
線を大量にひくことは、辛いことだけでなく、瞑想と同じような効果があったり、グッドアイディアが浮かぶという良い所もあります。
ジャポニカ学習帳でスッと抜ける縦線を書く練習をした結果。ついにジャポニカ学習帳の最後のページに到達しました。
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万年筆をはじめて買い、文字を書いた感想【 まとめ 】
ボールペンと比べると、万年筆は長時間文字を書いても疲れません。こんなに疲れないのかとビックリしました。
美文字を書けるかと言われると、書ける人もいるし、書けない人もいると答えるしかありません。
万年筆の特徴である濃淡がある文字を書けるかと言われると、書けると思います。力をグッといれる、力をスッとぬく、これができれば濃淡のある文字を万年筆で書けるでしょう。しかし、それがトテモむずかしいです。
万年筆はあの人の手、その人の手に合う、合わないがあります。一回で手にぴったりの万年筆を見つけるのはむずかしいでしょう。お店で書き心地を試したり、いろいろな万年筆を手にとり文字を書くしかありません。
また万年筆と相性のいい紙というのもあります。
あなたの手にあった万年筆、その万年筆にあった紙の二つを見つけることができれば、万年筆はあたなの長きよき友になってくれるでしょう。
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