この記事は、『 檀流クッキング 』で紹介されている粥三種類を作り、食べた感想を書いています。
スープでお米をコトコトと煮れば作れます。
できあがったお粥の味は、中華街で食べられるお味そのものです。
牛のスネ肉か鶏ガラで出汁をとり米を煮ます。
そして、トッピングとして白身魚か鶏をのせ熱々の白いお粥をすすります。
粥三種と書かれていますが、この記事ではスープで作る粥二種だけについて書きました。
もうひとつの粥は、米と水、ゴマ油をいれコトコトと煮るシンプルだけど飽きのこない奥ゆかしいお味の粥です。
『 檀流クッキング 』とは、無頼派とよばれた文豪であり料理好きでもあった檀一雄が書きしるした料理エッセイ本です。
男性作家が書いた料理エッセイの金字塔でありパイオニアともいえる一冊。それが『 檀流クッキング 』
おおよその目分量、経験で調理する実践的レシピが網羅されています。
粥の調理風景【 写真あり 】
粥の調理にとりかかるまえに、牛スネか鶏ガラのスープを作りましょう。
牛スネか鶏ガラと水、そして、香味野菜を鍋にいれコトコトと煮るだけです。
スープと米を鍋にいれます。割合はスープが10、米が1です。コップ1杯の米にたいして、コップ10杯のスープを鍋にいれてください。
弱火で1時間ほどコトコトに煮てください。それだけで中華粥を作れます。
中華粥を作るうえで大切なこと、それは、かるく米をほぐしたあとは、お米を触らないことです。
かきまぜたり、さわったりしないで、コトコトと煮えるのを一、二時間、待つだけだ。塩加減は好きな通り、なさるがよい。
引用元:檀流クッキング
お粥はできました。つぎはトッピングを用意しましょう。
白身魚のそぎ切りにします。そして、お酒をふりかけます。
つぎに、お粥を食べるお椀に白身魚を貼りつけましょう。
そのお椀にお粥をそそぎいれます。
魚が半煮えになって、こんなにおいしいお粥も少なかろう。
引用元:檀流クッキング
おいしいお粥です。だけども、見ためは、ふつうの中華粥です。
白米ひとつひとつが、開いています。花が咲くように、開いています。
白米ひとつひとつの食感はかるく、噛む必要がないほど柔らかいです。
白米ひとつひとつに淡くスープの旨みがしみこんでいます。
お粥を食べすすめるにつれ、白身魚の鍋をつついているような甘さを感じました。
その瞬間、トロリとした米をまとった白くなった薄い白身魚が現れます。
つるりと温かい表面と、内側のやや冷たい温度の対称が妙味です。
つぎは、鶏のササミか手羽肉を用意し、ソギ切りにします。
鶏の肉に酒をふりかけます。そして、片栗粉を水で溶き鶏の肉にまんべんなくまぶしつけました。
鶏の肉は魚の肉とちがい、お粥にいれるまえにお湯でゆでてください。片栗粉が透明になり水晶をまとわせたようになります。
お粥のうえに、ゆであげた鶏の肉をのせれば出来上がりです。
淡泊なお味の鶏肉と白い中華粥の静謐ともいえる旨味があわさったお粥は、食べていても疲れません。
それでいて、スープで煮た米にはしっかりと旨みはあります。舌や歯、鼻にて透明な旨みは感じられます。
コトコトと炊いた中華粥の旨みは、おしつけがましくないのです。ふんわり、はんなり、淡雪ともいえる旨みです。
どちらのお粥もスープで煮ていますが、さっぱり系のお粥です。旨みはありますが、お粥だけで完結するものではないように思いました。
檀流クッキングの中華粥は、副菜といっしょに食べることで完結します。
控えめな中華粥の旨みは、いろいろなお惣菜やお漬物と合わせやすいです。
檀流クッキングでは、さまざまなお惣菜の作り方も紹介しています。
『 檀流クッキング 』のレシピはこちらの記事にまとめています。
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