この記事は、ニッカ ジンスパイアを飲んだ感想を書いています。ジンとしては甘口にカテゴリーされるでしょう。
お酒がしみこんだような、すこし焦げたような木の樽の香りと甘茶のような独特の香りがするジンです。
香りに特徴あるジンは価格が高い傾向にあります。ニッカ ジンスパイアはお手頃価格です。
カクテルを作り飲んだ感想も書いています。ニッカ ジンスパイアでカクテルを作ると、ほとんどのカクテルの味がニッカ ジンスパイアの香りと風味に支配されます。アンゴスチュラビターズとカンパリが抵抗できたぐらいでしょうか。
それほどニッカ ジンスパイアの香りと風味は特徴あります。ニッカ ジンスパイアは、無色透明なウィスキーと思ってもらってもかまいません。
ニッカ ジンスパイアの特徴
黒とゴールドがクロスしているラベル。金色で書かれたGINSPIREのロゴにも黒いななめのラインがはいっています。シックで落ちついた印象をうける瓶のデザイン。
インスパイア – ラテン語の「in-(中へ)」+「spirare(息、息吹)」から、(思想や生命などを)吹き込んだり、感化、啓発、鼓舞、または奮い立たせたり、ひらめきや刺激を与えたりすること。インスピレーションの動詞形。
引用元:Wikipedia
ウイスキーにインスパイアされたジンというよりも、ウイスキーというカテゴリーにふくまれるジンのように感じました。ジンよりも香り風味はウイスキーに近いです。無色透明なウイスキー。それがジンスパイア。
グルッとラベルは一周しており、背面には3本の麦がお天と様にむかってのびています。中島みゆきさんの『 麦の唄 』を口ずさみたくなる、そんなデザインです。
アルコール分は43%。いっぱんてきなジンよりも、アルコール分は3%ほど高いです。
キャップにも金色のGの文字。そしてナナメに黒いラインがはいっていますね。麦とナナメがコンセプトなのでしょうか。さっそくキャップをひねり味見をしてみましょう。
ストレートで飲んだ感想
無色透明。そしてグラスにへばりつく粘度はないが、すこし柔和なトロミをかんじる。
ジンといえばジュニパーベリーの香りがするはずなのだが、ジュニパーベリーをいれてるの、とたずねたくなるほどジュニパーベリーの香りはしていない。では無臭なのかというと、そんなことはない。お仏壇をあけたときのような香り、甘い緑の団子をおそなえしたような、熟成された木と甘い薬草の香りがむんむんとグラスのうえに漂っている。この香りの強さ、ジンのなかではトップクラス。つんとくる香りではなく、ほがらかで温柔で甘い香り。
グラスをかたむけジンスパイアをすする。ジンとおもって飲むとハトが豆を喰らうほど甘く複雑で豊かな香り。木が焦げたような、バーボンがしみこんだ樽のような苦味。すこし口のなかでころがしていると、水アメをのばし、火で炙ったような甘味に変化してくる。
なめらかな飲み口でありながら、どっぷりと腰のすわった芳醇な香りと風味。ウッディーな香りと甘茶のような薬草の香りを愉しめる。
ジン感は、まったく、ちっとも、ネバーない。
ウイスキー原料であるヘビーピートモルトを使用した、ハーバルな爽やかさと、モルトのふくよかさをあわせ持つ飲みごたえのあるジン。飲むほどに変わる表情に驚かされる複雑さ、心地よく広がるピートの余韻が異才を放つ。
引用元:ジンスパイア裏ラベルより。
たしかに異才を放つジン。オンリーワンの風味と香りのジン。価格もお手頃なのがうれしい。
おなじ価格のウイスキー群の香りと風味とくらべてみても、ジンスパイアのほうが香りは芳醇で豊穣で味はひろがる。
ロックで飲んだ感想
大きい氷をグラスにいれ、ジンスパイアを注ぎいれる。注いだ瞬間、ワーッとジンスパイアの香りが、朝露にぬれた葉のように匂いたつ。そして、シーンと静かになる。
木の香りが、ナッツを炒ったような風味になり、甘茶の風味と混ざりあう。
ジンスパイアを冷やすと、まろやかさがなくなる。冷たい氷のような飲みごこちは、ビシッと硬くなり、キリッとした辛さを感じる。
炭酸水割り
氷をいれ、ジンスパイアを注ぎいれる。バースプーンでかき混ぜる。グラスが冷えるまで一心不乱にかき混ぜる。炭酸水を静かに優雅にグラスに注ぎいれる。
