女性が活躍しだした時代のイラストが特徴のビールセットです。

6種類のビールが2本ずつはいっています。

ビール1本の値段は、475円です。

どのビールの容量も330mlです。
ビール1本の値段にしては高いじゃないか、と思われたかたもいらっしゃるでしょう。
正直な感想をいうと、高いです。475円の価値のあるビールかといわれると首をかしげざるをえません。
おそらくドイツでは、もっとお手頃価格で買えるものと愚考します。
水を買うよりもビールの価格が安いといわれているドイツ、うらやましいかぎりです。
関税やら、なんやらの関係で値段があがっているのでしょう。
あと100円安ければ、納得のお味です。
予想になりますが、しばらく売れ残ったのち少し価格をさげて売られると思います。買うのであれば、そのタイミングがよいでしょう。
どのビールも標準をはるかに上回っているよい出来のビールではあります。けれどもこの値段をだすなら、もっとちがうビールがあるのではと考えてしまうのです。
パッケージの缶がほしい、いろいろなドイツビールを飲んでみたい方、麦とホップだけで造られたストロングスタイルのビールが好きな方たちの要望にはピッタリなビールセットではあります。
STEAM WORKS


浪漫のかたまり、スチームパンクちっくなイラストが描かれた遊び心にあふれかえったパッケージのビール。
飾っておくだけで、部屋のお洒落度がワンランクあがりそうです。
日本人がビールを聴けば思いうかべる色。そして、白い泡の密度はややアバウト。
ただ、明るいなかに、スチームを混ぜこんだようにホワイトなまどろみがあります。
麦をゆっくりと煎りつけて、天然の蜜のような甘い風味をひきだしています。
麦のほかに、南国系の爽やかな果実、マンゴスチンなんかの透明に熟した果実の香りもあるように感じました。
泡の口あたりは、見ためよりもきめ細かく、繊細な印象です。微細な泡が、しっとりと唇にあたり、羽毛のように軽やか。
それでいて、ビールの炭酸をにがさず、薄皮一枚ガードしています。
ビールの炭酸の粒は、まるで粉をふるいにかけたようで、たらこスパゲッティよりの魚卵よりも、泡の舌触りはミニマム。
その微小な泡のおかげで、ビールを津々と飲めることができます。のどごしは、はなはだ爽快。
爽快なビールが胃に流れおちたあとには、麦を発酵させたような熟した風味と、かずかにライチのようにおつゆをたくわえこんだ果肉の清々しさがあります。
余韻は短く、夏の夕立のようにすぐさまかき消えます。

HERRNBRAU Tradition


日本のラガービールにちかい色あい。
個人的な印象としては、日本のラガービールにくらべると、各段に味わいも、香り、手ごたえがリッチです。
まるで熟成させアルコールの濃度を高めたかのようなアルコールのキック感があります。
泡立ちはやや粗く。強炭酸で、みっちりとグラスに細かく泡がついています。
炭酸そのもの刺激はひかえめ。
飲んだ瞬間に水なのに、どっしりと重い。中腰のお相撲さんがシコふんじゃったように、どっぷりとした重力を味蕾に感じるほどに、ねりあげられた舌ざわり。
麦を焦がすことなく、しっかりと煎りつけ、さらに水分をとばし、麦の甘味と香味を極限までひきだしています。
麦の波濤、麦の種類も3種類ぐらいいれられているように感じるほどに、バラエティーゆたか風味、マッチョな味わい。
苦味もありますが、麦の旨味につつまれ、トゲトゲしくなく、まろみをおびた苦味です。
飲みおわったあとは、陽光をたっぷりと吸収した琥珀色の麦の余韻が長くつづきます。
料理にあわせるよりもソロで愉しみたいビールです。

Unser Bürgerbräu


黒よりの茶色。おそらく黒ビールに分類されると思います。
むくむくと盛りあがる密度の濃い泡は、しっかりとグラスにフタをしてくれました。
黒砂糖をキャラメリゼしたような、穏やかに甘い香りがひろがっています。
すこしだけ、生クリームすくなめのキャラメルのように柔らかい香りも感じられました。
白い泡はクリーミー。確実に白いヒゲができます。
カカオ率70%のチョコレートのように、ビターでシャープな味わいが、口中を電撃作戦のように一気呵成に吶喊していきます。
黒い液体が胃に流れおちたあとは、オレンジの皮を白い砂糖につけたような華やかさをともなったリッチでこなれた甘味が顕現します。
チョコレートをコーティングしたオレンジのお菓子によく似ているなと思いました。

Zwickel


泡はちょっぴり粗い、けれども、もっこり感を長く維持するすぐれた泡でした。
グラスをゆらしても、白い膜を維持している剛健な泡です。
軽い、けれども、思い。エアーだけどもディープ。
ほどよい苦味、香草をすこし加えたような心地よいビター感。
オレンジの皮と果肉のあいだの、白いフサを舌先に1㎜ほどのせたような晴れ渡った澄明な苦味。
爽やかな苦味のおかげで、ぐいぐいと飲みやすい、へたすると水よりも口あたりはよいです。
のどごしの疾走感はばつぐん。ほどよい炭酸の刺激があり、それがより一層味わいをシャープなものにしています。
飲みおわったあとは、苦味をおびた麦の余韻がじんわりと残ります。

Käuzle


泡の密度は粗い、けれども土俵際の魔術師のように皮一枚のこししっかりとフタをします。
乾燥させたホップのダイレクトなハーブ感をきかせています。
ホップの苦みになれていないひとは、飲みにくいと感じられるほどに、はっきりと輪郭が見える苦味を堪能できます。
しっかりとした苦味のおかげで、液体は軽くなり、口中のどこにひっかることなくスルスルと胃に流れおちていきます。
流れおちる瞬間に、グレープフルーツのような明るく陽気な風味が一瞬たちのぼります。
苦味になれてくると、最初から最後まで爽快で、たいへん飲みやすいビールです。

Wieninger


白ビールに分類されると思います。
泡立ちは、はなはだクリーミー。空気をふくんだ泡は、風に揺れるほどに軽いです。
ピクルスなどにいれられているキャラウェイやディルなどによく似た酸味があります。
ビールの舌ざわりはソフト。ゆっくりと肩から落ちる絹のように優雅。
かるく粘度をもった白い濁りがあり、湿潤にとんだ口あたりといえます。
口にふくむと、3種類ほどの複合的な香草の酸味が強くでています。
柔らかい口あたり、フレッシュな酸味、飲みやすい白ビールといえます。
あと、酸味のあとに、きゅうりの水分をたっぷり含んだ透明な爽やかな香りもあるように感じました。

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