コストコで売られているSINGLE BARREL MASTER DISTILLERS ケンタッキーストレートバーボンウィスキーを飲んだ感想を書いています。
このバーボンの特徴は、なんといってもアルコール分。

なんと驚異の60%です。40でも50でもなく、さらにそのうえの60%です。
アルコール分を高めるということは、水分をとばし、凝縮させる必要があります。
ふつうのウイスキーよりもすこしお高い価格設定です。けれども、60%の衝撃を味わえるバーボンは少ないです。
高いアルコールの刺激をおいもとめられるかたがたには、はらうべき価値のあるお金だと思います。
アルコールに弱いひとには、おすすめできないバーボンともいえます。
アルコールが苦手なかたは、匂いだけで、ノックダウンさせられる可能性があり。
アルコールが大好きな私も、大きな木の板で、舌をぺちんッと叩かれたような強烈なキック感に頭がゆれました。
たぐいまれなる強アルコールの世界へようこそ。
SINGLE BARREL MASTER DISTILLERS 実飲レビュー
ストレート

明るい琥珀色。恐竜時代の樹液がかたまったようなすこし濃密な印象の色。
純粋なアルコールの酸味といった、すきとおった香りが充満しています。
アルコールのムセかえるような嫌な匂いはしていません。
粘度は、さらりとしており、口あたりは滑らか。
けれども、口のなかにはいりこむやいなや、まるで口中の薄い白い皮を削りとるような強烈な痛みにもいた刺激がとがりだします、イガグリやウニのように。
辛味と書かれた板をヤスリで削りに削り、まったいらに磨きあげたような澄明ともいえるドライな口あたり。
若い麦の風味を何層にもかさねあわせて、うえから圧縮しきったような力づよい荒々しさと、アルコールたっぷりのコクともいえる旨味は感じられます。
さらに、唐辛子や黒胡椒の香りをのぞき、刺激だけをくわえたようなハードな刺激が悪魔がもつ三又のように口中を刺しまわります。
飲んだあとの口のなかが、ひりひりとするほどに強烈な味わいです。
いろいろと書きましたが、アルコールが強すぎて、なんかアルコールの旨味、麦系の熟れた味わい、辛い系のスパイスの風味などなどが実存しているとは思います。
けれども、一瞬でアルコール色に口中がそめあげられ、アルコールのモヤのなかにそれらはすべて消えていきます。
そして、あとに残るのは、爽やかともいえる酸味をおびたアルコールの残響。
ロック

おおきい透明な氷をグラスにいれ、バーボンをそそぎいれました。
すこしブドウらしい果実感が目をだします。そして冷やすことで、すこしだけ粘度もましたように感じます。
氷で冷やされたことで飲みやすいです。
ただし、胃に落ちた瞬間、まるで油に水滴が落ちたかのように、暴力的な熱波がたちのぼります。
氷で包まれていた香りが、熱波となり一気に体をかけめぐります。
飲みやすい、けども、そのあと龍が雲にのり、天にのぼるように一気にアルコールがまわりきりました。
また、肉厚ともいえる後味は、ながく口中にとどまります。余韻が非常に長いです。
水割り

バーボンと同量の水をくわえ混ぜあわせました。
ほんとに、加水した、これ、と思ってしまうほどに、味わいというか、アルコールの主張が強いです。
けれども、さすがに加水することで、さまざまなエッセンスに気づきました。
青いリンゴ、ちいさい紫色のブドウなどのフルーティーなアロマがこぼれだします。
水をくわえ、冷やすことで、二等辺三角形のとがったところのようにシャープな味わいになり、するすると飲むことができます。
胃に到達したバーボンは、液体が重さをもったように、胃にズドンと落下するようなアルコールの衝撃を胃に感じました。
水で割ってもアルコールの強度は健在でした。
ハイボール

いままで飲んできたなかで、もっとも硬質で、もっともハードボイルドな味わいのハイボールです。
ミネラルをたっぷりとふくんだ、辛いにちかい爽快感のある口あたり。
ちいさい泡がはじけるたびに、アルコールの分子が元気よく跳ねまわります。
アルコールのリッチなコクはある、それでいて飲み口と後味はパワフルに爽快。
飲みやすいハイボールです。けれども、アルコール分はたかめ。

キニーネの香りが特徴のトニックウォーターでバーボンを割りました。
キニーネの香りと、バーボンの酸味が混ざりあい、はなはだ爽快な香りがわきたちます。
味わいの濃さという一点にかぎっていえば、ジンよりも、
個人的な印象としては、水で割っても、炭酸水で割っても、アルコールの強度をそのまま維持しているように感じました。
辛口、ドライ、という言葉が、これ以上にぴったりのお酒の存在を思いだせません。
それほどに、アルコールの世界に屹立するアルコール分の強度をほこるバーボンでした。
私は甘いお酒が好きではありません。
このバーボンにかんしていえば、甘味を舌が心がもとめます。
バーボンをつかったレシピに、チェリーやシロップなどをくわえるのは、辛味を軽減するためだったのかもしれないと思いつきました。
つぎはカクテルを作り飲んだ感想を書かせてもらいます。
ボトルド イン ボンドでカクテルを作り飲んだ感想
- オールドファッション
- ゴッドファザー
- マンハッタン
オールドファッション

- バーボン:45ml
- アンゴスチュラビターズ:1~2滴
- 角砂糖:1個ソーダ:適量
- チェリー:1個
- オレンジ・レモン:お好みで
ぽってりとしたチェリーの、あわい甘味が、辛いバーボンの海をただよっています。
さらに、角砂糖をくずすことで、口あたりがマイルドになり、味わいもふくらみます。
また、アルコールが強すぎると感じられたかたは、炭酸水をおおめにいれるとよいでしょう。
甘味をくわえることで、ゆっくりと穏やかにバーボンの味わいを堪能できます。
マンハッタン

- バーボン:40ml
- スイートベルモット:20ml
- アンゴスチュラビターズ:1~2滴
- チェリー:1個
カクテルの女王とよばれることもあるマンハッタン。
この女王は、凡百の男性を投げとばし、ねじりあげ、蹴っ飛ばすようなパワフルな味わいがありながら、どことなく貴族がもつ洗練された魅力も含有しています。
スイートベルモットの甘みをマントのように身にまとい、爽やかな風味をふりまく貴婦人といった豪奢な味わい。



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