香りと風味の強いウイスキーでつくった高級なハイボールといった香りが漂っている。ジンスパイアのハイボールは、炭酸水だけで完成しており、単品でゆっくりと味わいたい。そう思わせる高級感、ノーブル、贅沢なお味となっている。
間接照明に照らされ、清潔で静かな場所でゆっくりとジンスパイアの炭酸水わりを飲む。日常から切り取られた隠れ家を見つけられた。
ニッカ ジンスパイアでカクテルを作り飲んだ感想
- ジントニック
- マティーニ
- ギムレット
- ジンビターズ
- カンパリジン
ジントニック
- ジン:45ml
- トニックウォーター:適量
- ライムやレモン:お好みでしぼりいれる
ジンスパイアと氷をグラスにいれ、バースプーンでかき混ぜ冷やす。トニックウォーターをてふてふと注ぐ。二度三度、氷を持ち上げる。
トニックウォーターのキニーネの香りを一切合切かんじないジントニックをはじめて飲んだよ。
トニックウォーターのキニーネの香りが、苦手なひとにオススメのジンスパイアでつくるジントニック。
マティーニ
- ジン:50ml
- ドライベルモット:10ml
- アンゴスチュラビターズ:1滴
- オリーブ:1個
ジンスパイアとドライベルモット、氷をミキシンググラスにいれ、かき混ぜ冷やす。グラスに注ぎいれ、ちょんとオリーブを飾る。
ジンスパイアの木の香りと甘茶のような薬草の香りに、フレッシュなドライベルモットの香りと、ピリリと苦いアンゴスチュラビターズの風味が混ざりあい丸い風味のマティーニになっている。
まろやかに丸く甘いマティーニ。ウイスキーとスイートベルモットで作る『 マンハッタン 』のような味だ。
ギムレット
- ジン:45ml
- ライム:1/4
- シュガーシロップ:適量
ジンスパイアとライム、シュガーシロップお好みの量、氷をシェイカーにいれシェイク。白濁した液体をグラスに注ぐ。
甘めのジンスパイアの香りのなかに、ポチョンとライムの苦味ばっした風味をプラスすることで、味の最後の1ピースがそろった。そんな印象をうける。
ジンスパイアは甘い風味なのだが、どこかマがのびているイメージだった。そこにライムの酸味をくわえることで、ダルマに眼をいれるように味が完成する。
それでもギムレットのなかでは、甘口だと思う。
ジンビターズ
- ジン:60ml
- アンゴスチュラビターズ:2~3滴
グラスに大きい氷をドガラといれる。アンゴスチュラビターズを氷に2~3滴ふりかける。ニッカ ジンスパイアを注ぎいれる。
薬草を煮こみたおした複雑な香りがしているアンゴスチュラビターズ。アンゴスチュラビターズは、ジンスパイアの香りや風味を底上げしている。
アンゴスチュラビターズをジンスパイアに1~2滴たらす。そこから波紋がひろがり、薬草のツルが木にまきつくように、数々の薬草の香りがプラスされ複雑でゆたかな風味になる。飲むたびに味が変化する印象をうける。
カンパリジン
- ジン:30ml
- カンパリ:30ml
ジンスパイアとカンパリ、氷をミキシンググラスにいれ冷やす。
赤くなった液体をグラスに注ぐ。イタリアの陽気に苦いカンパリ。芳醇な香りのジンスパイアを混ぜることで、苦さと甘さのシーソーゲームがはじまる。
陽気に苦いとおもったら、つぎの瞬間には、ほがらかな甘さをかんじる。苦さと甘さのガチンコ勝負。
Amazonレビュー
少しウイスキーというかピートというかの香がしました。ジンとしての好みは別れるのかなあと思いました。
引用元:Amazon
ニッカ ジンスパイアを飲んだ感想【 まとめ 】
ニッカ ジンスパイアは、ジンの香り風味がする、とおもい飲むとビックリします。香りと風味はウイスキーだとおもい飲んでください。
ジンスパイアは、お値段はお手頃。おなじ価格のウイスキーの風味とくらべても、トップクラスに風味がゆたかです。芳醇でどっしりとした腰のすわった風味がありました。
おおくのジンを飲みました。ジンスパイアの香りと風味のジンはみあたりません。
ウイスキーによせたオンリーワンのジン。それがニッカ ジンスパイアです。
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