株式会社マルエスの恋するめを食べた感想を書いています。

こまかく切ったするめを乾燥させ、もういちど凝縮させ、うすくのばしたような愛くるしい恋する乙女のように可憐な見ためです。

ちいさいビーフジャーキーならぬ、イカジャーキーと思ってもらうとぴったりだと思います。
ちいさく、うすい、けれども、噛みごたえ抜群です。噛んでも、噛んでも、口のなかにのこり、いつまでも潤沢な旨味がコンコンとわきでてきます。

味は、あまから、梅、レモンの3つがあります。
あまからは王道な駄菓子感。梅は熟した梅のようなまろやかな酸味。レモンは瀬戸内海の空気を感じられる酸味。
恋するめ 実食レビュー
あまから
醤油と砂糖を混ぜたものを、鉄のフライパンで焼いたような、日本人の郷愁にびしっと刺さる香り。
もんじゃ焼きの、片栗粉などが焦げたやつを、はがしたような雰囲気が漂っています。
イカを調味料につけこんで、焼いたあとに、しっかりと水分を飛ばしきり、旨味を凝縮、圧迫させたように厚く濃い味わい。
醤油だけでなく、ミリン、日本酒などの複合的かつ立体的な旨味があります。
そして、そこはかとなく木の影から主人公を眺め見る乙女のような淡いイカの旨味も感じました。
恋するめは、奥歯で10回を噛んでも、まだなお旨味がのこっています。形はすこしゆるんでいますが、しっかりと残っています。
あまい、は感じました。からいは、ひかえめです。
寒い朝に、白皙の女性が、赤くなるほどの辛さで、ちょっと甘味をさらりとさせてくれる効能があります。
梅
恋するめを噛むと、口をすぼめて、目んたまが、ばってんになるほどの酸味はやってきません。
まるで花魁道中のように、しゃなりしゃなりとした酸味がゆっくりとしみでてきます。
その酸味は刺激的で、塩辛くトゲトゲしていません。
熟した果実のような甘さをふくみんでいる一級品の梅のような酸味です。
南高梅のもっとも巨大で見栄えがよく、ふくよかで、皮を押すとほどよい弾力がある最高品質のものを塩漬けにしたような塩梅の酸味です。
しなやかに健康的、ふくよかで柔軟。
梅干の真っ当な酸味があるので、梅味の恋するめを噛んでいると、いつもより唾液のふきだす量がおおくなっているように感じました。
レモン
瀬戸内海の海風、ほがらかな太陽をたっぷりとあびたような健康的で和風な酸味がしみでてきます。
鋭角的な酸味ではなく、和の心をたっとぶ丸い酸味。ワックスをぬっていないレモンの黄色の皮をひねったときにしみでてくる脂の酸味。
そこはかとなく、レモンの皮と果肉のあいだにある白いもやもやにふくまれているような、ちくりとした苦味もあります。
酸味と苦味のおかげで、ラブレターをだすかださないかずっと迷っている乙女のようにひかえめな白いイカの旨味をよくよく観察できます。
イカのフライのレモン味、あれによく似ていると思いました。こちらはフライしていないので、体重や油が気になっているひとでも食べることができます。
恋するめを噛んでいると、アゴが鍛えられます。はじめのうちは筋肉痛になるかと思いました。
噛むことで満腹中枢を刺激し、少量でもお腹がふくれます。
ダイエットにはげまれている恋する乙女にぴったりな恋するめ。
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