この記事は、熊のイラストが目印のベアレン醸造所のスタンダード缶の3種を飲んだ感想を書いています。
TGピルスナー・Nクラシック・レモンラードラーの3種を飲みました。
日本人がとっつきやすく、それでいて個性をたのしめるピルスナー。
いつものビールとは、風格がちがうクラシック。
そしてまるでレモネードのような爽快なレモンラードラーです。レモンできるのか、レモンラーできるのか、謎なネーミングです。
ピルスナーレビュー

ビールの色は、琥珀よりもうすく。日本人が飲みなれているビールの色によく似ています。
グラスについている白い泡は広がっています。
けれども、泡の中央は、流氷が海にぽっかりと浮かんでいるように密集しています。
グラスを傾けると、集まった泡が口を柔らかくつつみます。口あたりは、きわめてソフトです。
やわらかい泡をつきぬけてやってくるのは、微細な泡が威勢よくはじけながら流れこんでくる爽快な液体。
キレがよすぎる、ともいえるほどに、爽快な飲みごこち。
さらに、透明な苦味があり、さらに味わいがシャープにとぎすまされています。
苦味は、ホップのようにも、緑茶のような、すこしだけ柑橘系の皮や白いところのような苦味です。苦い、けれども、人を不快にさせないギリギリの苦さは、飲みなれてくると華やかだとも感じられます。
さらに、この苦味は、飲んだあとの余韻が、非常に長いです。紙飛行機を飛ばしたように、清くなめらかな苦味が、す~っと続きます。
一口目から、飲みおわったあとまで、一点の汚れも欠片もないほどに爽のひともじ。
飲みおわったあとは、体のなかが清められ身体が軽くなったように洗練された苦味。
鈍重な熊のイメージをくつがえすほどに、クールな一杯でした。
クラシック

こまかい泡が、みっちりとグラスについています。
黄色の液体は、しっかりと白い泡に守られています。まったく空気と接触していません。
この泡は、まさに不動。動かざることエサをねだる熊のごとし。
飲むたびに、グラスのふちに泡の年輪を刻んでいく泡でした。
そして、ちいさく発泡している液体の口あたりは柔和。もっと、がんッと苦味がくるのかと思っていました。
液体のなかのコンテンツは、ゆたかで複雑、さらに熊のように大きく力づよい。
口のなかには、判別不能なほどに様々な香りと風味がひろがります。
麦を焦がしたような、黒ビールにもよく似たような味わい。
さらに麦、もしくは乳製品を発酵させたような強弱のある風味。
乾燥させたハーブのような苦み。すこしだけ、ブランデーを貯蔵していた木の樽のような香り。
そして、キイチゴのような酸味を梱包した甘味。
さまざまなコンテツが口のなかに広く大きくひろがります。
熊が大地を踏むように、堅実な味わい。時を超えても愛されるビールだと思いました。
爽快というよりも、アルコール度数の高いお酒を飲むように、どっしりと腰をすえて飲むビールだと思いました。
飲むたびに香りと風味、味わいの変化がたのしく、全身にひろがる優雅なテイスト。
レモンラードラー

甘い、酸味よりも甘味をまずは感じます。
レモンの酸味はあります。けれども、とがっておらず、つよくもなく、よくよく抑制されたレモンの香りです。
自然な甘味は、熊さんが右手につけて、ベロベロとなめる液体によく似ています。
さらに、ちいさい容器にいれられ、お姉さんたちが運んできてくれる飲料のような味わいもあります。
しいてこのビールを一言で表すなら、ハチミツレモンとビールを割ったもの。
泡の爽快感はあります。アルコールのパンチとコクは、ほとんど感じません。
なんならスポーツ中に飲むこともできるんじゃないと思うほどに飲みやすいです。
ビールが苦手なひとでも飲める可能性があるビールだと思います。
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