「モモ」ドイツの作家ミヒャエル・エンデさんが書いた児童文学作品のあらすじ|感想を書いている記事です。
『岩波少年文庫』大島かおりさん訳を読みました。
時間は大事とおしえてくれる1冊。
大人から子供まで、手にとってもらい読んでもらいたい一冊です。
おもな登場人物
モモ
本のタイトルにもなっている「モモ」年齢は8~12歳にみえる女の子。
「モモ」はどこから来たのか、父母の記憶もありません。
物語の舞台になる都市のすみっこ、もう使われていない円形劇場に「モモ」は住み、都市の住人と仲良くくらしています。
「モモ」は特殊な能力をもっている女の子ではありません。
小さななモモにできたこと、あいての話を聞くことでした。
引用元:モモ
灰色の男たち
灰色ずくめの姿をした紳士たち、車から書類、カバンすべてが灰色。
つねに灰色の葉巻をくわえています。
「灰色の男たち」は、言葉たくみに都市の大人たちから、時間をうばって生きているんです。
時間を奪われた大人たちは、時間におわれる生活をおくり、人間関係もギクシャクしていきます。
マイスター・ホラ
「時間の国」という不思議な場所に住んでいる「マイスター・ホラ」
「マイスター・ホラ」は子供から老人の姿まで、自由自在に変化できます。
「灰色の男たち」と「マイスター・ホラ」は敵対しているようです。「マイスター・ホラ」は「モモ」が「灰色の男たち」から時間を取りかえす手伝いをしてくれます。
カシオペイア
「マイスター・ホラ」の友達のカメ「カシオペイア」
陸ガメと思いますが、作中ではキッチり書かれていません。作中のイラストを載せておきます。
甲らをに、光る文字を浮かびあがらせ、「モモ」と会話が可能です。
物語の舞台
「モモ」が暮らしている都市の名前や場所は、作中でキッチリと書かれていません。読者が想像するしかありません。
登場人物の名前からして、ヨーロッパ、アメリカの都市かな?
車や飛行機はある、携帯電話はまだない?or普及してない。ファーストフードはある。などから1980年代のドコかの都市と想像しました。
自由に「モモ」が暮らし、冒険の舞台になる都市を想像しましょう。
あらすじ
時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語
引用元:モモ
「モモ」は、「灰色の男たち」に都市の住人たちの時間がぬすまれていることに気づきます。
「マイスター・ホラ」「カシオペイア」に助けられ、「モモ」が「灰色の男たち」から住人たちの時間をとりかえす物語です。
モモを読んだ感想
時間はじぶんのもの
人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんできめなくてはならないからだよ。だから時間をぬすまれないように守ることだって、じぶんでやらなくてはいけない。
引用元:モモ
時間のつかいかたは、他人にいわれた時間の使い方ではなく、じぶんの時間の使い方は決めないといけない。作者が一番伝えたかったことに思えます。
他人にいわれるがまま、じぶんの大事な時間を浪費してるんじゃない?
大事なじぶんの時間の使い方を、ゆっくり考えてみましょう。
子供の教育|子どもの家
「灰色の男たち」が子ども達を通わせている「子どもの家」という施設がでてきます。
子ども達に毎日毎日「役にたたない遊戯」「おもしろくない遊戯」をさせる施設です。子ども達はよろこんで「子どもの家」に通ってるようには見えません。
なぜ「役にたたない遊戯」「おもしろくない遊戯」をさせる施設に子どもは通うのか?
将来の役にたつってことさ。
引用元:モモ
親から「将来の役にたつから通え」と言われているようです。「日本の塾とよく似ているなぁ」と感じました。
幻想的な文章
ファンタジー要素のつよい場面では、幻想的で独創的な文章で物語がかかれており、頭の中で1枚の絵画・絵本の挿絵がおもいうかぶ素敵な文章です。
どのような絵画・絵本の挿絵を思いうかべるかは、人の想像力のちがいで色々な絵画・絵本の挿絵ができあがるでしょう。
序盤はチョット退屈
「灰色の男たち」が登場するまでは、物語はチョット退屈で飽きてしまうかもしれません。「灰色の男たち」が時間を盗みだすと、物語は一気に加速し、エンディングまで向かいます。
序盤は「モモ」の生活・友人関係の説明がおおいです。仲のよい“おともだち”が「灰色の男たち」に時間を奪われてしまい、性格がかわったと「モモ」はきづきます。
「モモ」は“おともだち”のために「灰色の男たち」と戦う決心を決めたのかもしれません。
ひらがながおおい
「モモ」は児童文学です。
むずかしい漢字をつかわず、普通の小説であれば「漢字」をつかうような箇所でも「ひらがな」で書かれています。
「ひらがな」がおおく、チョット読みにくさを感じました。
読書経験のない子はぜんぶ読めないかも
「モモ」は読書になれたお子様でないと、ぜんぶ読むのはむずかしいと思います。
「序盤で飽きる」「扱ってるテーマがむずかしい」などが、ぜんぶ読まれない理由です。
「モモ」をぜんぶ読んだお子様は、なんとなく「時間」は大事と考えるようになると思います。
作者紹介|ミヒャエル・エンデ
「モモ」の作者「ミヒャエル・エンデ」はドイツ人です。「ジム・ボタンの冒険」「モモ」でドイツ児童文学賞をとっています。
日本にも何度か来日しており、日本の文化にも触れています。再婚された奥様は日本人です。
「ミヒャエル・エンデ」の資料は日本の「黒姫童話館」で見れます。
モモを読んだ感想【まとめ】
「じぶんの時間は大事にしよう」と教えてくれる作品でした。
児童文学「モモ」お子様はもちろん、ふだん時間におわれ「時間がない」「ひまがない」“ゆとり”がない大人も「モモ」を読み、「時間ってなんだろ?」と考える冒険にでかけませんか?
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